在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

英国政治~実録・仁義なき戦い北アイルランド死闘編~ナショナリスト、リパブリカンVSユニオニスト、ロイヤリスト。

イングランドスコットランドウェールズと続いて、残るは、北アイルランド

しかし、ここは、今までの話とは次元の違う世界になる。

 

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スコットランドウェールズの政治はいくら対立しても流血沙汰を起こさないが、北アイルランドの政治は本当に人をブチ殺す。

修羅場・鉄火場の北アイルランドに、保守党コンサバティブや労働党レイバーなんていう。銃を乱射しない「普通の政党」の出番はない(笑)。

 

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の続き。

 

北アイルランドの政治は全て地域政党同士の戦いだ。大きく2派に分かれる。

 

北アイルランドは、アイルランド原住民(ケルト人)の土地であり、英国(アングロサクソン)を離脱して、同胞である南のアイルランド共和国に併合されるべきだ」という勢力がいる。これを「ナショナリスト」と呼ぶ。宗教はカトリックである。

ここでいう「ネイション」は、イギリス「国家」という意味とは正反対の、アイルランド「民族」という意味である。

つまりスコットランド国民党SNPとは、「ナショナリスト」という言葉の意味が異なるのだ。

 

対して、「北アイルランドはあくまで連合王国の一部であり、大昔に植民した英国人の土地だ」というスコットランドアイルランド人(スコッチ・アイリッシュ)もいる。こっちを「ユニオニスト」と呼ぶ。宗教はプロテスタントである。

こっちの「ユニオン」とは、アイルランド共和国とのユニオンではなく、連合王国とのユニオンを意味する。

 

ナショナリスト」のさらに過激派は「リパブリカン」と呼ばれる。

和訳なら共和主義者、つまりアメリカなら保守主義共和党を意味するが、アイルランドでは政治的にはまったく正反対の、共和制=反君主制=反イギリス王室=反英国主義者を意味する。テロも辞さない武装過激派だ。

 

対して、「ユニオニスト」のさらに過激派は「ロイヤリスト」つまりイギリス王党派・英国忠誠派。こっちも問答無用の人殺しである。

 

アイルランドナショナリストカトリック)の政党が、非武装穏健派の社会民主労働党SDLPと、喧嘩上等のシン・フェイン「Sinn Féin」党。

 

アイルランドユニオニストプロテスタント)の政党が、やや穏健なアルスター統一党UUPと、タカ派民主統一党DUP

 

ナショナリストリパブリカン武装テロ組織が、アクション映画や冒険小説に出てくる、有名なIRA(アイルランド共和国軍)暫定派である。その過激分派の「真のIRA」なんかもある。爆弾仕掛けて刑務所にぶち込まれて、抗議のハンガーストライキをやって、本当に餓死する(!)とか、他人の命も自分の命も大雑把に扱うちょっと困った人たちだ。

 

一応、体制派になるはずのユニオニスト、ロイヤリストにも、UDA(アルスター防衛同盟)、UVP(アルスター義勇軍)という武装テロ組織がある。こっちもこっちで陰惨で、路線対立の果て、UDAとUVPで内ゲバもやらかす。

 

ここに、連合王国の警察やイギリス軍が参戦してくる。

警察や軍の最大の敵は当然アンチ英国のIRAで徹底的に殺し会うのだが、英国贔屓のUDAやUVPもムチャクチャな治安の敵なんで、こっちはこっちで警察・軍とUDA・UVPで殺し合いである。

IRAだけでなく、UDA、UVPだけでなく、英国警察も陸軍も、民間人を殺している。とくに警察や軍が、自国民であるはずのアイルランド人(しかも非武装)を銃殺した。内戦状態の中東や南米やロシアのような人権無視がヨーロッパ先進国で行われていたわけだ。

 

北アイルランドは、英国か?アイルランドか? プロテスタントか?カトリックか?

この悲しいほどちっぽけな土地を巡って、血みどろの死闘が繰り返された。

そして、この戦いは、アイルランド系移民の多いアメリカ文化にも大きな影響を与えた。

 

北アイルランドを見れば、日本と韓国が、いかに牧歌的か、いかに平和的に、領土を分けて分離独立することが出来たか、が解る。

仲が悪い日本人も韓国人も、竹島慰安婦を巡って、何百人も爆殺したり銃殺したりはしていない。 

もしも大東亜戦争が無ければ、朝鮮は日本領のままだった。しかしその後70年、どうなっていたか? 

韓国民団がIRAじゃないのは、在特会がUDAやUVFじゃないのは、単なる幸運、歴史のイタズラにすぎない。 

 

個人的にも、英国とアイルランドの関係は、ヤマトと琉球の関係を考える上で、優れた教材になっている。ちょっとやそっとで全てを語りつくせぬ戦いである。

 

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