在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

日米ワンネスOneness対決~同性婚歓迎!臨済宗春光院VS同性婚拒否!ペンテコステ派。

まあ、どうってことはない普通の記事なんだが、ある単語にビビッと来た。

 

京都の春光院が、同性結婚式を後押しする本当の理由 川上全龍副住職「昔は偏見があった」

2015年10月17日

日本の法律では同性の結婚は認められていないが、LGBTレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)などの性的マイノリティが、仏前で同性結婚式を挙げられる寺院がある。 京都・花園にある春光院(しゅんこういん)だ。春光院には、海外の同性カップルも訪れており、2014年にはハフポストUS版でも紹介され大きな反響を呼んだ。

川上さんによれば、今アメリカの知識人の間で注目されている思想に「Oneness」(ワンネス)がある。「One」(=1)の名詞形、「ひとつであること」を意味する。

「勝ちか負けか、善か悪かといった2元論ではなく、Onenessは全体の調和を重視します。この発想の違いは、部位に分けて治そうとする西洋医学に対し、身体全体の調和を重視する東洋医学にたとえるとわかりやすいかもしれません」

 

「Oneness~ワンネス」。

 

今のアメリカで、ホントに、そういう思想が流行ってるのかどうか、無学ゆえに知らないが、通常、アメリカで、宗教家が「ワンネス」と言えば、全然異なる意味である。

 

先日、カトリック大親分・フランシスコ法王が訪米した。

そのとき法王猊下は、あるアメリカ人女性に密かに面会している。

イロイロ見比べたが、ニュースの中では、これが一番詳しく書いていた。

 

フランシスコ法王「傷ついたカップルみな包容すべき」 | Joongang Ilbo | 中央日報

2015年10月05日

4日、バチカンで3週間の日程でシノド(世界司教代議員会議)が開かれた。離婚・再婚・同性愛など家族問題についてのカトリックの立場を定めるためだ。フランシスコ法王の「遺産」を規定する可能性もある重大な瞬間だ。

これを翌日に控えた3日、バチカンの高位聖職者が、自身が同性愛者であることを公開する「カミングアウト」をした。法王庁の教理省で働くポーランド出身のクシシュトフ・ハラムサ神父(43)だ。彼はこの日、イタリア・ポーランドのメディアとのインタビューで「カトリック教会が同性愛の問題について後退するような態度に挑戦するため」としてこうした立場を明らかにした。

(略)

法王は、米国社会の同性愛論争の中でも引っ張られた。先月下旬の米国訪問中に出会った人々をめぐってだ。

先に、宗教的信念を理由に同性結婚の証明書発行を拒否した米国ケンタッキー州ロワンカウンティ裁判所のキム・デービス書記官に会った事実が公開された。デービスが法王からロザリオとともに「強くなりなさい」という激励をもらったと明らかにして議論が大きくなった。保守派側では法王が同性婚を認めなかったと歓迎したことに反し、進歩派側では果たして法王がデービス事件を正しく分かっていたのかについて疑問を表わした。その後すぐにフランシスコ法王が60年代にカトリック高校で司祭として働いていた時に教えた弟子で同性愛者であるヤヨ・グラッシ氏が出てきた。

法王がデービスに会う前日に、自身と自身の同性配偶者に会った事実を公開した。彼はCNN放送とのインタビューで「フランシスコ法王がどんな人なのか真実を知らせるため出会いをメディアに公開する」として「司祭として教会の教えに従わなければならないが、法王はまた人間としてすべての状況を理解して性アイデンティティが違う者たちを含めた皆に開かれた心を抱いておられる」と主張した。 

 

韓国の中央日報。別に韓国であることに特段の意味はない(笑)。ただ日本の新聞よりはるかに詳しく書いてあった。

さすがはキリスト教徒の多い韓国。日本より関心が高いのだろう。

日本じゃ、カトリックプロテスタントも「キリスト教」という呼び方でまとめているが、韓国では「基督教」という単語はプロテスタントだけを指し、カトリックは含まれない。カトリックは別に「天主教」と呼んでいるそうな。それだけ生活にキリスト教が根を下ろしているというわけだ。それはさておき。

 

記事を読むと、フランシスコ法王猊下、いったい、同性愛に寛容なのか、不寛容なのか、いまいち迷走している様子である。

細かく言えば、現時点では、同性「愛」の存在は認める(罪とはしない)が、同性「婚」の公認・祝福まではカトリック教会としてできない、といったところか。

 

法王、ひそかに面会 同性婚証明発行拒んだ米の書記官と (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 デービス書記官の弁護士によると、24日にワシントンで15分ほど面会した。法王は英語で「気持ちを強く持って」と書記官に語りかけたうえでロザリオを手渡したという。法王の訪米中は注目を避けるため、公表しなかったという。デービス書記官はカトリック教徒ではない。

 

キム・デービスさんといえば、信仰を理由に、同性婚者の婚姻証明書の発行を拒否して、監獄に入れられた、アメリカの地方公務員である。

 

神(聖書)は、たかが女のキム・デービスさんが、男性同性愛者に反論する権利を認めない。 #kimdavis - 在日琉球人の王政復古日記

 

そういや彼女がキリスト教徒とは知っていても、宗派までは知らなかった。

朝日新聞に「デービス書記官はカトリック教徒ではない」と書いてあるから、プロテスタントなんだろう。名前からしてもギリシャやロシアの正教会系ではなさそうだ。

宗派はニュースに出てこなかったので、wikipediaを見ると、

 

Kim Davis (county clerk) - Wikipedia, the free encyclopedia

Religion  Oneness Pentecostal

 

うわ(笑)。

プロテスタントの中でも、「ペンテコステ派」かよ(笑)。

さらに、よりにもよって「ワンネス」ときやがった(笑)。

しかし宗派を知れば、彼女の行動も、ある意味、納得できるのである。

 

カトリックは1つだが、プロテスタントは1つではなく、いろんな宗派がある。

ペンテコステ派は、プロテスタントの中でも、なかり特殊な、かなり奇異な、ヨーロッパではない、アメリカ独特の、「エグ味」のある宗派である。

不信心な(つまり一般の)日本人からは、ぶっちゃけ「カルト」にしか見えないだろう。

 


Pentecostal Service

 


Thomas Morton Goes Pentecostal (BALLS DEEP - Tent Preachin' Clip)

 

まあ、ガッチガチのカルヴァン派・長老派から見たら、

「なに?これ?」だろうが(爆笑)、

 

これも(こそが)キリスト教、である。

 

京都春光院の坊さんは、同性婚を認める「ワンネス」思想らしいが、

アメリカ・ケンタッキー州の書記官は、同性婚を認めない「ワンネス」派なのである。

  

民主主義は反知性主義である~予定説VS異言~ワンネスVS三位一体~宗教は学問・理屈ではない。信じることだ。 - 在日琉球人の王政復古日記

に続く。