在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

韓国には強気だが、ユダヤには土下座。~どうやって東京裁判=戦後レジーム=ヤルタ・ポツダム体制から【脱却】するつもりなのか?

こういうオピニオンを開陳している雑誌「正論」は、言論の自由を放棄した産経新聞の腰砕けを糾弾すべきだ。

 

【異論暴論】正論1月号 安易な法規制は許さない - 産経ニュース

■特集 反ヘイトスピーチで我が物顔 “正義”の化けの皮

  特定の民族を十把一からげに批判して「日本から出て行け!」などとがなり立てるヘイトスピーチが問題になっている。愚弄や脅迫に近いヘイト団体の排外的な言辞は許せないとばかりにアンチ団体も出てきて都心で双方がガチンコ勝負、でも国民はドン引き…という、おなじみの光景をどう考えるのか。

 麗澤大の八木秀次教授は、左派メディアが、保守運動や保守政治家に対し、こうした「ヘイト団体」との関係をこじつけ、「悪」のレッテル貼りに興じる欺瞞(ぎまん)を指摘。「ヘイト団体」の行動は日本人の美徳に反し許されないとしながらも、それを正義面で保守批判に利用する側の狙いやイカサマぶりを断じた。

 一方で、左派は韓国が国を挙げて世界中で展開中の日本人へのヘイトスピーチは決して問題にしない。拓殖大客員研究員の岩田温氏は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)がヘイトなら日本人を醜いとした大江健三郎氏の言辞も「紛れもなくヘイトスピーチ」として彼らのダブルスタンダードを突いている。

 評論家、小浜逸郎氏は「ヘイトスピーチ」が「憎悪的な表現だからという理由だけで悪だと決めつけるのは思考停止だ」と指摘。在特会の主張のうちまともな部分にまで目をつむるのは「臭いものには蓋」の事なかれ主義だと批判した。青学大の福井義高教授は、「慰安婦」「南京」で日本を擁護する歴史認識までがヘイトスピーチだとして処罰されうるヘイト規制の“先進地”欧州のような状況を、日本で招いてはならぬと警鐘を鳴らした。(安藤慶太) 

 

米ユダヤ系団体、本紙掲載広告に抗議 産経・熊坂社長「おわびします」(1/2ページ) - 産経ニュース

 【ロサンゼルス=中村将】産経新聞に掲載された広告をめぐり、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は4日(日本時間5日)、産経新聞社の熊坂隆光社長宛てに抗議文を送付した。

 同センターが問題視しているのは、11月26日付の東海・北陸版に掲載された「ネットジャーナリスト リチャード・コシミズユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!」と題した全面広告。コシミズ氏の寄稿とともに、発売中の3冊の本を紹介した。

 これについて、クーパー氏は「これらの本はユダヤ人に対する危険極まりない虚言の流布」と指摘。「アンネ・フランクや150万人のユダヤの子供たちを含む600万人のユダヤ人が欧州で犠牲になった第二次世界大戦ナチスによるホロコーストユダヤ人大量虐殺)を否定するばかりか、著者は、ユダヤ人がマスメディアを操作し、非道な目的を達成するために世界の出来事や経済をも操っていると断言した。9・11(米中枢同時テロ)の惨禍から、日本の(東日本大震災の)津波の悲劇、北朝鮮の脅威にいたるまで、何らかの形でユダヤ人とイスラエルに関連づけている」と批判した。 

 その上で、広告を掲載した産経新聞に対しても、「真実を追求するジャーナリズムの責任を売り飛ばした」とし、「読者とユダヤコミュニティーに謝罪する義務がある」と抗議。「産経新聞に対し、あらゆる集団に対する憎悪を普及させる目的で紙面が使われることが二度とないよう、広告の掲載方針を見直し変更するよう強く要請する」としている。

 産経新聞社、熊坂隆光社長のコメントは以下の通り。

 問題の広告が産経新聞11月26日付東海・北陸版(約5千部)に掲載されたのは事実であり、12月4日付でサイモン・ウィーゼンタール・センターエイブラハム・クーパー副所長からの抗議文を受け取りました。

 掲載に至る経緯は現在、社内で調査中ですが、広告審査手続きに欠陥があったことは明らかです。こうした内容の広告が掲載され、読者の手元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くおわびいたします。

 もとより、産経新聞社ナチス・ドイツによるホロコーストを許しがたい憎むべき犯罪ととらえておりますし、いわゆる謀略史観的考えにくみするものではありません。サイモン・ウィーゼンタール・センターの抗議を真摯(しんし)に受け止め、誠実に対応するとともに厳正に対処します。

 

ただ単に朝鮮日報を引用しただけなのに、産経ソウル支局長だけを狙い撃ちした韓国の朴姐さんを「言論弾圧」と批判するのならば、

記事ですらない、ただの広告に対して、明らかにアメリカのユダヤロビーの政治圧力をちらつかせた団体からの抗議(という名の脅し)だって、明々白々の「言論弾圧」であろう。

 

朴姐さん相手とユダヤ相手で態度を変える理由は、韓国は弱いが、ユダヤは強い、という理由くらいしか思いつかない。

弱い韓国相手なら正論を吐けるが、強いユダヤ相手なら問答無用で土下座、という処世術である。

 

もちろん、しょせん政治なんて「正しいか?間違ってるか?」ではなく「強いか?弱いか?」でしかない、というベタなリアリズムは理解するが、だったら「日本の正しい歴史認識」なんてしょせん不可能なんだから諦めるべきだ。

だって政治に「正しさ」なんかない、すべては「強さ」なんだから。

 

何でユダヤ人がこんなに政治的パワーを持ってるか?といえば、アメリカと密接な関係だからだ。

 

現在、アメリカとイスラエルは切っても切れない運命共同体で、イスラエルはアメリカのほぼ無条件・無制限の支援と黙認を受けて、中東でやりたい放題である。

しかし、そもそもイスラエルの建国は第2次世界大戦/大東亜戦争の「後」なんだから、両国はたった70年前からの「新しい関係」に過ぎないのだ。ユダヤ人が異常なほど国際政治に影響を発揮するようになったのは戦後からなのである。

 

それ以前はユダヤ人にそんな力はなかった。第2次世界大戦前のアメリカは、WASPアングロサクソンキリスト教プロテスタント)の一人勝ち天下であって、ユダヤ人は、黒人やインディアンやアジア人よりは一個上だけど、カトリックとどっこいどっこいの2級国民であり、明白な差別の対象であり、クー・クラックス・クランだって、黒人と同様にユダヤ人を襲撃していたくらいなのだ。

 

それが戦後、ナチスドイツの「いくらなんでも限度を超えた無茶苦茶やりすぎ」が暴露されると、その国際的同情を利用して、ユダヤ人は一気にイスラエルを建国する。

同じくアメリカもナチスの無茶苦茶によって利益を得る。なぜならナチスの悪は、アメリカの戦争が倫理的に正しかったことを証明してくれるからだ。

ナチスは問答無用の悪である」からこそ、ナチスを倒した「アメリカの問答無用の正義」は証明され、「アメリカの問答無用の世界支配」が容認されるわけだ。

ユダヤ人の存在が、アメリカの正義、アメリカの世界支配を倫理的に保障する。よってアメリカは、やりたい放題のイスラエルを、無理に無理を重ねて守る。

 

第2次世界大戦において、アメリカは単に強いから勝利した「だけ」ではない。倫理的に「正義」だから勝利したことになったのだ。

その体制こそが「ヤルタ・ポツダム体制」であり、安倍ちゃんや保守派のいう「戦後レジーム」であり、具体的には「東京裁判」なわけだ。

 

だから、いくら日本の理屈が韓国より正しかろうが、それを何度証明しようが、百回韓国を論破しようが、東京裁判戦後レジームヤルタ・ポツダム体制はビクともしない。

だって、ヤルタ・ポツダム体制を保障しているのは、韓国なんていうアジアの果てのどうでもいい弱小国家ではなく、ユダヤとアメリカなのだから。

 

ユダヤに土下座しておいて、どうやって、ユダヤの強さの源泉である「東京裁判戦後レジームヤルタ・ポツダム体制」から【脱却】できるのだろうか?