なんだか楽しそう(笑)。
お父さんもそうだった。
金さん一家は北朝鮮の最高権力者である。
国内なら何でもできる。できないことはない。やりたい放題である。
正恩くんの体型を見て判るように、美味だろうが珍味だろうが食いたいモノを無制限で好きなだけ食ってるだろう。飲みたい酒も飲みたいだけ飲んでいるだろう。食生活は贅沢三昧なんだろう。住んでる家も豪邸だろうし、日本の高級家電があふれかえっているだろう。
ナンでもできるのである。注意する人はいない。
しかしこの一家、代々に渡って、頑なに、ずーっと、衣食住の内、衣=ファッションだけは、なぜなんだか、貧相な人民服のままだ。
カネは持っている。アルマーニだろうがブルックスブラザーズだろうが高級スーツを何十着でも買える。 最高級の絹で絢爛豪華な衣装だって作れる。お好みならストリートファッションでも、女装でも、ナンでもアリである。
太り具合からいっても、禁欲的とは思えない(笑)のに、贅沢なことが好きそうなのに、しかし、なぜなんだか、祖父の代から、ファッションにだけは興味がないというか、一種病的なまでに、無関心な一族なのだ。
同じアジアのファッションの天才・ブータン・ワンチュク国王陛下との違いは歴然である。両者はまさに両極端ともいえる。
ブータン国王七変化~「和服」という外交戦術。 - 在日琉球人の王政復古日記
今も革命遂行中だから、人民と同じ地味な服装、ということかもしれないが、同じ革命国家・中華人民共和国では、習近平たち党幹部もずいぶん前からネクタイ姿だ。
お祖父さんの初代・日成は、まだ、スーツ&ネクタイのときもあったが、正恩くんは、夏の開襟シャツを除けば、寒色系の人民服一本やりである。
ネクタイも付けない。スーツも着ない。
民族の指導者なのに、民族衣装パジチョゴリも着ない。
大元帥なのに軍服も着たことがない。
正恩くんは、北朝鮮で唯一特別な人間なのだから、特別な格好をしてもいいのである。
歴史上、どんな国でも、国王は、国王だと判る特別な格好をしていたものだ。王冠はそのために存在する象徴だ。
せめて、一人だけ、純白の人民服、でもおかしくはないのに、この唯一絶対の指導者はみんなと同じような地味な服を着続ける。
ワンチュク国王の結婚式。
正日・正恩親子の集合写真。
アジアでもアフリカでも、どんな国でも、まず最初に、民族衣装を捨てて、民族独特の髪型や装身具を捨てて、西欧文化、西欧風ファッションを受け入れるのが、皆さんがなんとなく「保守的な組織」と思っているだろう「軍隊」なのだ。
明治維新後、一般日本人が昔ながらの着物で暮らしていた時代から、近代西欧的な衣装を義務にしたのは、帝国陸海軍なのである。
軍事はリアルな世界なので、どんなに反欧米な国でも、軍隊だけは前近代のままでは勝てないからだ。
例えば、迫撃砲の命中率は、発射角度で決まる。
迫撃砲に必要なのは、近代科学である「三角関数」であり、民族の精神でも、神のご加護でもない。霊能力や根性で火薬は発火しない。
軍事は、どこまでも、近代科学=西洋文明に立脚する。
ブータンの軍人も民族衣装を着てられない。
明治日本の軍人も、角帯と着流しに雪駄、紋付き羽織袴、または鎧兜、というわけにはいかないのである。
そして、その国で、最後まで西欧ファッションを受け入れず、民族衣装のままなのが、女性である。
「ノーベル平和賞マララちゃん」「朝鮮学校」「NHK朝ドラ」を結ぶ、根源的な「差別構造」。 - 在日琉球人の王政復古日記
朝鮮学校は、男子生徒はブレザーとネクタイなのに、女子生徒だけチマチョゴリなのだ。
マララちゃんは髪を隠しても、男兄弟はジーンズ姿だ。
日本軍が洋装の軍服で戦っていた時代も、銃後の女性は日本髪に和服姿だった。
どこの国でも、真っ先に祖国の伝統や習俗を捨てるのが、軍人サンなのだ。