匈奴、鮮卑、烏桓、大月氏、柔然、西夏、突厥、吐藩、西蔵、金、遼、女真、夜郎、南詔、大理、、、
まるでお経のようだが(笑)、時代や規模が違えど、支那大陸に興っては消えていった東アジアの国家や民族である。
人口４８００万人、ＧＤＰ世界１５位圏内、歴史１４００年の弱小国～韓国（経済編）。 - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
日本人が朝鮮半島を誤解しやすいのは、朝鮮半島しか見てないことだ。
または、日本とだけ比較してしまうことだ。
広く見ても、今も生き残っている支那くらいまでしか比較対象にしていない。
東アジアは、日本、支那、台湾、韓国、北朝鮮、モンゴル、琉球だけで構成されてきたわけではない。他にも幾多の民族や国家が存在した。ただし今現在残ってないだけだ。
朝鮮＝韓国を「日本と支那に挟まれた悲惨な歴史」というけれど、本当か？
冒頭の、匈奴も、鮮卑も、烏桓も、大月氏も、柔然も、西夏も、突厥も、２１世紀、そのアイデンティティをそのまんま継承する国家も民族もない。彼らの栄光は、建築物も文化財も地面の下に埋もれ、物語は史書に痕跡を残すのみだ。
かつて、吐藩、西蔵、と独立国家であったチベットは、今や支那＝中国共産党＝漢民族の完全支配下である。
金、遼、女真、民族が入れ替わったことを多々あったろうが、満州も独立して逆に漢民族を圧倒していた時期が多い。しかし今は単なる「東北地方」である。
夜郎、南詔、大理、などの雲南地方だって、過去は「中華人民共和国の少数民族」ではなかった。
もちろん「半万年」は大嘘のハッタリだが(笑)、朝鮮人の歴史は、日本人とほぼ同じ長さだ。
というのも、朝鮮半島が実質的に朝鮮人だけのエリアになったのは、日本列島が実質的に日本人だけのエリアになったのと同じ、西暦６６３年「白村江の戦」が起点だからだ。
それまで日本列島と朝鮮半島は、政治的・領土的・軍事的・文化的・経済的・血統的なグレーゾーンが広がっていた。海峡という地理的要員は別にして、どこまでが日本で、どこからが朝鮮か、お互いに不明瞭だった。
たとえば任那日本府は、政治的には日本だろうが、エスニシティ的に日本だったかどうかは微妙だ。
言い方を変えれば「オレたちは日本人だよな。アイツらは朝鮮人だよな」というアイデンティティの分離が明確ではなかった。
それが明確に分かれたのが「白村江の戦」である。つまり日本と朝鮮は同時に誕生したわけだ。
「白村江の戦」によって、それまで存在した百済人は「オレはどこまでも半島の人間だわな」と徐々に新羅に同化し、「オレは新羅人にはなれない」と列島へ亡命した連中も日本人に同化して、結局国家を作るほどの百済人意識は分裂・消滅していった。
そして半島では、新羅人が高麗人となり朝鮮人となり韓国人になったわけだ。
列島でも、大規模な移民の流入はほぼ終わり、政治的に半島を失ったことで、日本のアイデンティティが明確になった。
よって、神話時代、日朝混交時代を除いて、明確な日本史、明確な朝鮮史を数えれば、約１４００年はある。
もはや遺跡か歴史書にしか存在しない、または支那の一地方となってしまった、同じ東アジアの諸民族、諸国家、匈奴、鮮卑、烏桓、大月氏、柔然、西夏、突厥、吐藩、西蔵、金、遼、女真、夜郎、南詔、大理などと比べて、はたして、２１世紀までアイデンティティを明確に保持して生き残った朝鮮人＝韓国人は悲惨な民族なのか？
ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米、世界中の現存国家に比べて、１４００年の歴史が「弱小国」になるのか？
たしかに、朝鮮＝韓国は、支那や日本に攻め込まれ、一時的に滅びもした。
しかし、隣国との戦争で占領されたり、支配されたり、一時的滅んだり、領土を取られたり、そういう歴史で「弱小国」と決まるのならば、
ノルマンコンクェストを受けたイギリスだって、
普仏戦争や第２次世界大戦でパリを占領されたフランスも、
ナポレオン、第１次、第２次と大敗北を喫して領土を解体されたドイツも、
もともとスペインの領土であり、何度も英仏独に翻弄されたオランダも、
すべて「弱小国」である。
朝鮮＝韓国への誤解は、比較対象である両隣が「変すぎる」からだ(笑)。
世界有数の独特の文明を築き、それが一度も滅亡せず２１世紀の今でも残っている世界史的例外エリア。人口１３億人の支那＝漢民族。
歴史上、欧米以外で始めて近代化に成功し、ヨーロッパ諸国を追い抜き、一時は世界で２番目の経済力だった日本。
日本と支那に比べれば、アメリカ、インド、ロシア、イギリス、フランス、ドイツくらいを除いて、世界中の民族や国家はすべて「弱小国」になる。
朝鮮＝韓国の方が、世界史的には、普通で、平均で、そこそこ上手く生き残った国なのである。
たとえば明治大学、法政大学といえば、十分立派な学歴である。
ただし、たまたま両隣の息子さんが、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学だから見劣りするだけの話で(笑)、そんな異常者は他にほとんどいないのだ。町内会全体で言えば明治や法政は十分すぎる上位クラスなのである。
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