在日琉球人の王政復古日記

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わが友ロッチナの絶叫に号泣す。 ~ユダヤ・キリスト教の物語「装甲騎兵ボトムズ」。


炎のさだめ/装甲騎兵ボトムズ

 

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アニメ「装甲騎兵ボトムズ」は、ユダヤ・キリスト教の物語でもある。 

 

私が、私が、異能者であったなら!! 

 

・・・・・ただただ泣いたね(笑)。


ユダヤ教キリスト教の「預言者」とは、神から御言葉を託された人間だ。
神より、神の御言葉を世間に知らしめすことを命じられる。
預言者は、神から愛された(または罰せられた)特別の人間、特権の持ち主だ。
預言者は神から選ばれるが、その選択基準はまさしく「神のみぞ知る」。
血筋も、信仰も、人格も、努力も、全く関係ない。
だから、世間から見れば「なんで、よりによって、こいつなの?」というような人間が選ばれることもある。
そして選ばれた人間は拒否できない。選ばれなかった人間も抗議できない。

 

儒教ならば、本人の努力次第で、君子にもなれる。

仏教ならば、本人の悟り次第で、解脱もできる。 

儒教仏教は、神が選ぶのではなく、人間が選ぶのである。

 

対して「すべては神の意思なので、人間の努力は、信仰は、最終的に何の意味もありません」というのが、ユダヤ教キリスト教(特にプロテスタント)の恐ろしさである。


アニメ「ボトムズ」の主人公キリコは、宇宙を統べるワイズマンから選ばれた「異能者」である。
登場人物のロッチナは、ワイズマンのシナリオに従って、異能者キリコをワイズマンの元へ導く狂言回しだ。
ワイズマンはキリコに自分の能力と権限を譲ろうとする。「キリコ、お前が私の後継者だ、これからはお前が神だ」と。
しかし、キリコは拒否して、ワイズマンを破壊する。
神から予言者に選ばれたのに、その役目を拒否して、あろうことか神を殺す。

 

それまで冷静かつ冷笑的なキャラであったロッチナは、その神殺しを見て激怒する。 

 

やめろ、もういい。もう奴は死んでいる。

なんて馬鹿な。なぜ用意された支配者の座を受け取ろうとしなかったんだ。

お前は神を殺したんだぞ・・・せっかくの権利を捨てて卑しい道を選んだのは恐怖からだ。支配することのあまりに大きな重さにお前は怯えたのだ。私があれほど望んだ力をお前は殺したのだ。

私が、私が、異能者であったなら!・・・ 

 

神を信じない異能者キリコが神から選ばれ、

神を愛し求めた信仰者ロッチナは神から選ばれない。

ロッチナは「ワイズマンは、なぜ、忠実なこのオレを後継者に選ばないんだ? なんでキリコなんだ?」と不満に思いながらも、神の命令に従ってきたのに、よりによって神に愛されたキリコは最後の土壇場になって神を裏切った。 

特権者キリコの贅沢なワガママに、凡人ロッチナは嫉妬し発狂する。

 

 

自分は必死で3億円宝くじを100枚も買ったのに全く当たらず、たまたま道端のゴミ箱から大当たりの1枚を拾ったヤツが、「べつにいいや」と、その値千金の1枚を燃やしたのを見せつけられるように(笑)。


心から惚れた女の願いを聞いて、彼女の幸せのため、ガマンして彼女が惚れた男にラブレターを運ぶ役目を買って出たのに、その男が「オレ、ホモセクシャルなんで」とあっさりラブレターを破り捨てたのを見たように(笑)。


神から無視される凡人と、神に選ばれる預言者の間には、努力や意思だけでは永遠に越えられない断絶がある。
私も凡人なんで、わが友・ロッチナに号泣するのだ(笑)。

 


いつも あなたが/装甲騎兵ボトムズ