9歳女児レイプで男4人を訴追 米国内で怒りの声上がる (AFP=時事) - Yahoo!ニュース
2016年04月06日
米ユタ(Utah)州で、9歳の女児をレイプした疑いで4人の男が訴追された事件をめぐり、米国内では激しい怒りの声が上がっている。
ユタ州ユインタ(Uintah)郡保安官事務所が発表した声明によると、事件が起きたのは先月27日。女児の母親が同州ソルトレークシティー(Salt Lake City)の東に位置するバーナル(Vernal)に住む友人を訪ね、ソファで眠っている娘を残してメタンフェタミンを使用しに車庫へ行っていた間のことだったという。
声明では「その間に女児は別の部屋に連れていかれ、男4人にレイプされた」と述べている。
ユタ州、しかも片田舎、少女、そして集団セックス、、、
最初は、まことに失礼ながら「FLDS」か?、と先入観を持ってしまった。
誠に申し訳ない。
モルモン教=末日聖徒イエス・キリスト教会はユニークな宗派である。
彼ら自身は自分たちを最も正しいキリスト教徒と確信しているが、他のプロテスタント、カトリック、東方正教会、つまりキリスト教業界の99%からは「異端」または「異端の疑いがある」と見なされ、仲間外れにされている。
その大きな要因が、旧約・新約聖書の他に「モルモン経」という独特の経典を持つこと、また、設立当時は「一夫多妻制」を教義としていたからである。
それが、一夫一妻の結婚制度に厳格(これが同性婚反対にもつながる)な多数派プロテスタントの嫌悪を呼び、アメリカの法律にも抵触するため、連邦政府と戦争状態になり、彼らは当時のど田舎(今もだが)中西部のユタまで逃れて行った。それがユタ州の始まりだ。
今でもユタ州はモルモン教とが多く住む、かなり特殊な州である。
アメリカで生まれた一夫多妻の宗派・モルモン教は、当時、大西洋の向こうのイギリスでも知られるようになった。
誰でも知ってる名探偵・シャーロック・ホームズの第1作「緋色の研究」は、新大陸の奇怪な教団・モルモン教の教義にまつわる悲劇とその復讐劇なのだ。
もちろん、モルモン教徒の皆さんに言わせれば、誤解と偏見ということになるだろうが。
もしも、万が一、モルモン教がアメリカ連邦政府との戦争に勝利し、他のプロテスタントを弾圧していたら、アメリカも、イスラムと同じ一夫多妻制の国になっていたかもしれない。
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まあ、大東亜戦争で日本が勝つよりムチャな架空戦記だが(笑)。
その後、モルモン教主流派は、世俗(プロテスタント多数派、アメリカ連邦政府)と妥協して、一夫多妻の教義を捨てた。
著名なモルモン教徒といえば、共和党の重鎮で、トランプさんを批判する元大統領候補・ミット・ロムニー、日本なら、ただいま絶賛売り出し中のケント・ギルバートさんだ。
モルモン教は特異な宗派だが、政治的にはリベラル嫌いの保守派。よって宗教保守として共和党支持者が圧倒的だ。ゆえにギルバートさんも日本の左翼リベラルを執拗に攻撃するわけである。
もちろん彼らは現在のモルモン教だから、一夫一婦制である。
しかし、妥協に反発したモルモン教過激派・原理主義者が、古来の教義を守るため分派し、21世紀の今でも、ユタ州周辺の人影もまばらな荒野に暮らしている。
彼らがFLDS、訳せば「原理主義的末日聖徒イエス・キリスト教会」とでもなろうか。
彼らは今でも一夫多妻制を守り、中絶はもちろん避妊もしない。よってオヤジ1人が、複数の奥さんと、とんでもない数の子供を従える大家族集団となる。
彼らの生活は、アメリカの法律的にも問答不要の重婚罪だから、彼らは世間との接触を拒否してるし、州や町が運営する公共の学校に子供たちを通わせない。
だって純真無垢な子供たちに、一夫一婦制、男女の平等、恋愛の自由、婚姻の自由、信教の自由などという「悪魔の思想」を教え込まれたら困るからだ。
で、子供たち特に女性の結婚年齢も常識をはるかに下回り、未成年は当たり前で、ローティーンでの結婚も普通らしい。自由恋愛ではなく、オヤジの選んだ男性との結婚である。また、他者との接触のない集団内部の結婚だから、どうしても血族同士の近親婚になる。
法VS人間~国家VS性愛~カースト間結婚~異人種間結婚~同性婚~一夫多妻~ポリアモリー婚 #LGBT - 在日琉球人の王政復古日記
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というわけで、ユタ州、少女、セックス、と聞くと、コッチを連想してしまったわけだ。
しかし「メタンフェタミン」という単語で、あれれ?となった。
上記の如く、われわれ世俗とはかなり異なるモラルを持つ宗派ではあるが、モルモン教主流派も、分派FLDSも、キリスト教原理主義から生まれた宗派なんで、結婚制度はともかく、その他は非常に(ある意味、異常に)禁欲的なのだ。
禁酒、禁煙はもちろん、コーヒーも紅茶も緑茶も禁止である。なぜならカフェインを含むからだ。当然、大麻やコカインなど麻薬類も厳禁である。
ちなみに、オナニーもダメ。
禁酒・禁煙・禁大麻・禁珈琲・言葉狩り~トランプは右翼でも保守でもない。ただしオバマよりもマトモな人物か? - 在日琉球人の王政復古日記
酒やタバコはともかく、コーヒーまで飲まないとなると、まるで末日聖徒イエスキリスト教会(モルモン)である。
じゃあ、禁酒・禁煙・禁珈琲のモルモンが正しく、モルモンを「異端」としている、飲酒喫煙OKのキリスト教多数派が間違っているのか?
モルモンが禁じてるのは、飲酒・喫煙・コーヒーだけではない。婚前性交渉も禁じてるし、オナニーも禁じている。
おおお、オナ禁・・・考えられん・・・ボンクラ小僧どもにはこの世の地獄だ。他の問題はともかく、これだけは絶対認めないっ(怒)!
で、その禁欲モルモンの「マトモな人物」たちは、つい最近まで「一夫多妻制」を認めていたのである。それを禁じたアメリカ連邦政府と銃撃戦の戦争までやった。
オナニーがダメだから、中出しセックスして、避妊も中絶も禁止だから、子沢山になるわけである。
ドラッグ厳禁なんだから、メタンフェタミンなんか完全アウトである。
これはおかしい、モルモンではない。それでググってみた。
Four men charged in Uintah County gang-rape case of 9-year-old | The Salt Lake Tribune
顔写真を見て、こりゃおそらくFLDSじゃないなあ、と確認した。
モルモン教は、例外はあるが、原則白人の宗派だ。
今は、中西部ユタ州が根拠地だが、元は、当時ほとんど白人だらけのアメリカ東北部・ニューヨークで生まれた。北部に生まれたので、南部と異なり黒人奴隷制度には反対だったようだが、黒人や有色人種を白人と平等とまでは思ってないわけで、教義も組織も、黒人を認めず、白人優越になっていた。
今では人種差別はないことになっているが、黒人もヒスパニックもアジア系もこんな接点の少ない宗派にわざわざ入信する筋合いもないわけで、実際いまでも信者のほとんどが白人だ。
分派のFLDSは、昔通りなので、さらに白人専用である。
写真の顔から、容疑者は明らかに白人ではない。ヒスパニックかおそらくインディアン(ネイティブアメリカン)だろう。ユタ州は比較的インディアンが多い。
そして、メタンフェタミンというのも、やや特殊なドラッグなのだ。
ポピュラーなドラッグなのは、やはりコカイン、そしてヘロインとなるが、メタンフェタミンは、コカや芥子から抽出するのではなく、だいたいは、市販の風邪薬や鼻炎薬から化学合成するらしい。メキシコから輸入することも少ない。
よって比較的安価なのだ。ある意味「貧者の麻薬」ということである。
被害者の少女の母親はメタンフェタミンを使用していたわけで、比較的貧しい階層だと推測できる。容疑者の4人も非白人で彼女の知り合いということは、母親も被害者の少女もおそらくヒスパニックまたはインディアンであり、多分モルモン教徒ではないだろう。
私は名探偵シャーロック・ホームズからは程遠いので、初動捜査、最初の推理に間違いがあった。
モルモン教徒、およびFLDS信者の皆さんには、一瞬でも疑ったことを謹んでおわびしたい。