長谷川幸洋さんの書いてるのものは、昔はまだマトモだったと思うが、最近、加速度的に「酷さ」が増している。
なんか、家庭の事情か、健康面か、経済的な理由かなんかで、精神的に不安定なのか?と疑うくらいだ。
特に下記のコラムは、ちょっと限度を超えた、粗雑とナンクセと妄想のオンパレードだ。
もちろん、共産党の支那がかなり困った国なのは、私も同意するので、長谷川幸洋さんが支那が嫌いなのは別に問題とは思わない。これからも大いに批判して欲しい。
しかし、いくらなんでも、イスラム原理主義やイスラム国ISISの暴走のスタートが「支那の南シナ海侵略」だなんて、時間も空間も飛躍しすぎで、話がムチャクチャである。
世界はなぜ「暴力の時代」に逆戻りしたのか? ターニングポイントは中・露の「無法行為」だった! 「話せば分かる」はもう通じない | 長谷川幸洋「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
2015年11月20日(金)
中東のテロリストたちがここ数年で一段と過激化した背景には、中国とロシアの無法がある。ロシアがクリミアに侵攻し、中国が勝手に「南シナ海も尖閣諸島もオレのもの」と言っているなら、「イラクとシリアの砂漠はオレの国」と言って何が悪いのか。テロリストはそう考えているに違いない。
・・・はあ(笑)?
イスラムの研究者でも、国際政治の専門家でもいいけれど、こんなムチャクチャな因果関係を主張している学者がいたら教えて欲しいよ。
中東でイスラム原理主義が暴れだしたのは、支那が南シナ海にチョッカイを出すより、はるか昔からであって、時間的に矛盾している。
長谷川幸洋さんは、南シナ海の人工島埋め立てと、ホメイニさんのイラン革命やビン・ラディンの911テロ、どっちが古い出来事なのか?理解しているのだろうか?
さらに、支那が南シナ海でやってる侵略は、戦後史の中でも、共産党がやらかした悪事の中でも、比較的チンケな暴力に過ぎない。
朝鮮やベトナム、アフガニスタン、アンゴラ、ソマリアなど各地で局地的な戦争や内戦は起きたが、米ソの大国同士が直接、激突して火花を散らす大戦争は起きなかった。熱い戦い(ホット・ウォー)の代わりに、冷たいにらみ合いが続いたから冷戦(コールド・ウォー)と呼ぶ。
ところが、事態はガラリと変わってしまう。ロシアは13年3月、クリミアに侵攻した。日米欧は露骨な主権と領土の侵害を看過できず、ロシアをG8から追放する。以後のロシアは相互依存の強化ではなく、かつての敵対関係に逆戻りしてしまったかのようだ。
ロシアだけではない。中国もそうだ。
中国はロシアより一足早く01年にWTOに加盟し、市場経済化と自由貿易に基づく平和と繁栄を追求するかに見えた。ところが、江沢民政権時代から次第に対外強硬路線に傾斜していく。いまの習近平国家主席が実権を握った12年以降は覇権主義的思考が一層、鮮明になった。
もう内容も比較も、針小棒大、我田引水、支離滅裂である。
朝鮮戦争・ベトナム戦争や、アフガン戦争が単なる「局地戦」扱いで、
近年の、ロシアVSウクライナのクリミア紛争や、支那の南シナ海侵略が、歴史のターニングポイント???
ホント、大丈夫かね?
朝鮮戦争の死者は、韓国軍約200,000人、アメリカ軍約140,000人。
ベトナム戦争でベトナム人犠牲者は南北あわせて5,000,000人を超える。
アフガン戦争は10年以上続いて、とうとう超大国・ソ連崩壊の引き金になった。
ロシアのクリミア紛争や、支那の南シナ海侵略って、これより規模が大きいのか?
じゃあ、クリミア紛争でいったいロシア人とウクライナ人は何十万人死んだのか?
南シナ海で、関係国の政権が崩壊したのか? 人民解放軍は何万人死んだのか? アメリカ海軍は何隻沈んだのか?
1945年の第2次大戦終結後、世界を揺るがすような大規模テロはしばらく起きなかった。その代わり、米国と旧ソ連が東西両陣営に分かれて冷戦を戦った。
第2次大戦終結後、大規模なテロが無かった? どこの惑星?
北アイルランドのIRAやアルスターのやってたことは、テロとは呼ばないのか?
スペインのバスクは? フランスのアルジェリア紛争は? 南アフリカのアパルトヘイトは? イスラムとヒンドゥーの殺し合いである印パ戦争は? 南米の軍事政権と左翼ゲリラの市民を巻き込んだ殺し合いは?
ご当地・中東の、イスラエルとパレスチナがやってた(今もやってる)ことは、4回もあった中東戦争を含めて、小規模か?
ハンガリー動乱じゃ、ソ連は戦車まで投入して、ハンガリー人は何万人も殺されたが、あれは1945年以前の話か?
北朝鮮の金さんがやった、青瓦台襲撃事件、大韓航空機爆破事件、アウンサン廟爆破事件は、テロじゃないのか?じゃあナンだ?
だいたい支那が嫌いなくせに、ケタ違いの何千万人が犠牲になった、毛沢東の大躍進運動や文化大革命は、大規模テロと呼ばないのか? 無かったことにするのか? それとも共産党の犯罪をウッカリ忘れていたのか?
中東で1980年代から始まる、イラン革命、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イラク戦争よりも、
つい最近始まった、しかもイララム教徒が参加もしてない、極東のゴタゴタのほうが、
イスラム原理主義やISISへの影響が大きい、なんてホンキで思ってるのかね?
だいたい、シリアで暴れてる、または、ヨーロッパに潜んでいる、ISISメンバーは、支那が南シナ海でやってることなんて、全く興味はないだろうし、そもそも知らないと思う。
というか、ISISメンバーで、南シナ海の場所を世界地図で正確に指させる人間はおそらく1%もいないだろう。いたとしてもインドネシア人、マレーシア人みたいな近辺の出身者くらいだ。
顔写真を見せても、習近平と金正恩と安倍ちゃんの区別すら付かないに違いない。
というか、彼らは今、とっても忙しくて、地球の裏側(笑)にまで気が回るわけがない。
問題は、長谷川幸洋さんだけではない。
こんな文章を読んで、その論旨に納得した!、と言い出す人が少なくないことだ。
いったい、どの部分に納得したのか?
支那への悪口なら、理屈がどんなにムチャクチャでもイイのか?
それじゃあ、韓国人の反日言説と同じレベルである。