在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

少子高齢化~麻生さんの2つの思想~「子ども産まない方が問題」VS「さっさと死ぬんだから」

2014-12-09の日記。

 

かつて、「オレたちの太郎」とかプラカードを掲げていたような人たちが

「消費税を上げたがる麻生は財務省の犬」だの

「税金を食い物にする老人を擁護して、疲弊する若者を叩くのか!」だの

「安倍首相の足を引っ張るな!」だの

時の流れは恐ろしいものだが(笑)、

 

しかしだ、保守派を自認するクセに、財政健全化に興味がない、悪化する財政を前にしても、税金反対は良いとしても、歳出カットも主張せず、逆にアベノミクス第2の矢で財政出動を要求する、国債の日銀買取という異常事態をまったく問題視しない、って、それはそれで保守主義として大丈夫なのか?と思うけどね。

 

国債垂れ流しを黙認するネトウヨよりも、麻生さんの方が健全だと思う。

 

麻生財務相:子ども産まない方が問題…社会保障費巡り発言 - 毎日新聞

2014/12/07

 麻生太郎財務相は7日、札幌市内で行った衆院選の応援演説で、社会保障費の増大に絡み、「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいるが、子どもを産まない方が問題だ」と述べた。

 社会保障負担が増えるのは「子どもを産まないこと」が原因と指摘したもので、批判が出る可能性がある。麻生氏は「子どもが生まれないから、子ども3人で1人の高齢者(を支え)、もう少しすると2人で1人(を支える構図)になる」と指摘。増大する社会保障費を賄うため「みんなで少しずつ負担する以外に方法がない」とも強調した。 

 

しかし、麻生さんは、常に高齢者の味方、というわけではない。

麻生ファン、アンチ麻生の双方の健忘症には驚くが(笑)、去年の麻生さんはこう発言しているのだ。

 

全文表示 | 麻生氏「さっさと死ねるように」発言 ネットでは「メディアが発言ねじ曲げ」の批判も : J-CASTニュース

2013/1/22

  麻生氏の発言は、2013年1月21日午前に開かれた社会保障制度改革国民会議の会合で出た。麻生氏は、
「私は遺書を書いて『そういうこと(延命治療)はしてもらう必要はない、さっさと死ぬんだから』と渡してある。そういうことができないと、なかなか死ねない」
と前置きした上で、
「いいかげん死にてえなと思っても、とにかく生きられますから。しかもその金は政府のお金でやってもらってるなんて思うと、ますます目覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうとか、いろんなことを考えないと、これ一つの話だけじゃなくて総合的なことを考えないと、この種の話は解決することはないんだと…」
と述べた。
この発言を見る限り、発言の前半は個人的なエピソードを語っているが、後半の「総合的なことを~」のくだりは、一般的な政策の話をしているようにも読める。麻生氏は同日午後になって
「私の個人的なことを申し上げた。別に終末医療のあるべき姿について意見を申し上げたものではない」
と釈明したものの「適当でない面もあった」として、発言を撤回した。

 

私は(自分で選んだわけじゃないのに、プンプン!)琉球人なんで、ヤマトの皆さんからは左翼と思われがちだが、まあ左翼なところも多々あるけど(笑)、反戦平和でもなけば、9条護憲でもなければ、生命万歳主義者でもない。

 

21世紀日本最大の問題は、尖閣でも竹島でもなく、少子高齢化である。 

少子化・高齢化とは、言い方を変えれば、
「人間の値段」が高くなり過ぎた。
「生物としてのヒト」と「人権」との間のギャップが大きくなり過ぎた。
ということでもある。

 

昔なら、足腰が立たなくなった年寄りをいつまでも保護していたら、その一家ごと経済的に破綻である。よって家族が密かに年寄りを殺していたのである。世間も真実を知っていながら病死として黙認してきた。

 

昔なら、子供なんて死産・夭折は当たり前であった。ちゃんと育つかどうか博打みたいなもんだ。「七五三のお祝い」とは本来そういうことだ。だから子供の命は安かった。ジャカジャカ生んでジャカジャカ死んでいったのだ。

 

医学の発達と人権思想で、老人はそうそう殺せなくなり、子供が死んだら大騒ぎするようになった。そりゃ子供を産むのが怖くなって当たり前だ(笑)。

 

20世紀は人権思想の時代であったが、21世紀は人権思想を超えないとヤバイのだろう。

 

これは日本だけでなく、支那だって韓国だって急速に高齢化している。
日中開戦が先か?、支那の「日本化(老い過ぎて戦えない)」が先か?、の競争だ。

日本を滅ぼすのは、おそらく、支那ではない。

日本の老人たち(未来のあなたとわたし)が、日本を滅ぼすことになるだろう。

 

というわけで、麻生さんの発言はアリだ。というか、21世紀日本が抱える最重要の難題への一つの回答であり、傾聴に値する。 
しかし、同時に、マスコミがこの発言を取り上げてニュースにするのも当たり前である。

 

近代国家・先進国は、例外なく、人権思想が国是なのだ。そんな国の政治家が人権思想に反することを発言すれば、話題になって当たり前だし、話題にするな!批判するな!というほうが言論弾圧である。

絶対王政が当たり前だった時代に「民衆の投票で政治を!」なんていうヤツや、前近代に「女性にも参政権を!」とかいうヤツは、政治的に問題にならないほうがおかしい。しかし民主制が間違っていたのか?男女同権が間違っていたのか?は歴史が証明してるではないか。

 

つまり「発言が話題になる、問題になる」ことと「発言が正しい、間違ってる」ことは、全然別の話なのである。


よって、麻生さんの発言の内容は、非常に重要で簡単には反対できない(事実上、賛成するしかない)が、「麻生さんの揚げ足取りをするマスコミを許すな!」とかほざいてる、自称麻生支持者・自称自民党支持者には賛成しない。

政治家は何をしようが、ワイロを取ろうが、歌を唄おうが、話題になるのである。それが民主主義体制化の政治家の宿命だ。ましてや政権与党の重要閣僚である麻生さんが、世間のタテマエと異なる発言をすればニュースになるのが当たり前だ。発言が正しいか間違ってるかとは関係なく、反対や批判があるのも当然なのである。 

 

さて、私は、麻生さんの発言に、理屈で考えれば否定しがたい、恐るべき合理性があると思うが、かといって、みんながみんな、麻生さんの意見に賛成する社会には住みたくない(笑)。

そんな社会は(今とは逆に)人命と人権を軽視し過ぎている。

財政赤字を減らすために効率よく老人を「処置」する安楽死センター=絶滅収容所を作りかねない。ナチスドイツと紙一重だ。

 

民主主義や人権思想に批判があるべきなのと同様に、

反民主主義や反人権思想にも同等に批判があるべきなのだ。

要はバランスなのである。

 

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