在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

万里の長城VS京杭大運河~「日没する処の天子」隋の煬帝が、聖徳太子の「日出ずる処」に復讐する。

※2015年7月4日の日記だが、おそらく何年何月何日でも通用する話である。

 

「政治」と「経済」は、よく似た分野に見えるが、「勝敗の付け方」が、全く異なる。言い方を変えれば、「戦争」と「商売」は、仕組みが正反対である。

 

東京やNYに飛び火も? 中国株、大幅下落止まらず…バブル取引があだに (SankeiBiz) - Yahoo!ニュース

この間、中国当局は利下げや取引規制緩和などてこ入れ策を矢継ぎ早に打ち出したが、効果は限定的だった。市場は底の見えないバブル相場崩壊への警戒を強めている。

 

このニュースを「支那経済崩壊だ(^^)!」と、喜んでいる日本人は、基本的に《馬鹿》だ。

経済が解ってない、ということは、おそらく政治も解ってない。

 

仮に、AとB、2つの国があったとして、

 

確かに、政治=戦争の分野では、「Aの成功」は「Bの敗退」を意味し、「Aの失態」は「Bの利益」を意味することが多い。例えば、世界遺産をめぐる日韓口喧嘩。

 

しかし、経済=商売の分野では、「Aの好景気」は「Bの好景気」に連動し、「Aの不景気」は「Bの不景気」に直結する場合が多いのだ。

 

政治=戦争の世界は、いわゆるゼロサムゲームというやつだ。

経済=商売の世界は、いわゆるWIN-WINというやつだ。

政治や戦争にWIN-WINはほとんどないが、

経済や商売はほとんどがWIN-WINの関係である。

 

支那人が金を儲けて、日本旅行で爆買いしてくれるから、日本の商売人は潤ってる。もし、支那人が貧乏になれば、日本に旅行しないし、爆買いもしない。日本の小売業も観光業も旅行業も干上がる。下手したら倒産だ。

韓国のサムソンが製品を増産すれば、サムソンは日本から部品を買い、日本の素材産業のサラリーマンのボーナスが増えるのだ。

 

もちろん、南シナ海の埋め立てで、支那チョンボをすれば、日本の利益である。

しかし、上海の株が暴落すれば、兜町も暴落する。

 

週明け以降も中国株の相場下落に歯止めがかけられなければ、東京やニューヨークなど海外市場にも飛び火しそうだ。

 

政治と経済は構造が全く異なるのである。

 

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支那の歴史的建造物で一番有名なのは、万里の長城であろう。

支那のシンボルである。それが徐々に崩壊しているらしい。

 

CNN.co.jp : 明朝時代の「万里の長城」、3分の1が消失 - (1/2)

(CNN) 中国紙・京華時報はこのほど、明王朝の時代に建設された「万里の長城」の約3分の1が、自然現象や人為的な破壊によって消失していると伝えた。

 

万里の長城が崩壊するのは、その政治的・戦争的メリットがほとんど失われているからである。実際、万里の長城は21世紀の戦争にはほとんど無意味だろう。だから崩壊するのだ。もし今でも役に立ってるなら、支那人が必死でメンテナンスするはずで、崩壊はしないのだ。

 

確かに、支那で一番有名な建造物は万里の長城だけど、真の意味で支那で最も重要な建造物は万里の長城ではないと思う。

支那の歴史を本当に変えたのは、万里の長城ではなく、「京杭大運河」だろう。

 

中華王朝の隋といえば、聖徳太子の遣隋使で有名だが、王朝自体は短命に終わる。その原因の一つが壮大な土木工事京杭大運河」建設にある。

 

歴史上、支那の中心であり、北方遊牧民族のたび重なる侵略を受け続けて、主人公が変わりつけた、黄河流域の「華北」。

歴史の表舞台に登場するのははるか遅れるが、穀倉地帯であり、後に支那経済の中心に発展する、長江下流の「華南」。

この、歴史も違えば、言葉も違い、実は民族も違う、2つの地域が現在「オレたちは支那だ」と一体化したアイデンティティを持っているのは、交流や流通が容易になったからだ。

その大きな一歩が、隋の文帝・煬帝がやった黄河と長江をつなぐ大インフラ「京杭大運河」である。

 

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さすがにこの大工事の負担はすさまじく、そのせいもあって隋王朝は崩壊するが、これで支那経済は大きく発展し、その恩恵で繁栄したのが次の大唐帝国である。

支那史を見れば、最初から統一帝国だったわけではなく、分裂している歴史も長い。孔子の春秋戦国も、みなさん大好きな三国志も、分裂の時代だ。

実は運河を掘った隋は支那大陸で久々の統一帝国であり、その前の安定政権は、短期の統一を除けば、約360年前の後漢まで遡る。後漢崩壊後、皆さんご存知三国志の時代、五個十六国、南北朝と、安定した統一帝国は無かった。

しかし隋唐以降は、分裂がないわけではないが、分裂期間は徐々に短くなり、統一王朝の時代が長くなった。

その経済的要員の一つが、京杭大運河だろう。

 

地域がバラバラだった支那が京杭大運河で統一した巨大市場となった。

例えるなら、支那版の「ユーロ」といってもいい。

 

万里の長城京杭大運河、どちらも壮大な建造物であるが目的は違う。

万里の長城は、まさに政治的・戦争的建造物だ。

京杭大運河は、まさに経済的・商売的建造物である。

 

今、巨大な中華人民共和国が成立しているのも、万里の長城のお陰よりは、京杭大運河の賜物だろう。

(実在しなかったらしいけど)聖徳太子が、「日没する処の天子」と呼んだ、隋の煬帝こそが、21世紀の日本やアメリカを悩ませてる巨大な競争相手の生みの親というわけだ。

 

「日没する処の天子」が、1400年の時を経て、「日出づる処」にリベンジを挑んでいるのである。

 

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