在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

名護市長選翁長稲嶺惨敗~60年自民圧勝~09年麻生惨敗~12年安倍圧勝~選挙は憲法・安保じゃなく【ゼニ】で動く。

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前日、自裁した故・西部邁全学連の先頭に立っていた、

平成のSEALDSなんか、小さ過ぎて、温和過ぎて、比較にならない、

クライマックスには、国会を大群衆で取り囲み、東大女子学生・樺美智子嬢(偶然か、神意か、皇后陛下と同名)が圧死した、

戦後史上、左翼、護憲派反戦派が最も元気だった60年安保闘争

その1960年に、衆院選もあった。結果は?

  

1960年衆議院総選挙
改選数 467議席
自民党 296議席
社会党 145議席

 

日米安保条約強行採決した、自民党の圧勝だった。

 

安保闘争なんかどこ吹く風(笑)。

憲法9条なんて、大都市いや東京だけの贅沢なお話で、当時は圧倒的多数派であった田舎は、米ソの核ミサイルではなく、目の前のドンブリ飯が、お代わりできるか、1杯でガマンか、銀シャリか、麦メシか、で判断した。

戦後高度経済成長の追い風の中、有権者は、「安保反対」の社会党ではなく、「所得倍増計画」の自民党を選んだ。

この時、すでに、国民は憲法9条を捨てたのだ。

 

安全保障なんかで、選挙は、国政は、動かない。動いた歴史は過去一回もない。
全ての選挙は、全ての国政は、景気で動く。食えるか、食えないか、それだけ。

戦後だけではない、戦前だって、選挙を動かしたのは、戦争ではなく、景気だった。

 

平成の皆さんもご存知。

2009年、麻生自民党が惨敗し、鳩山民主党が圧勝したのも、憲法も安全保障も関係ない。ただ単に景気が悪かったからだ。

ネットでいくら「オレたちの太郎!」と書き込んでも、「ミンス売国!」と連呼しても、その影響力は「安保反対!」を叫んだ60年の全学連学生と同じ。

有権者は、右翼左翼ではなく、日経平均と銀行残高で、首相を選んだ。

2012年、野田民主党が惨敗し、安倍自民党が圧勝したのも、ミンスサヨクだったからではなく、民主党が景気を回復させることに失敗したからだ。さらに東日本大震災の打撃がとどめを刺した。

2009年と2012年、結果はサカサマに見えて、理由は同じ。景気の悪化である。

 

麻生さんも、野田さんも、無能というわけではなく、不運だった。

景気というのは、政権与党の有能無能だけでは決まらない。運不運が大きい。

アメリカの景気が良くなれば、日本の政権がチョンボでも、株価は上がる。

アメリカがダメなら、日本の首相が天才でも、景気はダダ下がりだ。

  

安倍政権が選挙に強いのも、外交や安全保障や憲法改正ではなく、幸運なことに、アメリカ経済の復活とタイミングがシンクロして、アベノミクスで景気が回復したからだ。

憲法を改正したければ、景気を良くするしかない。

景気が悪くなったら、憲法どころではない。安倍ちゃんの終わりだ。

安倍ちゃんは、それを、自分の人気の秘密を、よく解っている。だから、趣味の靖国参拝よりも、トランプよいしょと景気対策に全力を投入するのだ。

 

もちろん選挙は景気以外の理由でも動く。

しかし、景気以外の理由もしょせんは「ゼニ」でしかない。

70年代の三木、大平、中曽根は、一般消費税とロッキード事件で苦しんだ。

社会党土井たか子は、消費税とリクルート事件で勝利した。

自民党が惨敗した選挙は、不景気=ゼニか、増税=ゼニか、そして政権与党の金銭スキャンダル=ゼニだ。

 

何も日本だけの話でもない。

トランプさんが、内政・外交・スキャンダルであれだけ無茶苦茶でも、たまたまアメリカ経済が絶好調だから、平気なのだ。

韓国だって、朴槿恵姐さんが弾劾されたのは、韓国の景気、特に雇用問題・就職環境が悪すぎるのが一番大きな原因だった。景気さえ良ければ、あんなスキャンダルでもなんとか任期は全うできただろう。

 

日本は、憲法よりゼニ。安保よりゼニ。右翼よりゼニ。左翼よりゼニ。

こっちも、結局、同じ。

琉球も、平和よりゼニ。基地よりゼニ。

 

辺野古移設「反対だけど…」 名護市長選、有権者の思い - 沖縄:朝日新聞デジタル

2018年2月5日
 4日投開票された沖縄県名護市長選。名護市民はどんな思いで一票を投じたのか。
 会社員男性(44)は前回、前々回は稲嶺進氏、今回は渡具知武豊氏を選んだ。「基地はないにこしたことはない。ただ、稲嶺さんは基地問題に時間をとられすぎた」。子どもの学費や自宅のローンもあって生活はぎりぎり。土木業界の知人の会社も倒産した。「市長には経済の活性化に全力を挙げてほしい
 無職男性(60)は、辺野古移設に反対だが、渡具知氏に投じた。基地問題について語らない姿勢にもどかしさも感じたが「街の中心部も活気がない。停滞した雰囲気を変えたかった」。やはり渡具知氏を選んだ飲食業の女性(62)は米兵相手の商売もしており「生活がかかっている。基地が来るのはしょうがない。国からお金を持ってきて」。
 ホテル接客業、比嘉琢人さん(22)は初めての市長選。長女(1)が生まれ、保育料や給食費などが気になった。「あまり暮らしの改善がされていないと聞いた。一度市長を交代させてみるのもいい
 名護高校3年の中村健人さん(18)は公約を読んで友人とも議論。周囲には「基地があることで地元が豊かになるのでは」という意見が多かったが、沖縄戦を体験した祖父母が米軍の事件事故を心配していたことを思い出し、稲嶺氏に投じた。主婦(49)も基地問題を重視して、稲嶺氏。県内では一昨年、20歳の女性が殺害され、米軍属が逮捕される事件があった。「娘と同じ年。心配」
 無職男性(72)も稲嶺氏の姿勢を評価し「どんなに沖縄が抗議しても政府、アメリカの考えは変わらない。それでも反対し続けなければ、思うようにされてしまう」と話した。

 

翁長琉球総督、じゃないや、県知事が選挙で勝ちたければ、辺野古で粘りたければ、名護の、琉球の、景気を良くするしかなかった。

景気さえ良ければ、辺野古でも、普天間でも、翁長さんの思い通りだった。

名護の住民を含む琉球人は、いくら頭髪が怪しくても(笑)翁長さんを熱烈応援して、辺野古にも反対してくれたはずだ。

しかし、景気が悪ければ、辺野古のサンゴなんて、全滅しても構わない(笑)。

 

麻生さんや野田さんが、右翼とか左翼とかに関係なく、どんなに頑張っても、アメリカ経済次第で命運が決まったように、

翁長さんがいくら頑張っても、日本政府次第で、琉球の景気は決まる。

その日本政府は安倍ちゃんが握ってるわけで、経済を干し上げれば、翁長さんには、最初から、長期的には、勝ち目はなかった。

 

これは国政も同じ。

枝野立憲民主党の最重要課題は、憲法問題でも安全保障問題でもない。

景気、財政、金融、貿易、労働、少子高齢化社会福祉、長期的な経済政策である。というか、それだけ。

「安倍が、ファシストだろうが、中国共産党員の工作員だろうが、金星人だろうが、ロリコンだろうが、日経平均さえ上がれば、どうでもいい。」

という経済ガチンコな人々に「立憲」と書いてもらわないと、自民党を逆転できない。

逆にいえば、護憲だろうが、改憲だろうが、どうでもいい。安全保障政策がポンコツだろうが(笑)、経済政策が万全ならば、権力奪取のチャンスはある。

 

しかし、いかに頑張っても、チャンスはチャンスでしかない。実現へのハードルは高い。

たとえ、枝野さんがいくら素晴らしい政策を提示できたとしても、安倍ちゃんで景気が安定している限り、有権者政権交代なんていうギャンブルはしない。

2009年だって、もしも麻生さんで景気が良ければ、誰も鳩山民主党なんていうギャンブルはしてなかった。

野党が政権を握るには、政権与党が景気対策増税か金銭スキャンダルで失敗するか、運悪く、アメリカの株価が暴落したり、支那が経済恐慌を引き起こしたりするのを、じっとガマンで待つしかない。

 

非情に誤解を受けそうな表現になるが(笑)、野党は、特に経済面での、与党の失敗か、国際情勢が日本に不利に働くのを、つまり日本国民が不幸になるのを、待つしかないのである。

 

琉球に話を戻せば、

組織の締め付けがきつかっただの、公明党がフル回転しただの、

基地反対疲れだの、争点隠しだの、

泣き言はもう結構。

 

理由はどうあろうが、

翁長さんはハゲ、じゃねえや、負け、

安倍ちゃんは買った、じゃねえや、勝った。

選挙も、裁判も、民主主義は、辺野古を選んだ。

 

辺野古移設、首相「進めていく」 名護市長選の結果受け:朝日新聞デジタル

2018年2月5日
 安倍晋三首相は5日朝、沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場移設計画を事実上容認する新顔の渡具知(とぐち)武豊氏が現職の稲嶺進氏を破ったことについて「最も強いと言われている3選目の現職市長。破るのは難しいと思っていたが、本当に勝ってよかった」と述べた。首相官邸で記者団の取材に応じた。
 普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画については「市民の皆様のご理解をいただきながら、最高裁判決に従って進めていきたい。市街地に囲まれている普天間基地の移設についてはその方針で進めていきたい」と述べた。
 今後は「落ち着いた政治」を求めるとし、「教育や福祉や環境にしっかりと力を入れてもらいたいという市民の声に応えていってもらいたい。市長が公約したことは国としても責任をもって応援する」とも強調した。

 

というか、そもそも「普天間辺野古」は、橋本龍太郎小渕恵三野中広務などハト派だった自民党経世会が奮闘努力で決まった、日本政府としてはアメリカ相手に出来る限度一杯の政策だった。

当時の世論の評価も、普天間の危険が解消する「前進」だったのである。

しかし、民主党鳩山さんが「夢の続き」を見せてしまった(笑)。

ひょっとしたら、普天間だけでなく辺野古も、、、

しかし、それは、しょせん「夢」だった。

 

たとえ知性にやや疑問がある琉球人だろうが(笑)有権者である。

名護の有権者辺野古基地を選択した。

「ゼニをよこせ。そしたら基地はガマンする」それが地元の民意だ。

 

地元の民意を得た安倍ちゃんは正々堂々、辺野古の海を埋め立てるべきである。

 

賛成も反対もない。有権者が決めたんだから実行するのだ。

トランプに投票したから、嫌だろうが何だろうが、トランプが大統領なのだ。

EU離脱に賛成票を入れたくせに、後からイギリス人にグダグダ言わせない。

 

そういうつもりで投票したわけじゃないだの、

やっぱり翁長&稲嶺にしとけばよかっただの、

なんだか安倍ちゃんに騙されただの、

まさか本当にヘリコプターやオスプレイが墜落するとは思わなかっただの、

後出しジャンケンは許さない。

 

日韓慰安婦合意と同じで、最終的かつ不可逆的に(笑)、利益も、損害も、幸運も、不幸も、すべては名護の有権者が自分で選んだ未来だ。

 

仮想通貨が上がれば「億り人」、暴落すれば「線路の上」。

承知で買った人間の自己責任で自業自得である。

ギャンブルとはそういうモノだ。

今になって、コインチェックに騙された、なんて寝言泣き言を聞く耳はない。

 

反対派も、やるだけやって、負けたんだから、今回で諦めた方がいい。

普天間を取り戻せただけでもマシ。辺野古ジュゴンには泣いてもらおう。

負けてるのに、同じ方法で頑張っても無駄だし、どんどんダメになるだけ。

翁長も次回の知事選は下りた方がいい。潮時だ。

琉球のリベラル派も、もっと若い、優秀な人材を探すタイミングである。

 

琉球人が全滅するまで、政治というミュージカルはロングラン公演で続く。

 

主役が舞台でドジ踏んだんだから、配役オーディションから、脚本の修正から、演出のブラッシュアップから、やることは山ほどある。

それを、前回の演目がどうのこうの、客のマナーがどうのこうの、引きずってるヒマはない。

 

すぐに、次の幕は開く。お客さんは待ってくれない。

 

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