ご本人は全くの善意のつもりなんだろう。
そもそも記事にしてるのが毎日新聞(笑)で、政治的にも好意的な取り上げ方だ。
しかし。
「離婚を考える会」:子どもへの影響など議論 千葉 - 毎日新聞
彼らの言いたいことはここなんだろう。
丸井さんは、翻訳を通じて同書が提示する子育てのあり方に共感する。「子どもを自分の側だけにおいて相手に会わせなかったり、相手の悪口を一方的に子に聞かせる行為をしてはいけない」。親が争う姿は子どもの心を傷つけ、子が「親の離婚は自分のせいではないか」と自己嫌悪に陥り、非行につながりかねないという。「親は子の立ち直りを第一に考えることが重要」と考えている。
しかし、不用意にも、こうも発言してしまってる。
日本は単独親権制度をとっており、子どもが幼い場合、母親が親権を継ぐケースが多い。だが、丸井さんは「子には母も父も必要な存在。親同士が過去へのこだわりを捨て、子どもの身になって二人で愛情を注いであげることが子の幸せにつながる」と話す。
私は揚げ足を取るつもりもないし、彼らに他人を傷付けるつもりなんかないのだ、とも思うが、
子には母も父も必要な存在。
この一見、まったく普通の穏当な発言にも、傷付く人が確実にいるのだ。
そもそも、妻または夫と死別してしまった父子や母子には、どうしようもない。どうしようもないがゆえに、この言葉は残酷だろう。
さらに両親を亡くした子供は、この発言にどう対応すればいいのか?誰に相談するのか?
ドメスティックバイオレンスから命からがら逃れてきた母子にとっても、「《あの男》に居場所を知られるだけで死ぬ思いだ。簡単に言ってくれるな」と文句を付けたい楽天的な発言だろう。
そして、今話題のこの2人にとっても、引っかかるはずだ。
“同性婚”一ノ瀬文香&杉森茜が挙式 婚姻届は「今週中に出しに行く」 | ORICON STYLE
2人は「どうしてもパパが必要なの? ママが2人じゃダメですか?」とつぶやくしかない。
重ねて言う。千葉の「子どもと離婚を考える会」に悪意はないだろう。
彼らは、実際に自分たちが見てきた幾百幾千の家庭問題の事例から、その結論を得ている。世の大半の事例は、彼らの意見が正しいのだと思う。
それはそれで尊重すべきではあるが、父・母・子の三位一体の神話は、恵まれた境遇にのみ通用する楽園話であるのも厳然たる事実である。
離婚だって、手前勝手な男女ばかりではなく、生きるか死ぬかの場合もある。
離婚する相手すらこの世にいない場合もある。
「父と母」という言葉すら、刃になって抱えた急所に突き刺さる生き方もある。
人は、欠落を抱えたまま、生きねばならないことがある。
父がいなくても、母がいなくても、両方いなくても、母が2人でも、父が2人でも、子供は生きていかねばならないし、また、ちゃんと生きていけるのだ、という励ましこそが第一だろう。
千葉の善男善女にはもう少し熟考して、言葉を選んでもらいたかったと思う。
日本は「女装」「オネエ」に寛容なだけで、「同性愛」に寛容なわけではない。 - 在日琉球人の王政復古日記