「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」って、ホントか？～ボーヴォワールＶＳムハンマドＶＳイスラムのロリータ。

On ne naît pas femme：on le devient.

～　人は女に生まれるのではない、女になるのだ。

「第二の性」 by シモーヌ・ド・ボーヴォワール（フランス／1949年）

外に表われるものの外は、かの女らの美（や飾り）を目立たせてはならない。

「コーラン24：31」 by ムハンマド（アラビア半島／610年）

ムスリムロリータってカワイイ！

by アリッサ・サラザール（南カリフォルニア／2015年）

イスラム教徒×日本のロリータ新スタイル「ムスリムロリータ」が話題 | Fashionsnap.com

2015年07月24日

「ムスリムロリータ」は、中国のサイトHOKKfabricaによると、南カリフォルニア在住の女性Alyssa SalazarがSNSに自身のムスリムロリータコーディネートを公開したことがきっかけで話題を集めた新スタイル。日本のロリータファッションをベースに、「ヒジャブ」やスカート×ズボンを合わせた肌の露出がないコーディネートで、イスラム教の戒律を守っていることからファッションの自由化を求めるイスラム女性の間で注目を集めそうだ。

ま、普通に、微笑ましい記事、と受け取るのが人間として正常なのだろう。

が、私は異常なので(笑)、このムスリム女性のファッションを見て、ちょっと考え込んでしまった。

ジェンダー問題を考えるフェミニストの皆さんにとって、このニュースは、はたして「微笑ましい」で済むのだろうか？

女性差別的な因習に、知恵を絞って抵抗する女性たち、として賞賛すべきか？

ムスリム女子が日本のロリータファッションに注目？肌を出さない「ムスリムロリータ」が斬新かわいい - ねとらぼ

2015年07月24日

　イスラム教徒の女性は、教義に基づいて人前では顔と手以外の肌を隠すのが一般的です。そんなムスリム女子の間で、日本のロリータファッションを取り入れた「ムスリムロリータ」というファッションが誕生していると海外メディアで報じられ、話題になっています。

私個人は世俗的な自由主義者だから、彼女たちのカワイイに対する追求心、女性的なエモーションを大いに理解もするし賛同もする。

しかし、ムスリムならぬ我が身ながら、聖なるコーランを素直に読めば、彼女たちのファッションは「イスラムの理念」としてアウトだろう。

信者の女たちに言ってやるがいい。かの女らの視線を低くし、貞淑を守

れ。外に表われるものの外は、かの女らの美（や飾り）を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に垂れなさい。

自分の夫または父の外は、かの女の美（や飾り）を表わしてはならない。なお夫の父、自分の息子、夫の息子、また自分の兄弟、兄弟の息子、姉妹の息子または自分の女たち、自分の右手に持つ奴隷、また性欲を持たない供回りの男、または女の体に意識をもたない幼児（の外は）。

「コーラン24：御光(アン・ヌール)31」

なんで、イスラムにおいて、女性は体を隠すべきなのか？

ムハンマド、じゃなかった(汗)、アラーが言わんとしてる御意思は「女性は着飾るな。美しさを他人・外部の誇示するな」ということだ。

そもそものアラーの要求は「女性は体を隠せ」ではない。「女性が自分を美しく見せることはＮＧね」ということなのだ。

たとえ、女性が全身をスッポリ覆っても、その姿が美しく見栄えがしたら、本来の趣旨に反するのである。

そもそも、他人に自分の美を見せる「ファッション」という発想自体がイスラムに反するのだろう。

実は、このイスラムの女性服装規制は、女性に優しくする「レディー・ファースト」の騎士道精神と、基本的に同じ思想だ。

「おしゃれ小学生」ＶＳ「イスラム国＆タイタニック号」ＶＳ「田嶋陽子＆上野千鶴子」～地獄のジェンダー三国志～ - 在日琉球人の王政復古日記

不思議なのは、ムハンマドのファッションセンスではない。

不思議なのは、イスラムの少女たちである。

なんで、どうして、彼女たちは、先祖代々の宗教の定めたオキテのグレーゾーンをすり抜けてまで、そこまでして、可愛いファッションを身に付けたいのか？

どうしてそこまでして、女性は「おんな」になりたいのか？

幼少の頃より「着飾るな」「性を表に出すな」と教えられて育ったのである。