在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

イワン・カラマーゾフVS大審問官~19世紀ロシアからの問題提起は21世紀日本でも何も解決されていない。

で、その五つになる女の子を教養ある両親がありとあらゆる拷問(ごうもん)にかけるのだ。自分でも何のためやらわからないで、ただむしょうに打つ、たたく、蹴(け)る、しまいには、いたいけな子供の体が一面、紫色になってしまった。しかるに、やがてそれにもいや気がさしてきて、もっとひどい技巧を弄(ろう)するようになった。

というのは、実に寒々とした厳寒の季節に、その子を一晩じゅう便所の中へ閉じこめるのだ。それもただ、その子が夜なかに用便を教えなかったというだけの理由にすぎないのだ(いったい天使のような、無邪気にぐっすり寝入っている、五つやそこいらの子供が、そんなことを知らせる知恵があるとでも思っているのかしら)、そうして、もらしたきたない物をその子の顔に塗りつけたり、むりやりに食べさせたりするのだ。しかも、これが現在の生みの母親のしわざなんだからね! この親は夜よなかにきたないところへ閉じこめられた哀れな子供のうめき声を聞きながらも、平気で寝ていられるというんだからな! 

おまえにわかるかい、まだ自分がどんな目に会わされているかも理解することができない、小っちゃな子供が、暗い寒い便所の中でいたいけな拳(こぶし)を固めながら、痙攣(けいれん)に引きむしられたような胸をたたいたり、邪気のないすなおな涙を流しながら、『神ちゃま』に助けを祈ったりするんだよ――え、アリョーシャ、おまえはこの不合理な話が説明できるかい。

僕の弟で、親友で、神聖な新発意(しんぽち)のおまえは、いったい何の必要があってこんな不合理が創られたものか、説明できるかい! この不合理がなくては人間は地上に生きて行かれない、なぜなら、善悪を認識することができないから――などと、人はよく言うけれど、そんな代価を払ってまで、ろくでもない善悪を認識する必要がどこにあるんだ? 

認識の世界全体をあげても、この子供が『神ちゃま』に流した涙だけの価もないではないか。

僕は大人の苦悩のことは言わない。大人は禁断の木の実を食ったんだから、どうとも勝手にするがいい。みんな悪魔の餌食(えじき)になってしまったってかまいはしない、僕がいうのはただ子供だけのことだ、子供だけのことだ! 

おや、僕はおまえを苦しめているようだね、アリョーシャ、なんだか人心地もなさそうじゃないか。もしなんなら、やめてもいいよ

大審問官を読もう!2

 

母親「2月上旬から世話しなかった」 呉の乳児衰弱死 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

2016/03/03

広島県呉市の自宅で衰弱した生後8カ月の長男を放置したとして、両親が保護責任者遺棄の疑いで逮捕された事件で、母親の新井綾香(あやか)容疑者(22)=同市吉浦神賀町=が「2月上旬から世話をしていなかった」と供述していることが県警への取材でわかった。死亡した長男がやせ細っていたことから、県警は2月上旬から食事をほとんど与えていなかったとみて調べる。

 

この広島は呉の8ヶ月の幼児は、生きてる間に、『神ちゃま』を見たのだろうか?

いや、『神ちゃま』は、この 8ヶ月の幼児を、生きてる間に、見たのだろうか?

 

さすがは、ロシア、としか言いようがない。

イワン・カラマーゾフ、2世紀ぶりの復活である。

そして、大審問官も、この2世紀、一度も退場していない。

 

神はいない」 ネット書き込みで起訴、禁錮1年の恐れ ロシア 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

2016年3月3日

 ロシアで2日、「神などいない」とインターネット上に書き込んだ男性が、ロシア正教信者の心情を害したとして起訴された。有罪判決が下れば最大で禁錮1年が言い渡される可能性がある。
 露南部スタブロポリ(Stavropol)在住のビクトル・クラスノフ(Viktor Krasnov)被告(38)は、2014年に地元のユーモア系ウェブサイトで展開された聖書に関する議論をめぐって起訴された。被告の弁護士がAFPに語った。
 クラスノフ被告はこのネット議論の中で、ユダヤ人のおとぎ話を寄せ集めて聖書と名付けただけで、まったくのたわごとだ。少なくとも僕にとっては」などと主張。さらに「神なんていないんだよ! 」と書き込んだ。これに対し、議論に参加していた若者の1人が「ロシア正教信者の心情を害した」として被告を告訴したという。
 起訴の根拠となったのは、露女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」がロシア正教会の大聖堂で挑発的なパフォーマンスを行って懲役刑判決を受けたことを機に2013年に制定された法律だという。
 クラスノフ被告は起訴に先立ち昨年、1か月にわたり精神科病棟に入院させられ、精神鑑定を受けさせられたという。弁護士はAFPに対し、被告は「単なる無神論者」で、問題の議論ではハロウィーンユダヤ教の祝日を批判していたと語った。

 

恐るべきことに、ロシアは人間の自由意志を認めない。

「自由意志を持って『神ちゃま』を否定する」行為を罰する、のではない。

「自由意志を持って『神ちゃま』を否定する」なんてことは、そもそも人間には不可能なのである。

『神ちゃま』を否定する」のは、自由意志ではなく、精神病なのだ。

ゆえに対処方法は「処罰」するのではなく、「治療」するのだ。

 

レーニンスターリンも、

「自由意志を持って共産主義ちゃま』を否定する」行為を認めなかった。

「自由意志を持って共産主義ちゃま』を否定する」なんてことは、そもそも人間には不可能なのである。

共産主義ちゃま』を否定する」のは、自由意志ではなく、精神病なのだ。

ゆえに対処方法は「処罰」するのではなく、「治療」するのだ。

 

そして、こういうチェチェンイスラム女性も普通に住んでいるのが、ロシアという大地である。

 

モスクワ女児斬首は「アラーの命令」、容疑者が出廷 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

2016年3月2日

 ロシアの首都モスクワ(Moscow)で、預かっていた女児を殺害し、切断した頭部を掲げて路上を歩き回ったとされるベビーシッターの女が2日、同市の裁判所に出廷し、女児殺害は「アラーに命令された」と述べた。
 イスラム教徒が多いウズベキスタン出身のギュルチェフラ・ボボクロバ(Gyulchekhra Bobokulova)容疑者(38)は、2月29日にモスクワ市内の地下鉄駅の外で女児の頭部を振り回していたところを拘束された。同容疑者に対しては精神鑑定がすでに実施されている。
 勾留と勾留期間延長の手続きで裁判所に出廷したボボクロバ容疑者は、記者団に「アラーに命令された」と語った。同容疑者はさらに、たどたどしいロシア語で「アラーが平和の知らせを告げるために第2の預言者を送っている」と話し、食事を与えられておらず「空腹」でこのままだと「1週間で死ぬ」と不満を漏らした。

 

神を否定しても、精神鑑定。

神を称えても、精神鑑定。 

じゃあ、どうしろというのか?

ロシアに住んでる人間も、ロシアを統治する人間も、どっちも大変だ(笑)。

 

小保方さんとSTAP細胞(その3)~ガリレオ「それでも地球は回る」VSイエス「神を試みてはならない」 - 在日琉球人の王政復古日記

世界60億人の中で、小保方さんの御手のみ実現できるSTAP細胞。・・・それは「自然科学」ではない。


2000年前、5個のパンと2匹の魚で5000人の飢えを満たした(マタイ14章)ナザレのイエス同様、単なる「奇跡」である。

 

それこそ、ガリレオの得意分野ではなく、理研の守備範囲ではなく、正しくバチカン異端審問官の担当事案なのだ。

 

マタイ福音書
4:7 イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。

 

マタイ福音書が説く如く、神の御業を試してはならない。 

ただ一度の奇跡では信用できないから、もう一度やってみせろ、と再現性を要求してはいけない。

 

ガリレオに、「落ちるスピードが重さでは変わらないことを実験して見せろ」と要求することは、科学として、正しい。

 

しかしイエスに「石をパンに変えてみせろ」だの「もう一度水面を歩いてみろ」だのと要求することは、神学として、間違いだ。

 

神の奇跡を、人間の自然科学ごとき低俗な手品と一緒くたにしてはならない。

理研やマスコミの要求は、「宗教的に」間違っているのだ。

 

大審問官を読もう!4 

 「僕はこんな風に完結させたいと思ったのさ、審問官は口をつぐんでから、しばらくのあいだ囚人がなんと答えるかを待ち設けていた。彼には相手の沈黙が苦しかったのだ。見ると囚人は始終しみ入るように、静かにこちらの顔を見つめたまま、何一つことばを返そうとも思わぬらしく、ただじっと聞いているばかりだ。

老人は、どんな苦しい恐ろしいことでもかまわないから、何か言ってもらいたくてたまらないのだ。が、不意に囚人は無言のまま老人に近づいて、九十年の星霜を経た血の気のない唇をそっと接吻したのさ。

それが回答の全部なのだ、老人はぎくりとした。なんだか唇の両端がぴくりと動いたようであった。

と、彼は扉(とびら)のそばへ近づいて、それをさっとあけ放しながら、囚人に向かって、『さあ、出て行け、そしてもう来るな……二度と来るな……どんなことがあっても!』と言って、『暗い巷(ちまた)』へ放してやる。すると囚人はしずしずと歩み去るのだ」

 

もう歳だ。あの大作を最初から読み直す忍耐力はすでにない(笑)。

 

「最高の知性を持った食肉昆虫」レーニンを産んだ「ロシア」という異界。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

神の受肉としてのイエスVS革命の受肉としてのカラシニコフ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

もしもジャガイモ、トウモロコシがベーリング海峡を渡っていたら?~コメ・シャモVSイモ・アイヌの日本列島争奪戦。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

能力と意欲の欠如した人間に、能力と意欲を要求する無理から、悲劇は始まる~お釈迦さまも我が子を捨てた。ナザレのイエスは母を否定した。 - 在日琉球人の王政復古日記