これらのニュースこそが、日本における「ヤクザ」という社会的存在の「全て」といっていいかもしれない。
<山口組>分裂へ 「山健組」など脱退 新組織を結成か (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
2015/08/27
また、山健組側は警察当局に対し、山口組からの離脱と新組織結成の意向を既に伝えた。
<神戸山口組>離脱グループが新組織、「任俠団体山口組」で (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
2017/4/30(日)
「決意表明」の取材は雑誌と新聞などの各社1人に制限。質問は受け付けず、カメラマンやテレビ局の記者は参加できなかった。事務所3階の大広間で、幹部ら6人と記者17人が畳の上に座り、対面する形で進められた。
日本以外で、こんな報道は、まず珍しい。というか日本以外にあるのだろうか?
警察に届け出る反社会的勢力、
マスコミの取材を受ける反社会的勢力、
ってナニ(笑)?
アメリカのマフィアが、
イタリアの元祖マフィアやカモッラが、
メキシコの麻薬カルテルが、
ロシアのチェチェン・マフィアが、
南米の反政府ゲリラが、
中東のイスラム国が、
「オレたち、今の組織を抜けて、新しく旗揚げしますから、夜露死苦!」
なんて、わざわざ警察当局に報告したりするだろうか? マスコミを呼んで説明するだろうか?
北朝鮮なんて、いちおう国連加盟の国家のクセに、自分たちの人事を、国際社会に正式に公表しないのだ(笑)。
日本という国は、警察はいや政府は、ヤクザを存在してはならない「反社会的勢力」と認定しているくせに、新しい犯罪組織を作りますとノコノコ届け出てきた人間を拘束も逮捕もしないのである。
CNNやニューヨークタイムズは、いや、支那の人民日報も、韓国の朝鮮日報も、
山健組側は警察当局に対し、山口組からの離脱と新組織結成の意向を既に伝えた。
この、まったく意味不明の日本語を、どうやって翻訳するのか?
そのままだと、外国の読者から
「は?・・・マフィアが警察に報告?何のために?捕まえて欲しいのか?」
「所在が判っているのなら、ジャパンの警察はなんで逮捕しない?」
「マフィアの秘密情報を取材してるジャパンのジャーナリストは、なぜ、殺されないのか?」
といった、世界標準の、誠にごもっともな疑問・質問に、如何に返答するのだろう?
もちろん、警察とマフィアがツーカーだった!なんてことは、世界は別に驚かない。
メキシコの警察が麻薬組織に買収されてたり、世界中でそういうことは普通だ。
しかし、メキシコでも、そういうことは「ウラ」の話であり、どんな国でも「タテマエ」ではあってはならないことになっている。
「ウチには、犯罪組織から定期的に報告がありまして、それによりますと・・・」
なんて公表する警察は、しかも、それを平気で報道して、ヤクザとツーカーのホットラインがある警察を批判しないマスコミは、だいたい、それに怒り出したり不安視しない一般人は、世界的に非常に珍しいのである(笑)。
先進国では確実に日本だけであろう。
ヤクザという「反社会的勢力」は、その存在と生存を、政府と社会から認知されている「社会的勢力」なのだ。
「反社会的勢力」かつ「社会的勢力」。
日本の治安が良好なのは、物理的には銃器の取締りが厳しいこと、社会的には民族対立・宗教対立・階層対立が少ないこと、経済状況・教育水準が高いこと、などが挙げられるが、
ヤクザという正真正銘「反社会的勢力」を事実上「社会的勢力」として扱う《ゆるさ》も、逆にヤクザの凶暴化・凶悪化を抑制している部分があるのだ。
六代目山口組分裂~弘道会VS山健組&宅見組~あの山健組が絶縁・破門を受ける時代~諸行無常の響きあり。 - 在日琉球人の王政復古日記