在日琉球人の王政復古日記

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10月9日は #ハングルの日 #한글날 その2~幕末の日本人はハングルに嫉妬した~ハングルVS神代文字VS仮名。

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認めたくはないだろうが(笑)、ある時代の日本人には、ハングルに対するコンプレックスがあった。

 

10月9日は「ハングルの日」~ハングルは、モンゴルのパスパ文字であり、アルファベットである。 - 在日琉球人の王政復古日記

 の続き。

 

幕末、日本人の価値観が大変動した時期に、日本各地で奇妙な文字が「発見」される。俗にいう「神代文字」である。

 

神代文字」は1種類でなく何種類もある。上記をご参照。

なぜか、ハングルにソックリの構造だ(笑)。

 

近代日本語の母音は「アイウエオ」の5個だが、神代文字が作られたであろう、古代の日本語の母音は8個(これが多数派。6母音説、7母音説、5母音説もあり)あった。 

だから神代文字の母音も8個ないとおかしいのだが、なぜか幕末の日本語と同じ「アイウエオ」の5個しかなかった(笑)。

それも、いろんな種類の神代文字の、全てが全て、母音はキッチリ5個なのである。 

 

だいたい、神代文字なる文字が、日本に複数個も存在するは、日本の「国体」的に、都合が悪い。だって、複数ある神代文字が全て事実なら、この日本列島には文字すら異なる複数の文化集団が並存していたことになる。それは天皇の元に一個の民族共同体であるべき神国思想とは矛盾するのである。

 

元祖・日本ナショナリストともいうべき幕末の国学者たちは、南蛮毛唐の文字=アルファベットを知り、朝鮮のハングルを知り、それらを自分たちの仮名と比較して、相手の「見た目の合理性」(真の意味の合理性は全然別だが)に嫉妬した。ジェラシーを感じた。

神国日本が異国に合理性(というかカッコ良さ)で負けるわけにはいかない。それで神代文字が日本各地で「発見」されることになる。

 

こういう「存在してないモノの発見=捏造」は日本だけの現象ではない。世界中で似たようなことが起こる。

ある民族が対外的な危機感を覚えた時にナショナリズムが亢進するが、「民族の歴史と伝統を保守する!」と主張する愛国者【こそ】が、逆に、民族の歴史を美化したり、隠蔽したり、珍妙な「伝統」を勝手に捏造したりするのである。

欧米列強やイスラエルに対抗して、イスラムを再解釈してその狂信性をウルトラ化してしまったイスラム原理主義なんかも同類だ。

水戸学や国学は「幕末版イスラム原理主義」なのである。

 

もちろん韓国も全く同じである。というか日本よりヒドイ(笑)。

ナショナリズムを過度に鼓舞する韓国人【こそ】が「武士の起源は韓国」「寿司の起源は韓国」などなど、日本における神代文字の逆パターンの捏造をやらかすわけだ。 

さらに韓国は日本よりもナショナリズムを自制・自戒・自重するシステムが働かないので、日本の場合よりも恥ずかしい事態になりやすい。

 

さて、国学者の末裔・日本のネトウヨさんは、だいたいにおいて、ハングルが嫌いだ。

彼らのハングル批判をいくつか考えてみる。

 

「昔の朝鮮人は、漢字を信奉するあまり、ハングルを『諺文』と卑下して、その価値を認めてなかった」 

日本人だって、自分達の文字を「仮名」と呼び、支那文字=漢字を「真名」と呼んでいたのだ。
支那文明に土下座していたのは、朝鮮人も日本人も琉球人も、程度の差こそあれ同じである。

 

「ハングルはF、TSなど表現できない子音がイロイロある。不完全な文字だ」

そんなことを言えば、日本の仮名はハングル以下のダメダメ文字だ。 

まだハングルには改造の余地がある。発音できない子音は、たとえば「△=F」でも「▽=TS」でも、新しく文字を作って追加すれば済む。ハングルは簡単な書式なので新規の文字を追加しやすい。

日本語は朝鮮語よりもさらに母音子音が少ない。よって現状の仮名で表現できない発音は山のようにある。たとえば仮名で「THE」と「ZA」の区別が付けられるだろうか? 

しかも仮名はハングルよりも新文字を作りにくい体型になっている。というのも仮名は漢字をベースにしているからだ。アルファベットであるハングルより固有性が高い。

もし発音を表現できる拡張性のある文字が優秀だというのなら、仮名はハングルに劣る。

 

「ハングルは同音異義語を区別できない」

同音異義語は、「朝鮮語」の問題であって、「ハングル」の問題ではない。

なぜなら、朝鮮語を、アルファベットで書いても、仮名で音写しても、同音異義語は同音だ。

だいたい日本語それ自体が「同音異義語が区別できる」わけではない。

日本の文章が同音異義語が区別できているのは、支那文字=漢字を使用しているからであって、仮名だけで書けば、ハングルと同じく、区別できない。 

日本語が優秀なのではなく、同音を区別できる支那文字=漢字が優秀なのである。

 

いや、話は逆で、同音異義語は、日本人と朝鮮人が、漢字というかなり特殊な文字体系をパクッてしまった副作用というか弊害であり、日本語と朝鮮語、2つの言語がお互い抱える共通問題なのだ。仮名やハングルの問題ではない。

 

ハングルの利便性は、世界共通のアルファベットの利便性である。

対して、仮名の特徴は、その「孤立性」にある。

仮名は、漢字を除けば、世界でもかなりユニークな文字体系である。その独自性、その希少性を、日本人は自慢すればいいのだ。

 

10月9日は「ハングルの日」~漢字を捨てたんだから、いっそハングルも韓国語も捨てた方が、コリア人の未来は明るい。 - 在日琉球人の王政復古日記