在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

#田母神俊雄 さんは都知事になってもいいが、都バス運転や幕僚長は困る。 #コミンテルンの陰謀

結果論だが、ホテル屋さんのAPAグループには感謝すべきだろう。

 

田母神氏、運動員への現金配布認める…関与否定 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

 2014年2月の東京都知事選に出馬し、落選した元航空幕僚長田母神(たもがみ)俊雄氏(67)の陣営が選挙後、複数の運動員に現金を配っていた問題で、田母神氏が4日、都内で報道陣の取材に応じた。
 政治資金の中から選挙の謝礼として現金が配られたことを認めた上で、「私は指示も承認もしておらず、違法との認識はなかった」と述べ、自らの関与は否定した。
 関係者によると、田母神氏の陣営では、選対事務局長が運動員の貢献度に応じた現金の配布リストを作成。リストに記載された配布額は計2000万円に上り、東京地検特捜部の事情聴取に対しても、複数の運動員が少なくとも計数百万円の現金を受け取ったことを認めた。

 

これだって、法律違反かもしれないが、田母神さんは自分だけよければいいエゴイストではなく、一緒に戦った友人や部下に気を配りカネも配る人情家という見方もできる。

 

彼は軍人であり、娑婆の商人ではない。

 

軍隊内部のヒューマンコミュニケーションは、規則一点張りの杓子定規ではうまく行かないこともあるだろう。学校の体育会系クラブや、ヤクザ稼業や、監獄の囚人も同じで、商売倫理が通用しないタイプの人間集団で上に立つには、順法精神よりも、清濁合わせ呑む度量や人情や思いやりのほうが重要なのである。

 

彼は自衛隊でもこうやって昇進してきたのだ。それはそれで悪いことではない。

乱暴に言えば、田母神さんが公職選挙法に違反したところで、彼の価値も魅力も傷付かない。

 

彼が問題なのは、カネにだらしないからではない。そんなことは許す。

長年連れ添った女房を捨てて、愛人に走ろうが、そんなことはどうでもいい。

唯一の問題は、彼の知性と教養の欠如なのである。

 

私は、愚かにも、自衛官のトップである幕僚クラスは、アメリカ軍並みとは行かないまでも、世界有数の先進国の武人として、一般的日本人よりもはるかに知性的で有能で教養がある、と信じてきた。

まあ、思想的には偏るかもしれないが、防衛大学校は、馬鹿では合格しないし、馬鹿では卒業できないからだ。

 

しかし現実は理屈通りではない。ざっと読んでみた。

 

アパグループ|APA GROUP 真の近現代史観 懸賞論文 第1回最優秀藤誠志賞 「日本は侵略国家であったのか」第29代航空幕僚長 田母神俊雄

http://ronbun.apa.co.jp/images/pdf/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

 

たとえるなら、毎日乗っていた通勤電車の運転席に、人間が居らず、代わりにチンパンジーが座ってたことに気付いたようなショックに近い。よくも今まで無事で生き残れたものだ。単なる幸運である。

 

公の場で「コミンテルンの陰謀」と言い出すレベルの人間が、日本の安全保障のトップを任されてきたのである。安全保障面で今まで致命的なアクシデントが起こらなかったのは、全く別の意味で、日本が神に愛された幸運の国だという証明かもしれない。

 

具体的に、内容をどうのこうのとは、言うまい。疲れるだけだ。 

内容の品質は、文中挙げている参考文献を列記するだけで、十分である。

 

「マオ(誰も知らなかった毛沢東)」ユン・チアン(講談社
黄文雄大東亜戦争肯定論」黄文雄(ワック出版)
「日本よ、「歴史力」を磨け」櫻井よしこ編(文藝春秋
「大東亜解放戦争」岩間弘(岩間書店)
「日本史から見た日本人・昭和編」渡部昇一(祥伝社
朝鮮総督府統計年鑑」(朝鮮総督府)
「廬溝橋事件の研究」秦郁彦(東京大学出版会)

 

この中でマトモな、少なくとも、歴史学を語るレベルでマトモなのは、最後の2つ、朝鮮総督府統計年鑑」「廬溝橋事件の研究」だけだろう。

残りは歴史学ではなく、エンタメ本または架空戦記私小説のカテゴリーである。

 

しかも、「廬溝橋事件の研究」の秦郁彦からは「論文というより感想文に近いが全体として稚拙と評ざるをえない。結論はさておき、根拠となる事実関係が誤認だらけで論理性もない」と酷評されている(wikipedia)。

 

だいたい、日本の大学で「黄文雄」や「櫻井よしこ」を引用した歴史学の論文がありえるだろうか?

月刊「ムー」を参考文献に挙げる宇宙物理学や天文学の論文があるだろうか?

知らない人も多いと思うが、日本は識字率99%以上の先進国なのである。

これは右か左かの話ではない。
本多勝一香山リカの雑文を引用して歴史学の論文を書くことが不可能なのと全く同じ理由で、黄文雄櫻井よしこを引用した論文を書くことも不可能なのだ。

 

そもそも、航空自衛隊航空幕僚長とは、いったいナニモノか?

日本国民の中でも、トップ中のトップの「軍事スペシャリスト」のはずである。高度な教育を受けているはずの1億2千万人の中でも、いるかいないかというエリートなのだ。

その日本最高級の人材が、責任重大の激務の最中に、いったいナニを読んでいるのか? 近所に大きな本屋が無かったのか? つーか、ドコにそんなヒマがあったのか? 

日本の安全保障を背負うトップ中のトップが、その日常において、その辺のサラリーマンが読むような、駅のキオスクや街のコンビニでポルノ雑誌と並べて置いてありそうな、ヒマ潰しの雑記本を愛読していたのだ。

 

もちろん、知性と趣味が必ずしも正比例するものではない。

大学教授だけどスカトロマニア、高級官僚だけどムチでお尻を打たれてハイヒールで顔を踏まれないとチンチンが硬くならないドM、みたいな人だっているだろうし、それはそれで構わない。

しかし、そういう教授や官僚も、自分の密やかな性癖を他人に公開して自慢したりはしない。それは、自分の地位や名誉に比べて、恥ずかしいからだ。 

でも、日本の航空幕僚長閣下は、その素人丸出しの、専門家としては恥辱極まる読書遍歴を公開して恥じていないのだ。この恐るべき感性。

 

もう一度書く。

彼は、そこら辺の町や村に住んでいる、われわれ凡百の一般庶民ではない。
この先進国の安全保障を担う最高責任者が、黄文雄櫻井よしこを愛読していたという事実、さらに内容を信じているという事実、しかもその悪癖が知的エリートとしてはかなりヤバイという常識をどうやら判っていないという事実。

 

近代史を「コミンテルンの陰謀」で語るということは、変な形の雲を火星人のUFOだと断言したり、自分はイエス・キリストの生まれ変わりだと言い出したり、近所の野良ネコが私の悪口を言いふらしている、掃除機から妨害電波が出て頭痛が治らない、と悩んだりするのとほとんど変わらない。

そこら辺をうろついている馬鹿が「コミンテルンの陰謀」と叫んでも、近所迷惑で済むが、三軍のトップが同じ事をドヤ顔で言い出したら、その国は破滅の危機にある。

周辺国の住人なら馬鹿な隣人だと笑い話で済むが、この国の住民なら目の前が真っ暗にならない方がおかしい。

 

私は寛容を旨としているので、政治に関わるすべての人々に、知性教養、倫理道徳を要求しない。 

選挙で選ばれる政治家は、多少の変人、狂人、無能、守銭奴、女狂いまたは男狂い、でも許容する(というか、玉石混交こそが、民主主義の健全性である)。

 

乙武洋匡VS田母神俊雄VS武藤貴也~妻黙認フリーセックスVS離婚拒否妻泥沼訴訟VS男同士売春。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

空将と不倫ならベッキー応援したのに~田母神=ゲスの極み乙女。川谷絵音~愛人と不倫→妻と離婚交渉。 - 在日琉球人の王政復古日記

個人的には、政治家の金銭スキャンダルにはかなり寛容である。

贈賄だろうが、収賄だろうが、献金だろうが、蓄財だろうが、守銭奴だろうが、清貧だろうが、原則として、政策の良し悪しとは無関係だ。それが詐欺・強盗でない限り、罵倒はしない。

だって、もし金銭的にクリアなのが優れた政治ならば、共産党公明党が一番優れた政治ということになってしまう。そんな馬鹿な話はない(笑)。

守銭奴でも優れた政治家は優れているし、清貧でもウンコはウンコである。

どっちかというとカネに汚いくらいのほうが人間臭くて好意が持てる(笑)。

(略)

そして、芸人や政治家のセックススキャンダルにもかなり寛容である。 

男と女が乳繰り合おうが、

男と男が排泄器官でナニをしようが、

既婚だろうが、未婚だろうが、不倫だろうが、離婚だろうが、異性相手だろうが、同性相手だろうが、金銭による売春ですら、原則として、芸の良し悪し、政策の良し悪しとは無関係だ。それが強姦でない限り、罵倒はしない。

どっちかというと、女遊び(男遊び)が派手なほうが、シチュエーションがユニークなほうが、人間臭くて好意が持てる(笑)。 

 

しかし、高級軍人に、反知性や無教養は、絶対に許されない。

 

「トランプ大統領」VS「アメリカ軍&CIA情報機関」~タカ派シビリアンコントロールVSハト派軍人クーデタ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

元航空自衛隊幕僚長田母神俊雄空将VS元CIA長官マイケル・ヘイデン空軍大将。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

産経「トンデモ」VS共産党「一致点」VS韓国「賛成54%」~稲田朋美と田母神さんが核ボタンを握る日。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

彼ら高級武官は、その任務が大量の生死に関わる重大事であるだけでない。

普段はその動静がニュースに乗らないので、国民が彼の才能の有無や倫理の優劣を認知することが難しい。というか、彼の才能や倫理を知るような事態が発生した時点、つまり戦争勃発の後では、彼の頭の中が月刊「ムー」だったと気付いても、もはや手遅れなのである。

また彼らの人選は、民主主義的方法とは馴染まない。

乗船客の話し合いで船は航行できない。船の航行には船長の独裁が不可欠だ。だからこそ船長の能力と人格は重要なのだ。船長が無責任だったと気づいた時点で、すでにセウォル号は沈没しているのである。

 

私は、政治家には甘いが、軍人には厳しい(笑)。

 

田母神さんが東京都知事になってもイイ。

しかし都バスの運転は困る。

幕僚長なんて論外である。

 

都庁内に基地外がいてもイイが、

バス内に基地外がいたら危険だし、

基地内に基地外がいたらもっと危険なのである。 

 

ナニがあった?擁護するどころか、田母神俊雄元空将を冷たく有罪視する産経新聞。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

#田母神俊雄 ~アジア解放を目指した真珠湾攻撃がコミンテルンの陰謀なら、コミンテルンは日本の同志。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

#田母神俊雄 1億円 VS 中国人民解放軍3000億円~真の国防とはいかなる思考か? - 在日琉球人の王政復古日記