日本版予告篇 / 薔薇の名前 (ショーン・コネリー) - YouTube
よく、日本人は英語が苦手、とか言われるがウソだ。
だって、アンジェリーナ・ジョリー監督映画「アンブロークン」を批判してる日本人(日本語使用者)がネットにたくさんいるからだ。
まだ日本で公開してない映画を批判してるということは、わざわざ飛行機で太平洋を渡ってアメリカの映画館で見た日本人が何千人もいることになる。
まさか、違法ダウンロードか? 支那人じゃあるまいに、こんなにたくさんの日本人が犯罪(映画ドロボー)を犯すわけは無かろう。
アメリカへ行って映画館で見たとしても、万が一違法ダウンロードで見たとしても、映画「アンブロークン」を批判している日本人は、まだ日本語訳の付いていない2時間もの映画を、実際に見て、内容を理解したから、批判しているに違いない。皆さんは英語に堪能である。私は無理だ。
まさか、見てもいない映画を批判するわけがないじゃないか。
それじゃ、近代史も知らないくせに、日本を批判する韓国人と同じレベルである。
どうやって内容を知ったのかは解らないが、映画「アンブロークン」の内容が気に入らないらしい日本人が日本公開に反対しているそうだ。
そう主張をする人は、ソニーピクチャーズの北朝鮮を題材にしたコメディ「ザ・インタビュー」に対しては、どういう態度なのだろうか?
私は「ザ・インタビュー」をまだ見てないが、内容はコメディで、予告編を見る限り、「現実にあったこと」ではなく、フィクションのようだ。
「金正恩は現実にそんなことをやっていない!言ってない!こんなデタラメな映画を公開するな!」という北朝鮮政府の主張は正しいのか?
Yahoo!ニュース - 風刺週刊紙で銃撃、12人死亡=大統領、テロと断定―イスラム過激派の犯行か・パリ (時事通信)
フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブドのパリの本社に7日午前11時半(日本時間午後7時半)ごろ、覆面をかぶった複数の武装犯が押し入り、職員らを銃撃した。仏メディアによると、警官2人と編集長、風刺漫画担当記者ら計12人が死亡、約20人が負傷した。
Yahoo!ニュース - [写真特集]仏紙銃撃12人死亡…「私はシャルリー」 世界各地で追悼集会(Yahoo!ニュース)
言論の自由を守れ! 私はシャルリーだ!
在日韓国人を馬鹿にしてはいけないのならば、
アラーだって馬鹿にしてはいけないのではないか?
大日本帝国皇軍の捕虜虐待を描いたらしいアンジェリーナ・ジョリーの表現の自由、そしてその映画を日本語字幕付きで映画館で見たい日本人の権利はどうなるのか?
言論の自由を守る、表現の自由を守る、というのは、自分に都合のいい、自分が気持ちいい、そういう言論や表現だけを守ることではない。嫌いな言論、気に入らない表現を守ることなのだ。
ゆえに自由を主張するならば、
Je Suis 在特会!
Je Suis アンジェリーナ・ジョリー!
と、【同時に】、主張しないとウソである。
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神を笑った雑誌は許せない! 預言者を笑った編集者は許せない!
別にイスラムだけの話ではない。中世ヨーロッパのキリスト教世界にもあった話である。
ウンベルト・エーコのベストセラー思想ミステリを映画化した「薔薇の名前」の主題はまさに「キリストは笑ったか?」という神学上の対立にある。
舞台であるシトー派修道院の盲目の図書館長は笑いを禁じる。
「修道士に笑いは禁物だ!!」
主人公のフランチェスコ会の唯名論者(ショーン・コネリー)は反論する。
「聖フランチェスコは笑いを認めておられた」
「笑いは人の顔を歪め、猿のようにしてしまう!!」
「猿は笑わない。笑うのは人間だけだ。」
「キリストは笑わなかった!! キリストが笑った、という記録は無い!!」
「キリストが笑わなかった、という記録も無い。」
なぜ笑いを禁じるのか?
笑いを許せば、キリストを笑うこと、神を笑うことも、許すことになるからだ。
神を笑えば、信仰は崩壊する。
中世から21世紀まで、対立はなんら解消していない。
そして、キリストを殺し、アラーをムハンマドを殺し、言論の自由を主張する近代にも「神」はいる。
フランス革命で誕生した「人権思想」という神が。
近代社会で、人種差別、民族差別、障害者差別、女性差別、同性愛差別が忌避されるのは、それが近代の信仰=人権思想への攻撃だからである。
神に科学的根拠がないように、人権にも科学的根拠はない。
形而上的存在、要は、「妄想」「イデオロギー」である。
神を笑えば、信仰が崩壊するように、
人権を笑えば、近代が崩壊するのである。