在日琉球人の王政復古日記

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《ガーリームービー列伝》イスラム少女戦記イラン編「オフサイド・ガールズ」(2006年)

映画 「オフサイド・ガールズ」 (06 イラン/日本公開0709) 予告編 - YouTube

 

このイランの事件とソックリそのまんまの、これまたイラン映画である。

 

 時事ドットコム:バレー観戦で女性に禁錮1年=「公共の利益に反する」−イラン

バレーボールの試合を観戦しようとして、6月にテヘランで身柄を拘束された英国系イラン人の女性が禁錮1年の実刑判決を受けた。弁護士が2日明らかにした。判決理由は不明だが、イラン当局は「バレーボールの試合とは無関係の保安上の理由」としている。
 実刑判決を受けたのはゴンチェ・ガバミさん(25)。試合が行われたスタジアムで、女性はジャーナリストも含めて観戦できないとの告知があった後に身柄を拘束され、4カ月以上を刑務所で過ごした。警察当局は拘束時、男女が共にスポーツ観戦することは「公共の利益に反する」と説明していた。
 イランでは、男性客の下品な行為から保護するためとして、女性がサッカー観戦することも禁止されている。(2014/11/02-22:57) 

Yahoo!ニュース - <イラン>男子競技観戦求め有罪 英国女性に禁錮1年 (毎日新聞)

 イランの裁判所は、テヘランのスポーツ競技場付近で男子バレーボールの観戦を訴え、今年6月にイラン当局に拘束されたイラン系英国人の女性に禁錮1年の判決を言い渡した。ロイター通信などが2日、伝えた。

 女性はゴンチェ・ガバミさん(25)。判決の詳細は不明だが、ガバミさんの弁護士は、イランメディアに対して「イランに反対する宣伝活動などの罪に問われた」と話した。イランでは、女性がバレーボールやサッカーなどの男子競技を観戦することが禁じられている。英国など西側諸国で強い反発を呼びそうだ。

おぬし、確信犯だな(笑)。

ま、普通のイラン人ではなく、「英国籍」という切り札があるから強気に出られるんだろうが、

 

・・・《修正追記》:時事は「英国系イラン人」、毎日は「英国女性」「イラン系英国人」と表記していて、エスニックがペルシアな英国籍なのか、エスニックがアングロサクソンなイラン国籍なのか、あいまいだけど、とりあえず、英国と関係を持ってることは確実で、それが彼女の「切り札」だろうと推察できる。・・・

 

私はムスリムじゃないし、原則としてモダニストだから、ホメイニよりは彼女を支持する。頑張って欲しいもんだ。

 

私は基本的にエンタメ映画しか見ないんで、芸術映画は苦手だ。

第三世界の映画についても門外漢である。

イラン映画と言われても、 「彼女が消えた浜辺」「花嫁と角砂糖」とかは見たけど、なんか昔の松竹文芸映画みたいで(笑)、悪くはないんだろうけど、守備範囲外であった。しかし、これは面白かった。

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イスラム圏、って大雑把に一緒くたにしがちだが、各地域によってかなり格差があるようだ。

トルコなんかは、中東の大久保利通というか朴正煕というか(笑)、オスマン帝国から一気に近代化を目指したアジアの英雄・アタテュルクの近代化革命によって、かなりわれわれの話も通じる国な感じがする。

サウジアラビアは金があってインフラは近代的だが、社会体制は原理主義丸出しだし、

アフガニスタンに至っては中世にタイムスリップしたような状況で、とてもわれわれの話が通じそうにない。

 

で、イランとなると、ホメイニ革命のせいで古色蒼然の原理主義体制というイメージがあるが、数本だけだがイラン映画を見る限り、(一部かもしれないが)国民にはある程度近代的なテイストが身に付いているように感じた。

おそらくパーレビ時代に近代化の洗礼を受けていて、ホメイニ革命の巻き返しにあいながらも、テヘラン周辺の、それも中産階級だけかもしれないが、社会の底流にはまだその基盤が残っているのだろう。

 

#ブルキニ #ヒジャブ #ニカブ #ブルカ VS #ビキニ VS #フェミニズム ~イスラム女性50年戦争。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

イラン映画オフサイド・ガールズ」に出てくる少女たちは、欧米や日本に比べれば確かに抑圧されている。

ただ抑圧はされているが、萎縮することなく、自分たちの欲望を実現するために、何とか当局を出し抜こうと、知恵を絞って行動を起こす。

対する取り締まり警官(革命防衛隊?)も、イスラムの教えに逆らう反革命少女たちを、いきなり警棒でメッタ打ちにするわけでもなく、何とか穏便に処理しようとする。彼らも、政府の方針はいくらなんでも厳しすぎるよなあ、しかし仕事だからしょうがない、といった描写である。

 

これがアフガニスタン映画「アフガン零年」あたりになると、主人公の少女は、もはや、何かをやるにしても、やらないにしても、文字通りの命懸けであり、サッカーを見たいどころの騒ぎではなく、今日の食い物、明日の命を賭けた綱渡りの連続である。

 

イラン映画オフサイド・ガールズ」、アフガニスタン映画「アフガン零年」、

どちらも「ある目的のためにイスラムの少女が男装する」という共通点がある。

それでも、片やコメディであり、片や残酷物語だ。

それが、イランとアフガニスタンの格差なのだろう。

 

 

アフガン零年」は、社会主義フェミニズムを考える上で非常に面白い映画なんで、機会があれば、また書いてみたい。

 

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