現在のオーストラリアの住人の大半は、イギリスからの移民(イングランド人、スコットランド人、アイルランド人)である。
だから、エスニシティ的に「オーストラリア人(の白人の大半)は、もともとイギリス人である」という言い方は、ある程度正しい。
しかし、正反対に、「イギリス人は、もともとオーストラリア人である」という言い方は正しいだろうか? 前後関係を無視した、全く理屈に合わない意味不明のタワゴトである。
ブラジルには、日本からの移民・日系ブラジル人がたくさんいる。
だから、エスニシティ的に「日系ブラジル人は、もともと日本人である」という言い方は、ある程度正しい。
しかし、正反対に、「日本人は、もともと日系ブラジル人である」という言い方は正しいだろうか? 前後関係を無視した、全く理屈に合わない意味不明のタワゴトである。
草舟2隻、西表島到着…途中流され伴走船で運ぶ (読売新聞) - Yahoo!ニュース
2016年07月18日
日本人の祖先による3万年前の航海の再現を試みた国立科学博物館などのチームの草舟2隻が18日午前11時ごろ、沖縄県の西表(いりおもて)島の浜辺に到着した。
途中、潮の流れでルートが北にずれたため、伴走船で移動するなどした。
祖先、いつ日本に? =アフリカ起源説で浮上 (時事通信) - Yahoo!ニュース
2016/07/11
日本列島に原人が住んでいたかはっきりしないが、約3万8000年前からは現生人類の遺跡が多数ある。
草舟プロジェクトを率いる国立科学博物館の海部陽介人類史研究グループ長は、現生人類はまず、朝鮮半島から対馬を経て九州に渡ったと推定。3万年前までには、大陸と地続きだった台湾から沖縄に航海した集団があり、同じく大陸と地続きだったサハリンから北海道に陸路で南下した集団もいたとみている。
人類の発祥の地はアフリカ東部なんだから、
現在の日本列島の住人の大半は、
の3ルートで渡ってきた、
なんていうのは、考古学的にも正しいだろうし、地図を見れば一目瞭然である。
だから、台湾から琉球、琉球から九州、という渡航者の足取りを、当時の生活レベルで、再現する試みは学問としてアリだと思う。
古来、支那大陸から琉球諸島へ、琉球諸島から日本列島へ、人々は流れていった。
よって、エスニシティ的にも、琉球諸島の住人と日本列島の住人は近似している。
それは考古学的な事実だ。
しかし、その事実をもって「琉球人も日本人である」というのは理屈としておかしい。
「イギリス人は、もともとオーストラリア人である」
「日本人は、もともと日系ブラジル人である」
という主張と同じであり、事実関係はサカサマ、アベコベではないか。
「日本人(の一部)は、もともと琉球人である」というのは正しい。
「オーストラリア人は、もともとイギリス人である」
「日系ブラジル人は、もともと日本人である」
というのが理屈として正しいのと同じである。
もちろん、後になって、日本列島から琉球諸島へ「逆流」した移民もいただろうが、大きな流れは、琉球諸島→日本列島である。
日本と琉球の関係は、移民先と移民元、オーストラリアとイギリス、ブラジルと日本の関係なのである。「前者」と「後者」を逆にはできない。
よって「日本の一部は、もともと琉球である」というのは、理屈として成立するが、
逆に「琉球は、もともと日本の一部である」というのは、理屈がサカサマである。
そして、大元が一緒ならば、全部一緒だ、という大雑把な分け方じゃ、フランス人もイタリア人もドイツ人もロシア人も、全部インド・ヨーロッパ語族である。
だから個別のナショナリズムを認めない、というのは議論が雑すぎる。
フランス人、イタリア人、ドイツ人、ロシア人はそれぞれ、別個のナショナリズムだ。
だから、「日本の一部は、もともと琉球である」というのが、考古学的に正しくても、ナショナリズムはまた違う論理である。
日本人の皆さんだって「お前の血筋も、元はといえば、南洋の蛮人だよ」と言われるのは、イヤだろう。
たとえ大昔に人的交流があろうが、ナショナリズムにおいて、
日本は、琉球ではない。
よって、琉球も、日本ではないのだ。
私は、日本の皆さんのプライドのためにも、そう主張しているのだ。
イザナギ&イザナミ御二柱は「琉球」を産んでない。古事記こそ琉球独立の根拠である。 - 在日琉球人の王政復古日記