土木建設工事はヤクザであり、かつ、土木建設工事は国家である。
なぜなら、土木建設工事は暴力だからだ。
ただし、いくら工事の働き手が乱暴者でも、乱暴者だけ集めれば、ピラミッドが立ったり、黄河の大洪水・大氾濫が治まったりするわけではない。
六代目山口組分裂~始皇帝もツタンカーメンも土建屋のオヤジ~国家は「公認されたヤクザ」、ヤクザは「未公認の国家」。 - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
土木建設工事には、労働力だけではなく、「設計図」が必要になる。
万里の長城も、コロッセオも、大聖堂も、世俗にまみれたこの現実世界に建てるわけで、信仰や気合や根性や神学だけでは建たない。
設計図、つまり、工学、物理学、幾何、数学などに裏打ちされたテクノロジーが絶対に必要になる。
この地上で土木建設工事から生まれたモノは、当の建造物と、ヤクザと、国家だけではなく、「テクノロジー」も生み出したのである。
土木建設工事には、たとえば
「モノはそのままだと引力に引っ張られて地面に向かって落ちる」
「モノとモノの間には摩擦が生じる。だから動かすにはパワーがいる、だけどそのお陰でズレないで安定もする」
というレベルから、自然法則を熟知し、それをどうにかする/できる自然科学分野の技術・知識が必要になる。
人類の最初、それは学校でお勉強するものではなく、実際の工事の現場の成功・失敗の経験の積み重ねから蓄積される。
工事を仕切る「主体」は、その経験を武器に、どんどん工事の成功率を上げて、さらに報酬や名声と共に技術・知識を蓄積し、専門化していく。
土木建設工事専門集団にとって。その技術・知識は集団の存亡を決める最重要の生命線だ。他人には教えられない。他言厳禁・門外不出・秘伝口伝・神秘の秘密・真の意味で魔術となる。
自然法則をコントロールして、巨大な建造物を出現させる、その人知を超えた奇跡を生み出す技術・知識は、神の領域と関わることと同じであり、専門家集団は宗教的集団でもある。
彼らのノウハウは、科学的な知識であり、文化的な財産であり、莫大な富を生み出す錬金術であり、国家の存亡を決める権力である。
彼らの技術・知識は、国家の最高機密であり、専門家集団=宗教的集団は、保護され、逆に警戒・監視され、聖別される。
ただ、土木建設工事の必然として、「移動の自由」がないと働けない。
いくら警戒が必要でも、A地区で工事があるのに、B地区で監禁しておくわけには行かない。
こうして、神にもつながる秘儀秘伝を持ち、神秘のパワーを駆使する土木建設工事工事の専門家集団は「移動の自由」を得る。
つまりヨーロッパの「自由な石工=フリーメイソン」というわけだ。
フリーメイソンが直角定規とコンパスやピラミッドをシンボルとして使うのは、
啓蒙思想家のグループに変貌する前の、
実際に設計図を書き、石を運び、石を削り、石を積み上げていた、石工時代の遺物なのだ。
荒々しい自然を、神の知恵でコントロールして、偉大な完成物を創る。
土木建設工事は、科学でもあり、神秘学でもあったのである。
そしてこういうのは何もヨーロッパ特産ではない。
六代目山口組分裂~ヤクザと同じ「母体」から生まれた秘密結社その2~儒教のライバル「墨家」。 - 在日琉球人の王政復古日記
へ続く。
(まとめ)六代目山口組分裂~ #山口組 #弘道会 #山健組 #宅見組 #住吉会 #幸平一家 #稲川会 #山梨侠友会 #道仁会 #浪川睦会 - 在日琉球人の王政復古日記