武藤さんに限らず、前々から納得いかない。
賛否は別にして、
アメリカとのTPPに反対の人が、アメリカとの安保法案・集団的自衛権に反対なのは、納得できる。
アメリカとのTPPに賛成の人が、アメリカとの安保法案・集団的自衛権に賛成なのは、整合性が取れている。
しかし
アメリカとのTPPに反対の人が、アメリカとの安保法案・集団的自衛権に賛成だったり、
アメリカとのTPPに賛成の人が、アメリカとの安保法案・集団的自衛権に反対だったりするのは、
いったい、どういう理屈なのか?
武藤貴也その2~砂川判決の田中耕太郎VS「裁判所万能論」を廃す。 - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
武藤さんは、基本政策でTPPに反対である。
で、安保法案・集団的自衛権には賛成だ。
「国民に課せられる正義の要請」|武藤貴也オフィシャルブログ「私には、守りたい日本がある。」Powered by Ameba
つまり、「SEALDs」の方が仰る「だって、戦争に行きたくないもん」という自分個人だけの感情で、今議論されている平和安全法制に反対するのは、田中最高裁長官の言うように「真の平和主義に忠実なものとは言えない」と私も考えます。
誰もが戦争に行きたくないし、戦争が起こって欲しいなどと考えている人はいないと思います。しかし他国が侵略してきた時は、嫌でも自国を守るために戦わなければならないし、また世界中の各国が平和を願い努力している現代において、日本だけがそれにかかわらない利己的態度をとり続けることは、地球上に存在する国家としての責任放棄に他ならないと私は考えます。
「日本の国益だけが重要だ。支那朝鮮から日本の領土を守るために、安保法案・集団的自衛権は必要なんだ。他の国、アジアやアフリカの名前もわからないような地域や人間がどう殺し合おうがどうでもいい。」
これくらいゴリゴリのエゴイズムならば、まだ理屈は通る。
そういう人なら「何が何でも、日本のコメと牛肉と豚肉は守る! 工業製品は工業製品でダンピングしてでも売りまくれ! 国際協調だの貿易の自由化だの、そんなもんは知らない!」と放言しても納得できる。
しかし、上記にあるように「また世界中の各国が平和を願い努力している現代において、日本だけがそれにかかわらない利己的態度をとり続けることは、地球上に存在する国家としての責任放棄に他ならないと私は考えます。」とまで、グローバルでインターナショナルな態度ならば、なんで、TPPに反対なのか?というか反対できるのか?
自国の安全・防衛・平和だけでなく、他国の安全・防衛・平和も関心を持つ。
安全保障、国際平和でそれくらい国際協調を考えるのならば、
自国のコメ・食料・農家だけでなく、他国のコメ・食料・農家も関心を持つ。
自由貿易、国際経済でも同じぐらい国際協調を考えないとおかしいじゃん。
世界にいる日本人は、各国の軍隊や警察組織によって守られています。そして岡本氏が述べているように、日本では全く報道されていませんが、日本人を守るために命を落とした外国人もいます。「みんながみんなを守りあっている」ときに、日本が、しかも日本人自身の安全に、我関せずという態度をとり続けることは、日本人の命と財産を守るリスクと負担を他の国に押し付けるということを意味します。
日本人のために外国人の命が犠牲になることもある。
だから、日本も外国のために危険を犯す覚悟が必要だ。
だったら、
日本の自動車産業のためにアメリカの自動車産業が犠牲になることもある。
だから、日本のコメ農家もアメリカの食料輸出産業のために危険を犯す覚悟が必要だ。
になるはずでしょう。
日本人は自分の安全ばっかり考えないで、世界の平和も考えないと。
日本人は自分の利益ばっかり考えないで、世界の経済も考えないと。
もちろん、逆でもいい。
「日本人には日本のコメが大切だ。そこは譲れない」ならば、「日本人の命がなにより大切だ、どういう理屈だろうと戦争には関わりたくない」というSEALDsの主張と何が違うのか?
国際国際、グローバルグローバルと書いてきたが、ぶっちゃけいえば、
TPPは、アメリカとのTPPであり、
安保法案・集団的自衛権は、アメリカとの安保法案・集団的自衛権である。
どっちも、事実上は「日本は、アメリカとどこまで仲良くするか?」ということである。
TPPとは、経済版「安保法案・集団的自衛権」であり、
安保法案・集団的自衛権は、軍事的「TPP」だ。
日本のコメは守るけど、自衛隊員の人命は守らないのか?
武藤貴也その4~武士道精神、徳、勤勉、正直、誠実、勇気、謙虚、滅私奉公、日本人的価値観、ブルーリボン。 - 在日琉球人の王政復古日記