在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

#小保方晴子 嬢VS #STAP細胞 (その3)~ガリレオ「それでも地球は回る」VSイエス「神を試みてはならない」

マタイ福音書
4:5 それから悪魔は、イエスを聖なる都に連れて行き、宮の頂上に立たせて
4:6 言った、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりてごらんなさい。『神はあなたのために御使たちにお命じになると、あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』と書いてありますから」。
4:7 イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。

 

Yahoo!ニュース - 小保方氏、STAP再現できず…「存在せず」濃厚 理研、週内にも発表 (産経新聞)

 

2014年04月11日 某SNSに書いた日記の抜粋(若干修正あり)。

小保方STAP細胞騒動は、様々な問題を考えさせてくれる、面白い見世物である。

記者会見を見て、私の意見はほぼ固まった。

 

まず、「主演女優」の小保方さんを批判する気はほとんどない。ただし全く信用もしてない。 

これからもご活躍とご健勝を遠くからお祈りするが、個人的に彼女にカネは貸したくない(笑)。

 

STAP細胞それ自体は、「ある」かもしれないと思うし、「ない」かもしれないとも思う。

しかし、STAP細胞の有無という科学の分野と、小保方さんという「ポップアイコン」は、もはや、あんまり関係ない話だ。

彼女は悪意もないし、作為的な捏造もしてないし、主観的にウソを付いてないかもしれない。
本当にSTAP細胞を作った瞬間があったことも否定しない。
しかしそれを再現性のある客観的データを公開できないのならば、それは「自然科学」では無いだろう。

 

私だって主観的に幽霊を見たことはある。しかし再現性も客観性もない。だから見たのは「事実」でも、それは残念ながら「科学」ではない。

 

小保方さんご自身は、類稀な才能の持ち主だと思う。
ただし科学の分野ではなく、芸術に近い方面だが。

 

私にはよく判らない研究なんかよりも、あの記者会見という名の舞台で魅せた(見せた、ではない)態度、度胸、仕草、表情、セリフなどなどは常人のレベルではない。
普通の科学者、いや一流の科学者でも、あの場所ならヘロヘロに潰れてるだろう。

 

意識的にやってるのならば悪女だが、無意識ならば「ミューズ」である。
たまにこういう女性がいるものだ。俗に「ふてえアマ」「たいしたタマ」ともいう。

 

私は彼女を批判する気はなれない。

実際、私は被害を受けてないし。 もちろん、小保方さんを論文をインチキだと批判し、科学者失格と断じ、「彼女は国民の期待を裏切り、国民の税金をムダ遣いした」という意見もあろうが、 国民の期待なんて、いろんな政治家に何回も何回も裏切られてるわけだし、 国民の税金たって、誰が利用するのか怪しい空港や道路や、財務官僚の天下りに比べれば、たいした金額でもない。

 

些細な税金なんて目をつぶって、彼女の「才能」を伸ばす方向で応援すべきだ。

(略)

 

2014年04月12日 某SNSに書いた日記の抜粋(若干修正あり)。

とうとう、ガリレオ・ガリレイまで参戦か(笑)。

しかし、小保方さんは「ガリレオ」というより、どっちかといえば「ナザレのイエス」に近いと思うんだが。

 

小保方氏にメールなど170通
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=2840295
 弁護士事務所に届いたのはメール約140通、手紙とファクス計約30通。女性からが多く、「職場全員で応援しています」「小保方氏を批判している専門家の論点はおかしい」などの声があった。論文の不備を認めながらも「STAP細胞はあります」と言い切る小保方氏に、「それでも地球は回っている」の言葉で有名なイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイ(16~17世紀)を重ねる感想もあった。 

(略) 

政治思想(=神学)は、自然科学とは異なる分野である。

もちろん、全く無関係とは言わないし、両者を混同するな、都合よく利用するな、というのは人間にとって無理な要求だというのは十分理解する。私だってよくやってるし(笑)。

 

しかし、もはや21世紀なんだから、一応別々の話だ、という前提だけは受け入れて欲しい。 

17世紀のガリレオバチカンにお願いしたかったことはまさにそれなのだ。

 

さて、ガリレオといえば地動説を唱え、それをバチカンから異端裁判で暴力的に否定するよう強要され、「それでも地球は回る」という名言を残したとされる。

まあ、地動説が正しく、天動説が間違ってる、って本当なのか?・・・私には少々疑問があるが、それはそれとして。

 

どうも、「小保方=ガリレオ」ということは、「理研&マスコミ=バチカン」ということになるのだが、

確かにガリレオの事例は、ガリレオの地動説に対して、バチカンアリストテレス的天動説を唱え、双方に思想の対立があった。

 

しかしSTAP細胞騒動では、小保方さんのSTAP細胞実在説に対して、理研やマスコミがSTAP細胞「不在」説を唱えている、ワケではゼンゼンない。

理研だってマスコミだって「STAP細胞は存在しない」なんて主張はしてない。それどころか心情的には「STAP細胞は実在して欲しい!」とさえ思っている。しかし「STAP細胞実在の根拠が不明瞭だ、このままでは信用できない」と言ってるだけなのだ。

 

例えるなら、21世紀日本の異端審問官は、「オレたちだって地動説を信じたいよ。しかしガリレオさん、あんたはご著書の『天文対話』で地動説を唱えているが、観察結果の数字がヘンだし、図表が他人の書物からの丸写しだし、記述どおりに望遠鏡で観察したがあなたが主張するような金星の満ち欠けは一回も観察できていない。このままでは信用できない。もう一度説明してくれ」と言ってるだけで、「聖書の記述に反する!」なんて理由で反論はしてないのだ。

 

そもそも17世紀イタリアの小保方さんは、重いモノほど速く落ちると言われてた時代に、モノの重さは落下速度に関係ないことを、誰の目にも明らかになるよう公開実験で証明したのである。
17世紀イタリアの小保方さんは、21世紀日本のガリレオとは異なり、自分の実験を他人に公開したし、実験ノートを出版したし、第三者が試しても同じ結果が再現できたのだ。

ガリレオのやったことは、ガリレオと敵対するアリストテレス主義者がやっても、同じ17世紀に生きた日本の徳川家康がやっても、21世紀の誰がやっても、同じ結果になる。

 

再現性、客観性、汎用性、非属人性、これが自然科学(の恐ろしさ)である。

 

しかし、小保方さんの場合、【現時点では】、小保方さんしか実現できたと公表した人はいない。
もちろん、黙ってるだけですでに実現できた別人がいるかもしれないし、今後は実現できる人がどんどん出てくるかもしれない。しかしそれはまだ証明されていないのである。

現時点のSTAP細胞は、再現性、客観性、汎用性、非属人性において、ちょっと問題がある。

 

世界60億人の中で、小保方さんの御手のみ実現できるSTAP細胞。・・・それは「自然科学」ではない。
2000年前、5個のパンと2匹の魚で5000人の飢えを満たした(マタイ14章)ナザレのイエス同様、単なる「奇跡」である。

それこそ、ガリレオの得意分野ではなく、理研の守備範囲ではなく、正しくバチカン異端審問官の担当事案なのだ。

 

マタイ福音書
4:7 イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。

 

マタイ福音書が説く如く、神の御業を試してはならない。 

ただ一度の奇跡では信用できないから、もう一度やってみせろ、と再現性を要求してはいけない。

 

ガリレオに、「落ちるスピードが重さでは変わらないことを実験して見せろ」と要求することは、科学として、正しい。

 

しかしイエスに「石をパンに変えてみせろ」だの「もう一度水面を歩いてみろ」だのと要求することは、神学として、間違いだ。

 

神の奇跡を、人間の自然科学ごとき低俗な手品と一緒くたにしてはならない。

理研やマスコミの要求は、「宗教的に」間違っているのだ。

 

8ヶ月前と、私の意見はほぼ変わらない。

 

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