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在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

週刊オススメBS無料映画(2014/11/17-11/23)~スコットランド独立「ブレイブハート」~政治映画としてのマカロニウエスタン。

マカロニウエスタンの名作2本。いまや名監督クリント・イーストウッドの出世作「荒野の用心棒」に、イタリアのスタア・ジュリアーノ・ジェンマの「星空の用心棒」

マカロニウエスタンだって、実は「政治」が背景にある。

 

来週は、好き嫌いは別にして、必修科目的古典が多い。

  

2014/11/17(月)
13:00-15:00 浮草(59日) BSプレミアム 【基】※小津安二郎
2014/11/18(火)
13:00-14:23 グランド・キャニオンの対決(59米) BSプレミアム 【良】
21:00-23:24 ブレイブハート(95米) BS-TBS 【政】
2014/11/19(水)
13:00-14:30 ナイアガラ(53米) BSプレミアム 【基】※マリリン・モンロー
2014/11/20(木)
13:00-14:48 浪花の恋の物語(59日) BSプレミアム 【良】※中村錦之助内田吐夢
2014/11/21(金)
18:00-19:55 星空の用心棒(67伊) BSジャパン 【良】※ジュリアーノ・ジェンマ
23:45-26:10 キングダム・オブ・ヘブン(05米) BSプレミアム 【政】
2014/11/22(土)
10:30-12:30 荒野の用心棒(64伊・スペイン・西独) スター・チャンネル1 【優】※クリント・イーストウッドセルジオ・レオーネ
12:30-15:00 ローマの休日(53米・伊) スター・チャンネル1 【基】※オードリー・ヘプバーン
17:30-21:00 アマデウス ディレクターズ・カット(02米) スター・チャンネル1 【政】
18:30-20:54 北北西に進路を取れ(59米) BS-TBS 【基】※ケーリー・グラントアルフレッド・ヒッチコック
18:54-20:54 レッツゴー!若大将(67日) BSジャパン 【優】
20:00-22:00 マーガレット・サッチャー 鉄の女の素顔(11英) BSイレブン 【政?】
21:00-23:30 スティング(73米) スター・チャンネル1 【基】※ポール・ニューマンロバート・レッドフォード 
2014/11/23(日)

 

【基】:必修科目的古典。
【優】:必見。
【良】:おヒマがあれば損はなし。
【政】:政治を考える上でオススメ。

 

【基】は一度も見たことがないなら、この機会に見ておいたほうがいい、著名なスタアや名監督と呼ばれた人の代表作。

今さら「ローマの休日」なんかオススメもないだろう、という気もしないではないが、案外一度も見たことがない人も結構いたりするからね。

 

「ブレイブハート」は、先日話題になったスコットランド独立投票の背景がわかる歴史モノ。

イギリス(グレートブリテン)は、大雑把に日本で例えると、いまだに「縄文人」と「弥生人」がそのアイデンティティを保持したまま地域別に住んでいるような国である。

「弥生人」に当たるのがアングロサクソンイングランド人、「縄文人」に当たるのがケルト民族のアイルランド人やスコットランド人だ。

もし、平成の日本で、琉球人が500万人、アイヌが1000万人も生きていて、しかも地域別に住んでいたら?、そりゃ独立運動くらいあって当たり前だろう。

さらに後から「弥生人」王国を攻略して天下を取った「支那系朝鮮系渡来人」(笑)に当たるのがノルマン人ということになる。

 

キングダム・オブ・ヘブン」はイスラエルパレスチナ問題、キリスト教イスラムの対立の起源となった十字軍のお話。

 

ヨーロッパにおけるラテン系というのもまた複雑な政治的要素である。

ローマ帝国のイタリア、大航海時代に世界を制覇したスペイン、ポルトガル、大昔のヨーロッパの栄光の歴史は、ほとんどがラテン人の功績である。ゲルマンなんて田舎の野蛮人だ。

しかし宗教改革、市民革命、産業革命でイギリス、ドイツが台頭し、ヨーロッパの主導権は完全に北のゲルマン、アングロサクソンに移る。インタリアもスペインも経済的には後進国に没落する。

 

新大陸の北・アメリカ合衆国だってWASPが支配層であり、後からやってきたケルトアイルランド系やラテンなイタリア系は遅れた田舎者、ダサいカッペとして徹底して差別された。東欧系、ロシア系、ユダヤ系も同様である。

日本でも、在日朝鮮人が芸能人になっても、本名の金XX、朴XXと名乗っていては売れるわけがないので(笑)、日本人風の芸名を付けたように、ユダヤ系や東欧系、イタリア系の映画俳優もアングロサクソン風の芸名を付けた。

だから、いかにも典型的なアングロサクソンを演じた往年の映画スタアの本名が、実は、ユダヤ人のなんとかビッチだったり、ロシア人のなにがしスキーだったりする。

 

西部劇だって典型的なアメリカ映画であり、当時のアメリカは、イングランド系やスコットランド系やドイツ系のプロテスタントと、メキシコと地続きのスペイン系と、奴隷の黒人がほとんどの社会であり、イタリア系のカウボーイなんてのは基本的に変なのだ。

イタリア製西部劇=マカロニウエスタンというのも、韓国製チャンバラ映画みたいなもんで(笑)、主演が「ジュリアーノ・ジェンマ」なんていうイタリア丸出しの名前じゃ、「大石内蔵助ペ・ヨンジュン」みたいな感じで(笑)どうにも違和感があった。

そこで当時は、ジェンマのクレジットは「モンゴメリー・ウッド」として、イタリア色を消して公開したのである。

 

その後、アメリカ公民権運動で黒人差別が撤廃される風潮と同時に、アメリカンニューシネマの時代、非WASP系白人たちも自分の血筋や本名を隠さなくなる。

アル・パチーノなんてイタリア丸出しの名前で映画スタアになるなんて昔は考えられなかったのが、その名前のままでスタアになれる時代になったのだ。

マカロニウエスタンもその後、イタリア製であることを隠さなくなり、ジュリアーノ・ジェンマジュリアーノ・ジェンマとしてスクリーンに登場するようになる。

 

この頃から、アメリカのテレビドラマも変わり出す。

刑事コロンボ」なんかが典型だが、ニューヨークなんかの東海岸、ロスなんかの西海岸の警察ドラマの主人公は非WASP系が多い。「刑事コジャック」もギリシャ系の設定だ。

刑事コロンボ」は、現実社会じゃ差別されてる下層階級のイタリア系刑事が、金と権力で社会を支配してる上流階級WASPの犯罪者を追い詰める、というエスニックな政治構造を持っているのである。