【ラグビー】元代表平尾さん、セクシールール解説に怒りの声 (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
2015/8/23(日)
ラグビー元日本代表の平尾剛さん(40)=神戸親和女子大講師=が23日、ラグビーW杯イングランド大会(9月開幕)を中継する日テレの公式サイト内にある水着女性によるルール解説の動画について「ラグビーをばかにするにもほどがある」とツイッターで痛烈に批判した。
動画は「セクシー☆ラグビールール」として、ラックやモールなどのルールを解説。女性の胸などが強調される場面もある。動画を見たという平尾さんは「憤りを通り超し、落胆の域まで達しています」とし「ラグビーを鼻で笑われ、唾を吐きかけられた気持ちになっています」とつづった。
日テレ側の問題点。
まず発想も映像も「まるパクリ」である点。
上記の白人女性の動画は、LYNXという海外の男性用化粧品会社のCMだが、どうみても、これを知ってる日テレのスタッフがまんまパクってパロディで作ったものにしか見えない。
LYNX側に許可を取ったとも思えないんで、こんなのLYNXが訴えたら完全にアウトだろう。
テレビ屋のプライドなんてもんがあるのかどうか知らないが、オリジナリティは全然無いわな。
次にラグビーワールドカップ公認サイトであるという公共性の軽視。
LYNXのセクシーCMは、ラグビーの試合や協会の公式スポンサーでもなんでもない立場の、ただの私企業が商売で勝手に作ったものだ。女性蔑視だろうが、セクハラだろうが、金儲けでやってることである。まあボーダーラインはあるだろうが、ある程度は自由だ。
しかし、日テレはラグビー協会公認の公式サイトなわけで、公共性や品位が要求される。女性蔑視やセクハラはダメだろう。それなのに、いくらなんでもジェンダー的に完全アウトなCMを、まんまパクって、サイトに掲載したら、そりゃアウトである。
たとえば、オホーツクの海図の上で、白人と日本人の巨乳モデルが取っ組み合いをしてる動画を、日本政府が「北方領土返還」関連のサイトにアップしたら、個人的には是非見てみたいが(笑)、世間一般は歓迎しないわな。
日テレのスタッフが自分たちの公共性を自覚してなかったということだ。
逆に、ラグビー側の問題点。
「憤りを通り超し、落胆の域まで達しています」
「ラグビーを鼻で笑われ、唾を吐きかけられた気持ちになっています」
私は門外漢なんで、「平尾剛」という人物がどういうレベルの人なのか、プロ野球でいえば、イチローみたいな立場か、巨人の原監督のような立場なのか、不案内だが、この人がラグビーに人生を賭けてきたことはよく判る。
が、日テレのスタッフは、別に、ラグビーに人生を賭けてないし、そもそもラグビーが好きでもなんでもない。仕事としてやってるだけだ。
ラグビーも、お涙頂戴ドキュメンタリーも、お下劣なお笑いも、テレビ商売としては同じである。
で、ラグビー素人のテレビ屋さんが、ラグビーという素材を渡された時、「こりゃ、野球ほどポピュラーじゃないし、サッカーほど簡単じゃないし、一見さんには判りにくいスポーツだな」と感じたのは、素直な話だろう。
で、彼らは、彼らが普段やってるやり方で、そこを解決しようとしたのである。
彼らは、ラグビーを特別に馬鹿にしてはいないだろう。特別にリスペクトもしてないが(笑)。バカを泣かせる人情話をでっち上げたり、グラドルのスケベな半裸を撮影するのと同じレベルで、ラグビーに向き合っただけの話だ。
判り難いラグビーを判り易く、ここまではラグビー関係者も考えてるだろうが、
それ以前に、興味もないラグビーに興味を持ってもらう、のが難しいのである。
ここがテレビ屋の腕の見せ所であって、興味もない人にルール解説を見てもらうには、「オッパイ」が必要だったわけだ。
平尾さんは怒るけど、じゃあ、オッパイ抜きで、具体的にどうやって、ラグビーを世間一般に広めよう、広めることができる、と考えているのだろうか?
平尾さんはどうか知らないが、私はアゼルバイジャンの伝統料理に興味はない。
しかし、駐日アゼルバイジャン大使館から「どういうやり方でもいいから、日本の皆さんにアゼルバイジャンの伝統文化を知ってもらいたい」と番組制作を依頼されたら、
発想が貧困な私としては、山羊乳のチーズや変な香辛料と一緒に、アイドルかグラドルに露出度の高いエプロン姿でキッチンに立ってもらうだろう。
普段は料理なんかしたことがない彼女たちの作ったモノが、アゼルバイジャンの長老が怒り出しそうなレベルでも、それでネットの有象無象が話題にしてくれれば、ある程度目的は達成できるのである。
マジメな話、一番問題なのは、ラグビーのルールがサッカーより難しく、ラグビーがサッカーよりマイナーであることだ。
そこを突破するために、オッパイを使ったテレビ屋は、安易だったとは思うが、依頼された仕事の手抜きはしていないのだ。
今回怒ったラグビーファンとラグビー関係者は、オッパイ抜きで、ラグビー人気をどうするつもりなのか?、別の対策を出すべきである。