ポリティカル・コレクトネスも、行き過ぎると、
メディア・リテラシーを破壊するものだ、とよくわかるニュースである。
朝日新聞の記事を読んだ時、林芳正さんも、こういう趣味かと思った。
これくらいなら、まあ公用車でもいいじゃないか、なんでもかんでも、固いこと言うなよ、と思った。
でも、「鶏ガラのオッサン」ではなく、「むちむちのお姐ちゃん」だった。
インストラクター|渋谷・恵比寿のヨガスクール【PSY】出張も受付中
朝日新聞の記事はこれ。
林文科相、公用車で「ヨガ通い」 週刊文春が報道:朝日新聞デジタル
2018年4月24日
林芳正文部科学相が平日の昼間、公用車を使って都内のヨガ店を訪れていたことが明らかになった。25日発売の週刊文春が報じる。政府関係者は公用車を利用して店に行ったことは認め、「公務と公務の間なので、公用車の運用規則上は問題ない」としている。
週刊文春の報道によると、林氏は16日午後2時半ごろ、公用車を使って東京都渋谷区恵比寿のヨガ店に到着。約2時間過ごした後、待たせていた公用車に乗って帰ったという。
ヨガ店のホームページによると、店では女性インストラクターが一対一でヨガを指導した後、頭や手のマッサージを行う。タレントの経験がある女性が経営しているという。
しかし、ネタ元の週刊文春の記事はこれである。
林芳正文科相 公用車で白昼“セクシー個室”ヨガ通い | 文春オンライン
週刊文春 2018年5月3・10日号
林芳正文科相(57)が、平日の白昼、“キャバクラヨガ”と呼ばれる店に、公用車で出かけていたことがわかった。
週刊文春の取材によれば、4月16日14時半、林大臣を乗せた公用車は、恵比寿にある雑居ビルの前に到着。林氏はヨガスタジオに入り、2時間を過ごした後、待たせていた公用車に乗り込んだ。
店は、元AV女優が経営し、個室で元グラビアタレントや元キャバクラ嬢のインストラクターらが一対一でヨガを指導した後、オイルマッサージなどを行う。料金は男性客は1時間1万1000円なのに対し、女性は3000円。客とのLINE交換や食事、交際も認めており、テレビでは「キャバクラヨガ」として扱われていた。
朝日と文春では、印象がまるで異なる。
朝日の文章は、文春の記事から、血と肉をそぎ落として、漂泊して、キレイに骨組みだけにした文章である。
「ヨガ店」「女性インストラクターが一対一」「タレントの経験がある女性が経営」
朝日の記事から受ける印象なら、
女性インストラクターはインドのサリーでも着て、オープンスペースでヨガを指導して、経営者は元歌手か元女優である。
イメージはスポーツジムだ。
「キャバクラヨガ」「雑居ビル」「個室」「元グラビアタレントや元キャバクラ嬢」「元AV女優が経営」
文春の記事から受ける印象なら、
女性インストラクターは露出度の高い煽情的な衣装で、第三者から見えない密室で、ヨガ(らしき、男女間の肉体接触)を行い、経営者は元ポルノ女優である。
イメージは風俗である。
朝日の記事は、文春の文章に、勝手な虚偽は追加していない。
しかし、ここまで要素を削ったら、財務省の公文書改竄と同じである(笑)。
なんで、朝日はこんな「書き換え=改竄」をしたか?
といえば、ネタ元の文春が、セックス=売春をイメージさせる、露骨な「印象操作」だからだ。
たとえ、経営者が過去にAV女優を経験していたからといって、今の仕事もセックスをメシのタネにしてると決めつけるのは、完全に「職業差別」である。
朝日はリベラルだから、ポリティカル・コレクトネスを重視して、ネタ元から職業差別な部分を削った。
しかし、それが行き過ぎて、セックスを印象させる部分も全部なくなってしまったわけだ。
朝日の記事は、ウソは書いてないが、誠実かもしれないが、真実ではない。
さらに、この経営者が、本番行為コミコミの(いわゆる)AV女優だったかどうか?は微妙なようだ。
本番AV女優、ストリッパー、着エロ、グラビアアイドル、女性アイドル、
これらの商売に、デジタルな切れ目があるかどうかは微妙なところである。
確かに本番AV女優から女性アイドルまでの距離は遠いが、
着エロとグラビアアイドルの距離は限りなく近い。
さて最近、政界では、安倍ちゃん派、アンチ安倍派、を問わず、セックススキャンダルが花盛りである。
とはいっても、全部同じレベルではない。
「セクハラ」は、相手の同意がない時点で、「痴漢」「強制わいせつ」「強姦」に近似する(というか、ほとんど同じだ)。
山尾志桜里衆議院議員(立憲民主党)の場合は「不倫」「浮気」である。
「不倫」は、相手の同意がある。
ただし、利害を持つ善意の第三者の感情や信義則や人生設計を毀損する。つまり「契約違反」「詐欺」だ。
に近い。
相手に同意はある。
しかし、金銭を伴うセックス(および類似行為)は「売春」に該当する。
同じ官僚の頂点・事務次官のセックススキャンダルだが、
福田淳一財務省事務次官は、政治権力を利用した、相手の意思を無視した、セクハラ(強姦一歩手前)だが、
前川喜平文科省事務次官は、経済力を利用した、相手の意思を前提とする、売春行為である。
やはり、行為の悪質性に、上下・軽重はあるだろう。
林芳正文科相も、おそらくヨガ店で「本番行為」はやってないだろう。
ピーピング(女体観賞)とソフトタッチくらいがせいぜいだ。
前川喜平文科省事務次官も、出会い系バーの店内で「本番行為」はやってない。
お店では女性との会話だけである。
完全に本番行為をやっていた米山隆一新潟県知事の援助交際までは行かず、
前川喜平文科省事務次官も、性的な行為はしていないと否定している。
前川喜平文科省事務次官を批判している、安倍政権支持派は、林芳正文科相も批判しないとダブルスタンダードである。
林芳正文科相を批判するならば、アンチ安倍派は、前川喜平文科省事務次官も批判しないとダブルスタンダードである。
もちろん、売春は、女性差別であり、女性搾取だ。
しかし、それを言うのなら、家族制度そのものが、女性差別・女性搾取だ。
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それまで待ってられない。じゃあ、せめて、金銭を支払う形で、女性も利益を得る売春は、セクハラよりは、はるかにマシな方法なのである。
林芳正文科相の場合、公用車を使った使わないという話はあるが、
安倍ちゃんだって、会食の予約に「内閣総理大臣」の肩書を使って高級店を押さえているわけで、あんまり違いはないと思う。
頭脳明晰、品行方正、堅物のイメージだった林芳正さんも、ホントはけっこうユルユルの軟派だった、いや、お店の個室で肉体の一部分を「堅物」にしていた(馬鹿)、というのが判って、人間味が増したように思う(笑)。
才能・知性・人格という意味では、政界でも有数の貴重な人材である。
たとえば、和田政宗みたいな「論外」とは、比較するのも失礼な話で、林芳正さんへの侮辱になってしまう。
未来の首相候補として、今後に期待したい。
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