在日琉球人の王政復古日記

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《リバタリアン映画列伝》「ニューヨーク1997」「エスケープ・フロム・LA」~トランプVSサンダースVSスネーク #Calexit #NYexit

喫煙シーン映画、「成人向け」に…WHO勧告 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

世界保健機関(WHO)は1日、喫煙シーンのある映画やドラマについて、若者を喫煙に誘導する効果が高いと指摘する報告書を発表し、「成人向け」に指定する措置を各国政府が講じるよう勧告した。
WHOによると、子どもや青少年の視聴を見込む作品であっても、喫煙に関する規制は世界的にみられない。このため、登場人物や役者の行動に影響されやすい若者が、まねして喫煙を始めるケースが多い。

 

世界保健機関は、映画という娯楽に、根本的に向いてない。

お互いのためにも、映画なんかに興味を持たないでください。

 

タバコ増税で日本は滅ぶ。日本を救いたければタバコを値下げせよ。60歳以上にはタダで配れ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

タバコも吸えない映画なんて、この世も終わりだ。

 

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タバコの銘柄は、”American Spirit”。

最後のセリフは、"Welcome to the human race"(やっと人間サマに戻れたぜ)。

 

生物学的、医学的、肉体的な毒物が、百害あって一利なしの毒のカタマリが、タバコこそが、精神的な人間性の回復なのだ。

毒物を選択する人間の自由。これがリバタリアンである。

 

<米大統領選>「第三の候補」浮上 2大政党候補好感度低く (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 米大統領選で共和、民主両党以外の選択肢として注目されている小政党「リバタリアン党」は29日、フロリダ州の党大会で、ゲーリー・ジョンソンニューメキシコ州知事(63)を大統領候補に選出した。
 11月の本選で対決が予想される共和党の実業家ドナルド・トランプ氏(69)と民主党ヒラリー・クリントン国務長官(68)は好感度の低さが際立ち、「第三の候補」を望む声が高まっている。こうした不満を受け皿に、第三党が選挙戦に影響を与える可能性がある。
 リバタリアン党は1971年結党。自由至上主義で、市場経済や個人の自由を尊重する。政府の役割を縮小する「小さな政府」を唱える点では共和党に近く、人工妊娠中絶や同性婚などに寛容な点は民主党に近い。

 

リバタリアンというと、タックスヘイブン的な金持ちの理屈、企業家の理屈、大企業の論理とされがちだが(それも間違いではない)、同時に、「アウトローの倫理」でもある。

 

今までリバタリアン映画をいろいろ上げてきたが、

 

《リバタリアン映画列伝》東映「仁義なき戦い広島死闘編」(1973年)~【追悼】菅原文太~「美味いもん食うて、マブいスケ抱くために、生まれてきとるんじゃないの」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

《リバタリアン映画列伝》「ロボコップ」(1987年)~リー・クアンユーのシンガポール=オムニ社のデトロイト。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

《リバタリアン映画列伝》東宝「下妻物語」(2004年)~ #深田恭子 VS 仁義なき戦い VS ロボコップ。 #土屋アンナ #深キョン - 在日琉球人の王政復古日記

 

《リバタリアン映画列伝》「砂の器」(1974年)その1~流れよわが涙、と少年は言った。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

《リバタリアン映画列伝》「砂の器」(1974年)その2~実父、養父、偽父、義父~村落、国家、市場。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

1996年のアメリカ映画「エスケープ・フロム・LA」は、金持ちのリバタリアンではなく、アウトローリバタリアン映画である。

 

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監督は、「要塞警察」「遊星からの物体X」「ゼイリブ」などカルト人気を誇る(ホメ言葉としての)B級SF娯楽映画の巨匠、ボンクラ映画小僧たちにとってはおなじみのジョン・カーペンター

ゼイリブも、映画も見事な政治映画である。

 

《ポピュリズム映画列伝》「ゼイリブ」ジョン・カーペンター監督~十字架と星条旗と銃だけが真実~トランプ共和党の世界。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

主人公のスネーク・プリスケン(プリスキン)は、アンチヒーローの典型として、マニアックな人気がある。ゲームや漫画や映画などに登場するアウトロー・ヒーローは、彼のパクリだらけだ(笑)。

 

「エスケープ・フロム・LA」は続編で、原題は「Escape From L.A.」。

第1作は1981年「ニューヨーク1997」。原題は「Escape from New York」。

前回は巨大監獄と化した近未来のニューヨークからの脱出だが、今回は無法地帯と化した近未来のロサンゼルスからの脱出である。ストーリーもほとんど同じである。これはワザとそうしている。悪ふざけだ(笑)。

「1997」もリバタリアン映画なのだが、「LA」のほうがよりコミカルにデフォルメされていて、リバタリアン要素がわかりやすい。

 

「LA」の舞台は、狂信的キリスト教原理主義者の独裁終身大統領が支配する近未来のアメリカ。

聖書に反する、フリーセックス、同性愛はもちろん禁止。

アルコールもタバコも「赤身の肉」も、健康に悪い食べ物は禁止。

どちらも自由の敵である、「右翼的な宗教ファシズムと「左翼的な健康ファシズム」の合体である。

そして、アメリカ政府の強大な国家警察に逮捕された、体制に相容れない、反体制派、犯罪者、移民難民、有色人種、大地震で崩壊し、海峡と城壁で隔離され、完全な無法地帯と化したLAに追放される。

 

1996年、ちょうど20年前の映画だが、聖書を振り回して同性愛を目の敵にする宗教基地外や、メキシコ国境に壁を作るだの、移民追放だの、イスラムは入国禁止だの、隣国や外国だどうなろうが知らないだの、と言い出す大統領候補が勝ちまくる、2016年のアメリカを見事に予言している。

クルーズやトランプは21世紀の突然変異ではなく、20世紀からそういう政治志向はアメリカ共和党の反主流派アウトサイダー界隈には、脈々と流れていたのだ。

それでも20年前は、B級SF映画の冗談だったものが、今や現実になっただけの話である。

 

そして、ホントにトランプが大統領になってしまった2016年、リベラル民主党の強い東海岸や西海岸の住民の間では、「トランプ合衆国」から、ニューヨークやカリフォルニアを「分離・独立」しよう!という、イギリスのEU離脱「 #Brexit 」からインスパイアされた、冗談半分の「 #NYexit 」「 #Calexit 」というムーブメントが起こっている。

現実社会でも、ニューヨークやカリフォルニアが、アメリカから切り離されようとしているわけだ。映画が現実になりつつある。

 

サウジアラビアキリスト教バージョンみたいな宗教国家になったアメリカ政府が、共和党的宗教保守のカリカチュアだとすれば、

そのアメリカから排除された「アンチ共和党的な異物」の掃き溜めになったLAは、明らかに民主党リベラルのパロディ。

 

LAに巣食うアジア系ストリートギャングや、廃墟のハリウッドにある狂気の美容整形クリニックなどは、非白人マイノリティやハリウッドリベラルへの皮肉。

ピーター・フォンダとのサーフィンは爆笑。あの「イージーライダー」も、リベラルというよりリバタリアンなのかもしれない。

無法地帯LAのボスに君臨する南米出身のゲリラは、チェ・ゲバラそっくり(笑)。これもキューバやベネゼエラのような南米の反米・反資本主義のカリカチュア

ゲバラもどきは、聖書基地外のアメリカ大統領の娘を誘拐するのだが、彼女の名前が「ユートピア」。社会や国家の理想像を、右翼と左翼が奪い合うのである。

こっちも、2016年、バーニー・サンダース人気という形で、アメリカ国内で現実的な政治的力を持ち始めている。

 

近未来アメリカは「白人キリスト教原理主義の清潔ファシズム」と「第3世界的マイノリティのウルトラリベラル・ごった煮社会主義」の2勢力に分断されているわけだ。

対立しているように見えて、両方とも「政治的に正しいことは他人に強制してもいい」という同じ公理で動く政治集団という意味では同じだ。

 

主人公のスネーク・プリスケンは、第3世界の象徴ゲバラのそっくりさんをブッ殺したあと、返す刀で、キリスト教原理主義大統領の生命線である機械文明も破壊する。

スネークは、右翼と左翼、その両方にファック・オフ!な、自由至上主義のリバタリアンなのである。

 

すべてを崩壊させた後、上記youtubeのラストシーンとなる。

「アメリカンスピリット」という名のタバコを深々と一服、

「やっと人間サマに戻れたぜ」とつぶやく。

 

1996年当時、すでにタバコは有害ということで排除されていた時代に、あえて、タバコを称賛するのだ。

人間は、医学的にのみ生きているのではなく、馬鹿な行為、愚かな選択すら気ままにできるからこそ生きていける。

 

オレのやりたいことに口を出すな。

クルーズみたいな聖書馬鹿も、

トランプみたいな異物排除も、

ジェブ・ブッシュヒラリー・クリントンみたいな巨大な政府も、

サンダースやキューバカストロみたいな社会主義も、

全部、アメリカンスピリットじゃねえよ、という宣言である。

 

肺一杯に毒物を流し込める自由。それがリバタリアンである。

 

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