在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

《スポーツ形而上学》ボールゲーム(野球・ソフトボール)は、ボールゲーム(球技)ではない。

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ブズカシ

 

今週のお題「運動会とスポーツの秋」

はてなさん、お世話になっております。お題に参加します。

いわゆる「球技」とは、いったい、どんなスポーツなのか?

 

といえば、 球形の「タマ」を使ったスポーツである、、、といいたいところだが、例外がある。 

 

じゃあ砲丸投げも、タマを使うが、球技になるのか? 

もし砲丸投げが球技なら、槍投げも球技か? どっちも酷似したルールなんだが。 

 

新体操のボール演技も、タマを使うが、球技になるのか? 
タマを使うボール演技は球技だが、同じ新体操だがタマを使わないリボンや輪は球技ではないのか?

新体操は、球技になったり、球技じゃなかったり、するのか? 

 

通常、砲丸投げや新体操のボール演技は、槍投げやリボン演技と同じく、球技とは呼ばない。 
つまりタマを使っても球技でないスポーツもあるわけだ。 

 

テニスはタマを使う。しかしバトミントンのシャトルはどうみても球形ではない。

ではテニスは球技で、バトミントンは球技ではないのか? 

 

グラウンドホッケーはタマを使う。しかしアイスホッケーのパックは円盤であって球形ではない。

ではグラウンドホッケーは球技で、アイスホッケーは球技ではないのか? 

 

もっと極端な例だとポロがある。

ポロは、簡単に言えば、馬に乗ってスティックでタマを打ち合うホッケーだ。

このポロの起源といわれているのが、アフガニスタンの「ブズカシ」という競技だ。

一番上の写真をご参照。

ブズカシも馬に乗って、「あるもの」を奪い合うのだが、それがタマではなく、動物の山羊(現在は砂をつめた山羊の皮袋)である。もちろん山羊は球形ではない。

ではポロは球技で、ブズカシは球技ではないのか? 

  

通常、バトミントンもアイスホッケーポロも、テニスやグラウンドホッケーと同じく、球技とされる。 
つまり球形のタマを使わない球技もあるわけだ。 

 

さて、球技と呼ばれるスポーツの内、ゲーム中に、タマ(球形とは限らない)は何個使うだろうか? 

パッと思いつくのは、サッカー、テニス、バスケ、バレー、、、1個のみ、である。 

しかし複数のタマを同時に使うスポーツもある。 ゴルフとボウリングだ。 

 

ゴルフやボーリングの複数あるタマは、サッカー、テニス、バスケ、バレーの1個しかないタマとどう異なるのか? 

サッカー、テニス、バスケ、バレーの1個しかないタマは、所有者が決まっていない。そのタマを競技者同士で奪い合う。 

しかし、ゴルフやボウリングの複数あるタマは、所有者が初めから最後まで決まってるし、途中で所有者は変わらない。そのタマを競技者同士で奪い合わない。 各競技者がそれぞれ独占的に所有するタマである。

Jリーグ浦和対鹿島戦で使われるタマは、浦和の所有物でも鹿島の所有物でもない。試合中、タマ所有者は固定されていない。 

タイガーウッズのタマは、試合が終わるまで、ずっと、タイガーウッズのタマである。対戦相手のタマになったりしない。

 

つまり、サッカー、テニス、バスケ、バレーなどの1個しかないタマと、ゴルフやボウリングの競技者の数だけある複数のタマは、その存在する意味が異なるのだ。

ゴルフやボーリングのタマは「競技者の道具」であり、野球でいえば、タマではなく、バットやグローブに当たるモノなのだ。 

言い方を変えれば、 ゴルフやボウリングには、「球技としてのタマ」が存在しないのである。

ゆえに、タマを使うゴルフやボーリングは、タマを使うが砲丸投げや新体操が球技ではないのと同様に、タマを使うが球技ではない、と私は考える。 

 

逆にいえば、球技というスポーツは、ただ1個の誰のモノとも決まってないタマ(球形とは限らない)を、競技者間で奪い合うスポーツということだ。 

だから、アフガニスタンのブズカシも「山羊という形をしたタマ」を奪い合う球技である。

 

整理すれば、

球形のタマを使うスポーツでも、砲丸投げ、新体操、ゴルフ、ボーリングのように、球技に該当しないスポーツはある。

球形のタマを使わないスポーツでも、バトミントン、アイスホッケー、ブズカシのように、球技に該当するスポーツもある。

 

さて、どうして球技においては、競技者がタマを奪い合うかといえば、タマを支配している側が、得点のチャンスが近いからだ。 

通常、タマを支配している側を「攻撃側」とし、支配してない側を「守備側」とする。

そして当然ながら攻撃側が競技の主導権を持つ。主導権を持つ攻撃側のアクションに対し、原則として、守備側はリ・アクションしか出来ない。当然、攻撃側に得点のチャンスが大きい。

 

これで、サッカー、テニス、バスケ、バレーなどなど 、ほとんど全ての球技に該当する定義になる、、、のだが、ここにもまた例外がある。

 

野球やソフトボールである。 

 

野球やソフトボールは、サッカーやテニスなど他の球技とは反対に、タマを支配しているピッチャーのほうが「守備側」で、支配してないバッターのほうが「攻撃側」なのだ。

そして、タマを支配する守備側が競技の主導権を持つ。主導権を持つ守備側のピッチャーのアクションに対し、原則として、攻撃側のバッターはリ・アクションしか出来ない。 

しかし、タマを支配しているピッチャーに得点のチャンスはなく、タマを支配してないバッターにだけ得点のチャンスがある。 

 

サッカーやバスケなら、出来るだけタマを支配する時間を増やしたい。それが得点に繋がるからだ。 

野球やソフトボールでは、タマを「支配しない」時間が長ければ長いほど、得点のチャンスが広がる。 

まあ、ピッチャーがバッター・ランナーを3人倒す、試合全体で計27人を倒す攻撃側、だと考えることも出来るが、勝敗を決めるのは、アウトの数ではない。 

バッターも、ピッチャーからタマの支配権を奪おうとしてるというより、守備側のタマの支配を妨害しようとしている、といったほうがイイのかもしれない。 

 

はてさて、タマを奪い合わない野球やソフトボールは、果たして、球技に該当するのだろうか?

タマを使っていても、砲丸投げ、新体操、ゴルフ、ボウリングが球技ではないように、

野球も、タマを使っているだけで、システム上は、球技ではない、のではないか?

 

てなことを、私は考えたりする。まあ、基地外である(笑)。残りは次の機会に。