※ 2015年07月11日の日記である。
2016年の聖上生前退位綸言よりはるか前に書いた。
今回、表題の「安保法案」を「憲法改正」に改題した。
下記の「安保法案」を、「憲法改正」と、読み替えていただいても、意味は通る。
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八月某日
一、天皇陛下 陛下の側近は国民を圧する漢奸で一杯でありますゾ、御気付キ遊バサヌデハ日本が大変になりますゾ、今に今に大変なことになりますゾ、
二、明治陛下も皇大神宮様も何をしておられるのでありますか、天皇陛下をなぜ御助けなさらぬのですか、
三、日本の神々はどれもこれも皆ねむっておられるのですか、この日本の大事をよそ忙しているほどのなまけものなら日本の神様ではない、磯部菱海はソンナ下らぬナマケ神とは縁を切る、そんな下らぬ神ならば、日本の天地から追いはらってしまうのだ、よくよく菱海の言うことを胸にきぎんでおくがいい、今にみろ、今にみろッ。八月某日
竜袖にかくれて皎々不義を重ねてやまぬ重臣、元老、軍閥等のために、いかに多くの国民が泣いているか。
天皇陛下 この惨タンたる国家の現状を御覧下さい、陛下が、私どもの義挙を国賊叛徒の業とお考えあそばされていられるらしいウワサを刑務所の中で耳にして、私どもは血涙をしぼりました、真に血涙をしぼったのです。
陛下が私どもの挙をおききあそばして、「日本もロシヤのようになりましたね」と言うことを側近に言われたとのことを耳にして、私は数日間気が狂いました。
「日本もロシヤのようになりましたね」とははたして如何なる御聖旨かにわかにわかりかねますが、何でもウワサによると、青年将校の思想行動がロシヤ革命当時のそれであるという意味らしいとのことをソク聞した時には、神も仏もないものかと思い、神仏をうらみました。
だが私も他の同志も、いつまでもメソメソと泣いてばかりはいませんぞ、泣いて泣き寝入りは致しません、怒って憤然と立ちます。
今の私は怒髪天をつくの怒りにもえています、私は今は、陛下をお叱り申し上げるところにまで、精神が高まりました、だから毎日朝から晩まで、陛下をお叱り申しております。
天皇陛下 何というご失政でありますか、何というザマです、皇祖皇宗におあやまりなされませ。
民主主義は安倍ちゃんを選んだ~ #SEALDs は反戦平和のために民主主義を捨てられるか? - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
平和憲法というけれど、日本国憲法において、戦争の話は9番目(9条)でしかない。
1番目(1条)ではないのだ。1番目(1条)は「天皇」である。
そして、戦前も同様、大日本帝国憲法の1番目(1条)は「天皇」である。
実は、これも、戦後憲法の9条同様、現実の政治、世界情勢から見れば、明らかに無理があった。
巨大な近代国家を君主個人で動かすこと(親政)は現実として不可能。
結局、官僚と政治家が実権を握る。日本の場合は、憲法上の規定も何もない、超法規的存在・明治維新の功労者・元老が最終決定者であった。
タテマエ(顕教)では天皇親政、実際(密教)は元老と官僚と軍人の仕切り。
元老たちの個人裁量でなんとかやりくりしてきた戦前日本も、元老たちの寿命と共におかしくなっていく。これじゃマズイということで、現実の政治の追認・公認(密教の顕教化)が図られた。
「天皇だって国家を超越した絶対者ではない。トップではあっても国家組織の一部門として、内閣や議会や軍部と連携して政治を行う機関である」、、、天皇の立憲君主化、それが「天皇機関説」である。
戦後の「たしかに憲法は戦争放棄だけど、現実としては自衛隊は必要だ」とよく似ている。「自衛隊合憲説」、これが戦後日本の「顕教・密教」体制である。
日本国憲法9条のタテマエ(顕教)を無理やり実現すれば、「非武装中立」しかないように、
大日本帝国憲法1条のタテマエ(顕教)を無理やり実現すれば、どうなるのか?
その無理なタテマエを現実化する「社会実験」をやらかしたのが、あの二・二六事件だ。
その悪魔的プランナーが、
「オレも天皇」つまり「天皇の根拠ってナニ?」と言い出した、平安の平将門、
「南朝だの北朝だの、天皇制って邪魔じゃね?」と喝破した、室町の高師直、
実際に摂政宮東宮(後の昭和天皇)を狙撃した、大正の難波大助、
と並ぶ、日本朝敵四天王(笑)の一角「法華経の魔人」昭和の北一輝である。
第十一條 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス
魔人北一輝曰く「不磨の大典・帝国憲法によれば、陛下、貴方が、貴方だけが、この神国の絶対君主・帝国陸海軍の統帥者です。不肖われわれが、親政と統帥権を邪魔してきた君側の奸・不忠者は排除しました。さあ陛下、見事、1条のある通り親政をお願いします。11条にある通り統帥権を行使してください。」
魔人による、天皇本人を含め政務関係者は誰も信じていないタテマエの押し売り。
それが可能だったのは、明治維新以降、国家が帝国臣民にタテマエは真実だ!絶対だ!と徹底して教え込んでいたからだ。
「アンタたちが今の今まで、さんざん『1+1=3』と教えてきたんじゃないか。だから実際に『1+1』を『3』にしてもらおうじゃねえか(笑)」
昭和天皇にとって、共産党よりも、マッカーサーよりも、北一輝の方が危険だったのだ。
もし、この事態に、昭和天皇が、判断を政府に一任して、行動を放棄したら、それは親政放棄、統帥権放棄であり、1条、11条違反であり、大日本帝国憲法の破産であった。
しかしさすが昭和天皇、誰も正面きって文句の言えない「尊王忠君」をタテマエとした、北一輝の「不忠大逆」の奸智を見逃さなかった。
朕ガ股肱ノ老臣ヲ殺戮ス、此ノ如キ凶暴ノ将校等、其精神ニ於テモ何ノ恕スベキモノアリヤ
朕ガ最モ信頼セル老臣ヲ悉ク倒スハ、真綿ニテ朕ガ首ヲ締ムルニ等シキ行為ナリ
朕自ラ近衛師団ヲ率イテ、此レガ鎮定ニ当タラン、直チニ乗馬ノ用意ヲセヨ綸言@二・二六事件
「よし、オマエのいう通り、朕は統帥権者である。よって自ら近衛師団を率いて、魔人を撃つ!」
この瞬間、北一輝の壮大なロマンは終わる。
陛下自身が信じていないタテマエをちゃんと演じきってみせた、昭和天皇の逆転サヨナラ勝ちであった。
しかし、これは「禁じ手」であって、その後「天皇親政はタテマエじゃなくて真実だったんだ!」という(半分以上、意図的な、故意の)思い込みが、日本と軍部に広がり、もはや大日本帝国の暴走は(天皇を含め)日本の誰にも止められなくなる。
止めたのは、大日本帝国憲法の「外部」に存在したアメリカであった。
「法華経の魔人」に続いて2回目の二・二六事件「ポツダム宣言」に追い詰められた昭和天皇は、2度目の天皇親政「日本のいちばん長い日」を決行する。
結果論として、北一輝は本当に負けたのか?、何とも言えない。
魔人対聖上、この昭和のシェイクスピア悲劇(喜劇?)から、平成のSEALDsは何を学ぶか?
もしあなたが安保法案に反対ならば、
首相官邸の安倍ちゃんなんか無視すればいいのだ。
国会議事堂の自民党なんぞスルーするべきである。
オマエラ、下っ端に用はない。
われわれは、一天万乗の君の御前にて赤心を言上するのだ。
SEALDsが向かうべきは、永田町ではなく、同じ千代田の1番1号である。
常に国民を想い、平和を願う、天衣無縫の陛下の御慈悲におすがりするのだ。
かける声は「安保法制反対!」でも「安倍政権倒せ!」でもない。
そんな下品な掛け声は失礼だ。
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
とみんなで憲法1条と9条を何度も何度でも朗読するのである。
最後は「天皇陛下万歳」だ。
陛下、ご聖断を、大御心を我らにお示しください・・・「平成二・二六事件」だ。
もし警察から妨害があったら「陛下をお慕いするのを邪魔するのか?この国賊!」と面罵すればいい。
もし産経新聞が批判したら「じゃあ、ナニか? 陛下が世界と日本の平和を願っていない、とでも言うつもりか? 陛下が戦争を許すと思うのか? この不忠者!」と天誅を加えればいい。
もし仮に、陛下が無言のままだったら、陛下は安保法制と集団的自衛権、つまり日本人がもう一度海外で戦争をすることを黙認したのだ。それが大御心である。
天皇制と戦争がもう一度合体するのだ。畏れ多いが、次の戦争も、聖上に御責任を持ってもらうことになる。
戦後70年隠してきた、日本国憲法第1条と9条の矛盾、戦後日本の「顕教・密教」体制の崩壊である。
もしも、陛下の言動に変化が生じたら、御自ら「憲法」の二文字を口にされたら、安倍ちゃんと自民党は大逆不忠の徒に堕し、いくら選挙に勝とうが、精神的正統性は失われる。
もちろん、これは二・二六事件と同じく「天皇親政」であり、日本国憲法の精神の否定であり、民主主義の否定であり、国民主権の否定だ。
北一輝と同じく、日本を滅ぼす「悪魔の奇手」である。
天皇制の「戦後」が終わるか、安倍政権が崩壊するか、
成功しようが、失敗しようが、どっちにしても、日本は曲がり角を曲がる。
はたして、不戦のためなら、メフィストフェレスに魂を売り渡せるか?
皇室典範こそ最悪の不敬大逆。畏れ多くも皇位に口を出す凡下ども。皇位継承はただただ大御心のみ。 - 在日琉球人の王政復古日記