在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

「笑い」は常に「弱者」の敵であり、民主主義は「笑い」の敵だ~動物や障害者を嬲り殺して楽しんできた人間の歴史。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Physic-Brummy1.jpg/400px-Physic-Brummy1.jpg

 

松本人志、喜多嶋舞を痛烈批判「共演NG」「笑えない」 (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

2015年11月22日

松本は「人の死以外は、たいていのことは笑いにできると思っている」とお笑いについての信念を明かしつつも、「これはちょっと笑えない」と心境を告白。「なかなか(喜多嶋舞は)太い女ですね。正直、僕はちょっと共演NGですね。ちょっと、ひどいな」と喜多嶋を痛烈に批判した。

 

残念ながら(娯楽)映画を作る才能は無いけれど(笑)、まちがいなく笑いの才能に恵まれた人の言葉だけに、考えさせるものがある。

 

現代の大工ヨセフ・大沢樹生さん、現代の聖母マリア喜多嶋舞さんの愛憎物語に関しては別に書いたが、

  

大工ヨセフVS処女懐胎マリアVS神の子イエス~大沢樹生VS喜多嶋舞~パリ同時多発テロ~目には目を、歯には歯を。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

大沢樹生VS喜多嶋舞~パリ同時多発テロ~老子「報怨以徳」VS孔子「以直報怨」VS半沢直樹「倍返しだ」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

「笑い」も、愛憎劇同様、ISISみたいな「残酷」と、無関係というわけではない。

  

[茂木健一郎]<弱いものを笑うな>強い者を揶揄してこそコメディアン「笑い」のプライドだ

2015年11月13日

「笑い」の効用はいろいろあるが、コメディアンのプライドの一つは、権力や強い者、威張っている人たちを揶揄してその弱さを露呈させることと理解している。Daily ShowでTrevor Noahがやっていることは、まさにそれである。
弱い立場にいる人、虐げられている人、苦しい人を揶揄する笑いも、理論的には存在するのかもしれないが、そのようなことは、プライドのあるコメディアンがやるべきことではないと理解している。そのような笑いは、いじめに近い。
民主主義は、権力に対する風刺や揶揄(しかも、それが、笑いというポジティヴな空気のもとに行われる)がないと、有効に機能しない。だからこそ、民主主義が困る権力側は、自分たちに対する揶揄や風刺を抑圧しようとする。

 

コメント欄は、反論、否定、嘲笑の嵐のようだが、それも当然で、

だいたい、Daily Showだの、Trevor Noahだの、アメリカ人それも東海岸・西海岸のリベラル層に向けて書いてるコラムじゃあるまいし(笑)、

そんなの知らない、見たこともない、英語のせいで面白さも解らない、大半の日本人相手に平然と出してくるのは、

英語に対して「弱い立場にいる日本人、虐げられている日本人、苦しい日本人」を完全に馬鹿にしている「弱い者イジメ差別」と同じだ(笑←笑うな(笑)!)。

 

こういうリベラルなキレイごとを、全面否定はしないが、人間の歴史はそんなにキレイではない。

まさに書いているように、こういうキレイごとが通用するのは、

民主主義が定番になった後、人権思想が(一応の)勝者になった後、

先日、ISISのテロが起こったパリで

今から約200年以上前、民衆の暴動(これもテロ)から始まった、

フランス革命の後の時代、つまり我々の時代でしか通用しない神話なのだ。

 

それ以前の時代を生きた人間は、当時のフランス人も当時のアメリカ人も、現在の先進国住民より、よっぽどISISのメンバーに近いメンタリティの持ち主だった。

いやISISのメンバーが「残酷すぎる」と顔を青くしそうな社会に人間は生きていたのだ。それも遠い古代ではない、18世紀、下手したら19世紀の話である。

 

だいたい「民主主義のための笑い」なんて、笑いに対する差別である。笑いは何かに奉仕する道具ではない。笑いは笑いというだけで価値を持つ。本来、笑いは「笑いのための笑い」であるべきだろう。

 

「弱者を笑いものにするな!」なんて、人権思想から出てくるイデオロギー(=根拠ゼロの妄想)であって、つい最近の流行だ。

それまでの人類は、ずーーーーーっと、強者よりも、弱者を笑いものにして、いや弱者を嬲り殺しにして、楽しんできたのだ。

 

笑いは危険なのだ。なぜか?

弱者が強者を揶揄う笑いも確かにあるが、 

強者が弱者を嬲る笑いの方が、ずっと、多いからだ。

ナチス親衛隊は、ユダヤ人の家財道具に火を付ける時も、大笑いしていた。

南部白人も、気に入らない黒人を木の枝の吊るす時は、大笑いしていた。

それが「人間の歴史」である。

 

私はスポーツをやるのは苦手だが、スポーツを考えるのは好きである。

スポーツという人工物は、人工物であるがゆえに、複雑怪奇な人間社会に比較して構造が簡単で、人間社会を考える上で判りやすいモデルになると思うからだ。

その意味では、私はスポーツを差別している。「思想のために奉仕するスポーツ」にしてしまっている(笑)。ま、それはともかく。

 

スポーツには「ブラッド・スポーツ」というカテゴリーがある。

困った時(笑)のwikipediaより。

 

ブラッド・スポーツ - Wikipedia

ブラッド・スポーツとは、動物に暴力をふるって楽しむスポーツであり余興である。市民だけでなく王侯貴族からも広く好まれた見世物であり、例えばエリザベス朝時代のイギリスでは熊や猿を連れた旅芸人が犬をけしかけたり、観衆に石を投げさせて娯楽とした。当時は狂人の観察などと並ぶ人気の興業であり、芝居見物などと等しいごく普通の習慣だった。

(略)

ブラッド・スポーツの一覧
ロデオ (チリ)
ガチョウ引き(英語版)
ロバいじめ(英語版)
ヒルいじめ(英語版)
アナグマいじめ(英語版)
熊いじめ(英語版)
ボクシング
牛いじめ(英語版)
闘牛
闘鶏
闘犬
闘熊
闘魚
闘蟋(英語版)
鶏投げ(英語版)
コーシング(英語版)
キツネ狩り
狐潰し
ウサギ狩り(英語版)
豚いじめ(英語版)
ヒトいじめ(英語版)
ハイエナいじめ(英語版)
昆虫相撲
ジャッカル狩り(英語版)
ライオンいじめ(英語版)
猿いじめ(英語版)
レスリング(英語版)
鼠いじめ(英語版)
くも合戦
闘鳥
闘馬
闘羊
犬追物

 

英語版がほとんどなのが残念だが、簡単にいえば、人間を含むさまざまな動物をリンチにかけてイジメ殺すのを楽しむ見世物だ。

動物を棍棒で殴ったり、放り投げたり、熊と猟犬を戦わせたり、人間の場合は精神障害者と動物をケンカさせたり、まさに弱者イジメである。

 

こういう「血みどろの娯楽」をなんとかソフトランディングさせて、ボクシングや、相撲や、競馬といった、現在のスポーツが生まれたわけだ。

 

娯楽なんだから当たり前だが、観衆はみんな笑顔だ。血みどろの動物を見て、笑っているのである。真剣な表情で勝敗を見てる者は、勝敗にゼニを賭けてるバクチ打ち以外、ほとんどいない。

手足のない身体障碍/身体障害や生まれ持った奇形の人間を見世物にしたり、

知恵遅れや盲人をからかって嬲りものにするのも、同類の娯楽だ。

人間は、弱い者イジメや、動物の虐殺が大好きだ。歴史が証明している。

 

これらは、松本人志さんのやってる商売「お笑い」と完全な同業である。

茂木健一郎さんご推薦の、Daily ShowのTrevor Noahや、おそらく好きなんだろう、ジョン・スチュワートや、HBOのビル・マーや、ジョージ・カーリンと、同じ商売なのである。 

 

松本さんだけでなく、たけしも、タモリも、戦後の芸人たちは、たびたび言論を封殺されてきた。どっちかというと、政府側よりは、民主主義側から、左翼からだ。

不謹慎なネタ、猥褻なシモネタ、公序良俗に触れるネタ、不幸や病気や弱者を笑うネタ、外国人(特にアジア人と黒人)を笑うネタは、許されなくなっていった。

たとえば、良いか悪いかは別にして、知的障害や身体障碍を笑うネタはつい最近まであったのである。

 

「弱者の特権」に反発する皆さんが、茂木さんのキレイごとコラムに反発・冷笑するのは判るが、笑いに禁止を増やすな!、弱者を名乗る圧力を許すな!、というのはいいけれど、

じゃあ、知的障害者と猟犬をケンカさせて、知的障害者が血まみれで死んでいくような「スポーツ」を、もう一度認めるのか? 

大量の猫を駆り集めて、火をつけて、踊り狂って死んで行くのを楽しむことは、復活させるべきなのか?

異教徒の首を切り落として、その映像を公開するISISも、その殺戮を大いに楽しんでいるのである。

 

これらをダメだという理屈は、動物愛護、人権思想、弱者救済の理屈であり、当然「弱者の特権」を認めることだ。あなたは「左翼」なのである(笑)。

 

古今東西、「笑い」は、常に「弱者」の敵であった。

民主主義と人権思想は、常に「笑い」を弾圧する思想警察だった。

 

どっちも地獄だが、選択する権利はある。

なぜなら、あなたは人権(笑)を持つ近代人=モダンマンだからだ。

 

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お笑い政治論争(2) #茂木健一郎 の欧米崇拝 #松本人志 の映画野球批評 #爆笑問題 のハッタリ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

お笑い政治論争(3) #ウーマンラッシュアワー は、皇室を、震災被災者を、パラリンピックを、笑えるか? - 在日琉球人の王政復古日記

 

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