在日琉球人の王政復古日記

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リンチせし者ら自ら総括す檸檬の滓を搾るがごとく(死刑囚 #坂口弘 )~平成未成年リンチ殺人=昭和 #あさま山荘 #連合赤軍

中野翔太容疑者も、井出裕輝容疑者も、なにより「少女A」が、この2つの映画を見ていれば、後戻りできない後悔の日々に堕ちる前に、考え直せたかもしれない。

 


映画『ヒーローショー』予告編

 


「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」予告編

 

親韓発言でネットでの評判が悪い(笑)井筒和幸監督の映画「ヒーローショー」は、今回の千葉の事件を予言したかのような内容である。それも当たり前で、こんな事件は過去に何回も何回も起こっているからだ。

 

18歳遺体「依頼され埋めた」(2015年4月26日(日)掲載) - Yahoo!ニュース

2015年4月26日

 千葉県船橋市の無職、野口愛永(まなえ)さん(18)が車で連れ去られて行方不明になった事件で、千葉県警に監禁容疑で逮捕された住所不定、無職、中野翔太容疑者(20)が「少女(同容疑で逮捕)に依頼され、野口さんを暴行して埋めた」と供述していることが25日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、少女が中野容疑者ら3人に野口さんの暴行を依頼したとみて、殺人容疑での立件も視野に背景を調べる。

 

被害者にも加害者にも申し訳ないが、貴女がやられたこと、あなた達がやらかしたことに、あなた達だけの特殊な事情も、新しいモノも、何もない。全くない。

この日本に限っても、あなた達とほとんど同じ人間関係、ほとんど同じトラブル内容、ほとんど同じ犯行経過、ほとんど同じ不愉快な結末を迎えた事件はいくらでもある。

たとえば、ついこの間あった2013年広島の事件と、今回の2015年千葉の事件、全くカーボンコピーしたかのように、うんざりするほど、ソックリである。

 

呉女子生徒殺害事件、18歳少女に懲役13年 広島地裁:朝日新聞デジタル

2014年10月24日

 広島県呉市で昨年6月、高等専修学校2年の女子生徒(当時16)が殺害された事件で、強盗殺人、死体遺棄、監禁の罪に問われた無職少女(18)=広島市東区=の裁判員裁判の判決が24日、広島地裁であった。伊藤寿裁判長は「短絡的で身勝手な犯行だ」と述べ、懲役13年(求刑懲役15年)の実刑を言い渡した。

 判決によると、少女は無職の少年(18)=11月に初公判=と共謀し、昨年6月28日未明に被害者を広島市内で車に監禁。車内で暴行を加えてバッグを奪い、呉市内の山中で絞殺して遺体を捨てた。

 判決は「(無料通信アプリの)LINE(ライン)で悪口を言い返されたことに腹を立てた」と動機を指摘。家庭内での暴力が日常的だった少女の成育過程を踏まえた上で、「生い立ちには同情できるが、殺意とは直接的な関係がない」と判断した。

 

千葉の2人の少女の間の金銭トラブルも、広島の2人の少女の間の悪口トラブルも、双方に本質的な違いは何もないだろう。

そこに、本来全く無関係の男友達が参入して、「女の無軌道な怒り」に「男の無軌道な暴力」がプラスされて、暴走が止まらなくなったのもソックリである。

 

広島の18歳少女は懲役13年だそうな。千葉の少女Aにも参考になるだろう。

 

できうれば、千葉の少女Aが、野口愛永さんを拉致しようと思う前に、この広島の事件を新聞かネットで読んでいれば、、、

とも思うが、読んだ上で

「アタイとは事情が違うし、こんなバカじゃない」

とか言い出しそうで、想像するだに暗い気持ちは晴れない。

 

今回の千葉の事件で感慨深かったのは、誰よりも、被害者の妹さんだ。

 

千葉の18歳少女不明 「おねーちゃんが殺されたかも…」妹がラインで心配 おしゃれで明るい「姉」気遣う(1/2ページ) - 産経ニュース

 女性の妹の友人だという中学3年の男子生徒(15)は、23日午後9時ごろ、無料通話アプリ「LINE(ライン)」で妹とやり取りをしたという。

 「おねーちゃんが殺されたかもしれなくて…」

 ラインで知らせてきた妹に対し、男子生徒が、誘拐なのかと尋ねたところ、「たぶん。生き埋めにされたかもなんだって」と、かなり心配した様子の返信が返ってきた。

 

どこから、だれから、は知らないが、「姉が殺されたかもしれない」なんていう噂を聞いて、親にも相談せず、警察にも通報せず、ネットで友達と会話してる妹さん。

たぶん。生き埋めにされたかもなんだって

いろいろと想像してみたが、私がこんな言葉を発する場面、シチュエーションが思い付かなかった。

私には、家族が生き埋めにされた、なんて緊急で異常な事態に直面しつつ、しかし、それでも、そのまんま、友人と会話を続ける余裕があるとは思えない。

この妹さんの「状況判断能力」と「優先事項判断」は、私とはかなり異なる。

私には彼女と会話を成立させる自信がない。これが世代の違いというものか?

 

広島でも千葉でも、LINEなどの新しそうな小道具が登場してるせいで、どこかのマーケットリサーチ屋さんが「ネット社会の闇」だの「現在の若者の空疎な人間関係」だのと言い出しそうだが、そういうことはこの事件の本質でもなんでもない。 

インターネットの無かった時代から、いや電話すらなかった時代でも、仲間同士のイザコザから人殺しに発展するなんて事件は山ほどあった。

 

実は、昭和の「連合赤軍」事件も、平成の広島や千葉の少女たちと、その本質はなんら変わらない、同じものだったのではないか、と考えるようになった。

 

もうすでに、オウム真理教ですら「過去の大事件」となってしまってる今、連合赤軍なんかもはや「歴史教科書の昔話」かもしれないが、連合赤軍の引き起こした惨劇は当時の人々に強いショックを与えた。

日本人は、特に政治や思想に関心のあった人々は、ぶっちゃけ左翼は、この事件を、その原因を、その思想を、その挫折を、その罪を、深く深く考え続けた。

共産主義思想に問題があったのか?当事者の性格や資質に問題があったのか?等々。

「嗚呼、オレも、連合赤軍になる一歩手前だった」と苦悩する左翼青年が山のようにいた。

 

しかし、平成少女たちの無残絵を見た上で、昭和を振り返れば、連合赤軍事件って、もっと単純で、もっと凡庸で、もっとありふれた、共産主義とも政治思想ともまったく何の関係ない、普通の話だったのではないか?

 

平成どんづまり、高校中退した無職や「飲食店勤務」の少女が、人間関係のイザコザから、仲間を拉致して、その場の雰囲気に流されて、リンチで殺して、遺体を隠して、後になって急にアタフタして、なんでここまで陰惨な鬼畜の所業をしでかしたのか、自分でも説明できない。

 

昭和の大昔、大学現役だったり中退だったりの政治青年たちが、思想教育・組織防衛という名目の、結局は人間関係のイザコザから、仲間を縛り付けて、その場の雰囲気に流されて、リンチで殺して、遺体を隠して、後になって急にアタフタして、なんでここまで陰惨な鬼畜の所業をしでかしたのか、自分でも説明できない。

 

平成と昭和、ヤンキーと左翼活動家、全く異なるように見えて、2つの事件は基本的に同じではないのか?

 

平成の2つの事件はどっちも出発点は。少女同士のトラブルであり、男友達は直接関係ないのに、後から参加している。つまり男たちと被害者少女は面識すらなかった。

ここら辺も、連合赤軍と不気味に似ている。

連合赤軍のリンチ殺人のきっかけも、山岳キャンプでゲリラ戦闘訓練中に、化粧をしていいのか?悪いのか?などという、女性同士のジェンダーなイザコザから始まった。

そして連動赤軍も、もともとは一つの組織ではなく、「共産主義者同盟赤軍派」と「日本共産党革命左派・神奈川県委員会(京浜安保共闘)」という、かなり毛色の違った別々の組織の連合体だった。

相手のことをよく知らない、何を考えてるのか、何がやりたいのか、危ないことをどこまで平気でやらかす倫理の持ち主か、どれくらいの覚悟があるのか、どこまで暴力に躊躇がないのか、お互いをあんまり知らないまま閉鎖空間で共同作業を始めてしまった。そして、誰が責任を取って、何をどこまでやるか、限界点もアヤフヤなまま、人間関係の清算をやり始めた。平成の事件と連合赤軍はますます似てくる。

 

そもそも人間関係のネジレを、山の中や河川敷など、他人の目が届かない、社会から離れた「閉鎖空間」で解決しようとするのが、間違いの元なのだろう。

人間関係のイザコザの解決には、中立の第三者の目が絶対に必要なのだ。じゃないと、暴力や殺人を防止できない。

 

確かにトラブルに第三者の意見は貴重だが、その効果は相手の資質に大きく左右される。「三人よれば文殊の知恵」とはいうが、逆もまた真で、1対1ならケガで済むような暴力が、集団になれば人が死ぬ。「三人よれば馬鹿の三乗」という現実である。

 

平成の事件の少年少女たちは「なんでこんなことに?!」と自問自答しているだろうが、
昭和の(当時の)青年たちも、同じように「なんでこんなことに?!」と自問自答しながら40年以上、すでに老境に入って、独房でまだ生きている。

 

わが胸にリンチに死にし友らいて雪折れの枝叫び居るなり

リンチせし者ら自ら総括す檸檬の滓を搾るがごとく

女らしさの総括を問い詰めて「死にたくない」と叫ばしめたり
亡き夫もリンチに加担していますかと夫人が迫りぬ真夏の面会
この手紙あす福岡に着くという不思議を思う獄よりの速達

長男が悲しき姿で夢に出しと遺族の方の便りにありき

済まないと風呂に入るたび詫びるなり裸で埋めし亡き同志らに

ひとやにて爪先立ちて見やれども花火は見えず音のみ響きて 

外廊下を歩みガラス戸の前に来て老けし中年のわれに驚く

こらえても嗚咽こみ上げうろたえぬ調べ室にて母と会うなり 

 

連合赤軍の生き残り、死刑囚・坂口弘の歌である。

 

・・・と、ここで書いて、また、ある事に気付いて、さらに、何とも言えない気持ちになる。

 

死刑囚・坂口弘はインテリであり、学問や知識に欲求があり、勉強も重ね、ムズカシイ文章も書けるし、短歌なんていうムズカシイ文芸をやったりできる。

しかしだ。

この死刑囚の短歌を、人殺しの後悔を、ぜひとも読んで欲しい皆さんである、平成の少年少女たちは勉強が苦手で嫌いなのである。

 

「たり」だの「なり」だの擬古文体の短歌は読み難かったり、理解が難しかったりするのだ。

短歌ではなく、西野カナやAKB48みたいな歌詞でないと、彼ら彼女らの心にはストレートに届かない。

しかし、1970年代で時計が止まったままの新左翼死刑囚に、いまさら「♪会いたいヨ」みたいな、キャピタリズム全開のブルジョア文章を書け、というのも不可能であろう(苦笑)。

 

この期に及んで、昭和と平成の断絶が障害になるとは、インテリとヤンキーの格差が乗り越えられないとは、何ともやりきれない。

 

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