考えてみれば、仁侠映画の大スタア・高倉健と、実録路線の一番星・菅原文太、この日本映画の2大巨星が消えた翌年に、《菱》が割れる、なんて、偶然というには、あまりにも話が「出来すぎ」であった。
六代目山口組の分裂は、日本の一つの時代の「終わりの始まり」の象徴なんだろう。
戦前まで、その町あの町限定で通用する、怒るとコワイ近所の世話役に過ぎなかった「個人商店のヤクザ」が、巨大なカネと暴力で、都道府県を飛び越えてM&Aされて、全国組織の巨大コングロマリットに化ける、という歴史であった「ヤクザの戦後」が終わるだけでない。
ヤクザを成長させてきた日本のシステムが変わったのだ。
大きく言えば、「日本の戦後」が、本当に、終わるのだ(と思う)。
六代目山口組の分裂が、あまりに重要で、あまりに興味深かったため、たまたま同時期に発生した維新の党の騒動などというチンケな話題には、全く興味が持てなかった。今でも詳細を調べる意欲が持てない(笑)。正直どうでもいい。
というか、六代目山口組と維新の党では、話のスケール、日本社会への影響の大きさ、などなど、それこそ雲泥の差である。そもそも維新の党なんかと比べること自体が、六代目山口組に対して失礼に当たる。
それでも、ヤクザ業界が小康状態を保った現時点で、すこしだけ維新の騒動をながめれば、
あ、橋下徹さんと、小沢一郎ちん、ソックリじゃん(笑)、ってことかな?
基本理念は、制度改革・構造改革路線。
内政中心で、外交には無関心。右翼でも左翼でもない。
政策を全面に出して、新党を結成。
草の根支持層がいて、地元の選挙には圧倒的に強い。
選挙の強さで、(だいたいは自民党に入れなかった)政治家志望の新人を集める。
他の政党を糾合して合併、巨大政党を目指す。
自民党と連立を組むことも狙う。
個性が強く、カリスマ性があり、ワンマン体質。
マスコミに不信感があり、敵対的。
公式の立場を辞任しても、主導権は手放さない。影からコントロールする。
部下はイエスマンしか生き残れない。
少しでも意見が違えば、仲間でも切り捨てる。
昔の友が、一番憎みあう敵になる。そして敵がどんどん増えていく。
しかし、選挙に強いので、新しい子分を増やして勢力を維持する。
違いは、
橋下さんはツイッターやマスコミ取材で感情を表に出してしゃべりすぎ。
小沢ちんは常にダンマリ。本心を誰にも明かさない。
橋下さんは、仲間をさんざん罵倒して、自分から切り捨てる。
小沢ちんは黙ったままで、仲間の方から付いて行けなくなって去っていく。
橋下さんは基本政策に固執する。
小沢ちんは、政局次第で、政策をコロコロ変える。
産経新聞は、橋下さんには好意的。小沢ちんに対してはナニがナンでも叩く。
くらいか。
・・・いかん。宗教やヤクザと違って、書き続ける情熱が沸かない。