在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

アベノミクス円安効果~シャープは1244億円ディスカウントで鴻海に売れた。東芝白物は171億円引きで美的へ。

鴻海、シャープ買収決定=出資1000億円減―債務問題で1カ月遅れ (時事通信) - Yahoo!ニュース

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は30日、取締役会を開き、シャープ買収を決議した。鴻海グループでシャープの3888億円の第三者割当増資を引き受け、議決権の66%を握る筆頭株主となる。シャープの業績悪化や将来負債となる恐れのある偶発債務を踏まえ、出資を当初予定の4890億円から1000億円程度減らした。シャープも臨時取締役会で出資の減額などを受け入れた。 
 国内電機大手が外資傘下に入るのは初めて。

 

東芝、中国メーカーに白物家電事業を売却 「東芝」ブランドは40年間使用可能 (ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース

東芝は3月30日、白物家電事業を中国の美的集団(Midea Group)に約537億円で売却する最終契約を結んだと発表した。美的は東芝ブランドを今後40年間使用でき、白物家電事業を継続。従業員の雇用も維持する。 

  

2012年12月26日 1ドル085.35円 第2次安倍内閣発足。 
20160330日 1ドル112.66円 台湾鴻海が日本シャープ買収

2012年に比べて、2016年は、日本のモノが約24%ほど割引で買える。

 

4台の炊飯器を3台分の値段で買えるわけで、そりゃ支那人も台湾人も韓国人もその他のアジア人も日本に観光旅行に来るはずである。お陰で外国人観光客関連の商売は好調だ。 

 

そして日本の炊飯器が安いということは日本の企業も安い。

 

シャープ本体 3888億円。

2012年12月26日なら、45億5000万ドル。

2016年0330日では、約34億5000万ドル。

台湾の鴻海は2012年より約11億ドル=約1244億円ほど安く買えた。

いや表現が間違っていた。1244億円ほど値下げできたから、ちゃんと売れたのだ。

安くなったからといって、日本は損をしてないし、台湾も得はしていない。

 

東芝白物家電 537億円。

2012年12月26日なら、約6億2000万ドル。

2016年0330日では、約4億7000万ドル。

支那美的2012年より約1億5000万ドル=約171億円ほど安く買えた。

いや表現が間違っていた。171億円ほど値下げできたから、ちゃんと売れたのだ。

安くなったからといって、日本は損をしてないし、支那も得はしていない。

 

円安で、日本の商品が外国に売れたら、喜ぶのに、 

円安で、日本の企業が外国に売れたら、不愉快になるのはおかしい。

モノの売り買いという意味ではまったく同じである。

日本の企業を外国人に買われたくないのなら、円高にすればいい。

その代わりに日本の輸出産業も商品が売れなくなるが。

円安だから全てがハッピーにはならない、良いも悪いも五分五分だ。

円高だから全てがアウトにはならない、良いも悪いも五分五分だ。

 

24%円安になったとすれば、もちろんウォンや人民元の相場もあるから正確ではないが、非常に大雑把に、日本のサラリーマンの給料も、韓国や支那や他のアジア人の給料に比べて、おそらく20%くらい相対的に減ったのだ。

言い方を変えれば、韓国や支那や他のアジア人は、日本人より20%ほどリッチになったのである。

その代わり、韓国や支那の輸出産業は日本に売り難くなって困っているだろう。

 

経済というのは、本当に、良く出来たシステムである。

あまりに完璧すぎて=冷徹すぎて、不完全で不合理で感情的な人間には相性が悪いだけで(笑)。

 

どうしても混同してしまうが、商売は戦争ではない。勝ち負けはないのだ。

 

万里の長城VS京杭大運河~「日没する処の天子」隋の煬帝が、聖徳太子の「日出ずる処」に復讐する。 - 在日琉球人の王政復古日記

仮に、AとB、2つの国があったとして、

確かに、政治=戦争の分野では、「Aの成功」は「Bの敗退」を意味し、「Aの失態」は「Bの利益」を意味することが多い。例えば、世界遺産をめぐる日韓口喧嘩。

しかし、経済=商売の分野では、「Aの好景気」は「Bの好景気」に連動し、「Aの不景気」は「Bの不景気」に直結する場合が多いのだ。

政治=戦争の世界は、いわゆるゼロサムゲームというやつだ。

経済=商売の世界は、いわゆるWIN-WINというやつだ。

政治や戦争にWIN-WINはほとんどないが、

経済や商売はほとんどがWIN-WINの関係である。

 

映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」~「中国共産党が失敗すれば、日経平均も暴落する」という当たり前。 - 在日琉球人の王政復古日記

確かに

人民解放軍の失態は、日本の安全保障にプラスだ。

人民解放軍の成功は、日本の安全保障にマイナスだ。

しかし

上海の株が上がれば、基本的には、日経平均も上がる。

上海の株が下がれば、基本的には、日経平均も下がる。

安全保障の勝ち負けと、経済の勝ち負けは、全く別。正反対といってもいい。 

 

安倍敗北=朴勝利ではないし、安倍勝利=朴敗北ではない~外交は戦争と商売のちょうど中間。 - 在日琉球人の王政復古日記

あなたが日本人で、韓国映画を見るとする。

はたして、観客のあなたと、韓国の映画会社、どっちが得をして、どっちが損をしたのか? 言い換えれば、どっちが勝ったのか?どっちが負けたのか?

韓国人旅行者が、日本で寿司を食ったとする。

はたして、食った韓国人と、握った日本人板前、どっちが得をして、どっちが損をしたのか? 言い換えれば、どっちが勝ったのか?どっちが負けたのか?

映画を楽しんだ日本人観客も、チケット代を貰った韓国映会社も、

トロやイクラを食った韓国人客も、御代を貰った日本人板前も、

それで満足なら、両者の間に勝敗はないのだ。

戦争なら、一方の勝利が、他方の敗北である。ゼロサムゲームだ。

しかし、商売なら、一方の勝利が、他方の敗北、とは限らない。どちらも勝利、逆にどちらも敗北、もありうる。ビジネスマンがよく使うWIN-WINというやつである。 

 

アジアが日本企業を買う。

そんなの当たり前で、1980年代に日本企業がアメリカの映画会社やニューヨークの不動産を買い漁ったのと同じである。

どうせ、十年先には、支那や台湾や韓国の持ち物が、南米やアフリカの企業に買われるのである。

見下していた相手に、自分の持ち物を買われる。

因果は巡る糸車だ。

 

ガンジーの糸車は70年後を予測できたか?~インド財閥撤退でイギリス1万5千人失業の危機。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

アベノミクスは【リベラル左翼】である(その3)~安倍ちゃんVSサッチャー&レーガン~デフレVSインフレ。 - 在日琉球人の王政復古日記