在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

バブル後/ネット前~ #ピチカート・ファイヴ #東京は夜の七時 (1993)~留守番電話と潰れたレストラン。

♪~待ち合わせたレストランは もう潰れて 無かった~♪

♪~留守番電話が 突然ひとりでに回り始める~♪

 

事前におことわりする。

私は、「緋牡丹博徒」「昭和残侠伝」「県警対組織暴力」「女囚さそり」「まむしの兄弟」など、1960、70年代の東映ボンクラ映画という、人間としての最底辺を生息領域としているボンクラなので、こういうオシャレな分野は、まったくの異次元、別世界、完全に門外漢である。

間違いや思い違いは多々あると思うが、ご容赦。

 

そんなゴミクズな私でも、良い曲だと思う。

 


PIZZICATO FIVE / 東京は夜の七時

 

パラ閉会式「東京は夜の七時」に感激の声 ピチカート野宮も「嬉しい」/スポーツ/デイリースポーツ online

2016.09.19

リオデジャネイロパラリンピックの閉会式が18日、行われた。次大会の東京パラリンピックのプレゼンテーションも行われ、日本では音楽にピチカート・ファイヴの「東京は夜の七時」がつかわれたことがネット上で話題になっている。

(略)
 「23年たっても色褪せてない」「何度見ても泣ける」といった楽曲や演出を絶賛する声が続出。原曲を歌った野宮真貴も自身のブログで「リオパラリンピック閉会式で“東京は夜の七時”が流れた~♪なんだかパラリンピックに参加出来たようで嬉しい気持ちです!」と感激した様子だった。

 

シブヤ系か、、、冥王星よりも遠い(笑)。

門外漢で申し訳ないが、ピチカートファイヴって、「レトロ」が売りだったように思う。

それは2016年の今から見てレトロなのではなく、1993年当時においてもレトロ、さらに古い過去である1950、60、70年代、そして戦前のモダニズムなどをモチーフにした、「古くて、でも新しい」みたいなグループだったような。間違いだったらゴメン。

 

シブヤ系って、イメージ的には、バブル景気絶好調!、な感じがするが、リリースされた1993年は、すでにバブル崩壊は止めようがなく、日本が暗黒時代へ突っ込んでいった時期だ。

 

バブル狂乱の極限だった1989年には約39,000円もあった日経平均株価は、1993年には半分以下の17,000円にまで大暴落。

これは2016年現在の株価とほとんど変わらない。つまり「東京は夜の七時」の1993年から、リオ・オリンピックの2016年まで、この23年間、日本経済は停滞しっぱなしなわけだ。

 

政治では、自民党が大分裂・選挙大敗で、非自民・細川連立政権誕生。

小沢一郎が右派・保守派・新自由主義者の希望の星だった時代である。ホントだよ。変われば変わるものだ(笑)。

 

しかしまだまだバブルの残り香があった時代。

なにより、皇太子殿下御成婚の年。・・・おいおい、もうすぐ銀婚式か?!

それまで存在しなかったプロサッカーのJリーグが開幕。当時は読売ヴェルディが1番人気だった。

地上波ゴールデンタイムでは、プロ野球の巨人戦が一番視聴率を取っていた。パリーグの球場はガラガラだった。

 

バブル崩壊後の1993年は、インターネットが社会に普及する前の時代でもある。

 

当時も日本の最先端・シブヤのイケてる若者たちも、まだまだバブルの遺産で、ある程度カネは持っていたが、LINEも、twitterも、SNSもない。スマホどころか、ケータイ電話も持ってなかった。

だから、「東京は夜の七時」で歌っているように、恋人との連絡は、固定電話の「留守電」で受け取るしかない。

録音は、USBメモリでもなく、光学ディスクですらなく、磁気テープである。

 

インターネットがないんだから、パソコンなんて、価格がバカ高いうえに、OSもwindows95が出る前で、技術的にも一般人はほとんど使いようがない。一般家庭にあるのは、ファミコンと、プリンタと一体になったワープロ専用機くらいである。

当然、営業時間を調べるためのレストランの公式サイトもないし、オンラインの地図情報もないし、ネット予約もないし、食べログもない。

だから、恋人たちは、現地に行ってから、初めて、株価と地価の崩壊による景気悪化で、行きつけのレストランが潰れたことを知るのである。

 

1993年時点で、2016年の日本がこんな状態だなんて、誰にも予想もつかなかった。

 

次の東京オリンピックは、これから4年後の2020年。

「東京は夜の七時」の1993年からの4年後は1997年。

ようやく、インターネットが普及し始めたころだ。しかし、速度は遅いし、容量は小さいし、今あるようなサービスはまだまだ全然なかった。

 

自民党が早くも政権返り咲き。天下無敵だったはずの小沢一郎の迷走が始まる。迷走は20年後もまだ続いている(笑)。

消費税が3%から5%にアップ。しかし、その後、まさか20年近くも消費税が上がらなかったなんて、当時の有識者は誰も予測してなかったと思う。

 

バブル崩壊はますます泥沼でクライマックスを迎える。

「たとえ北海道庁や札幌市が潰れても、拓銀だけは潰れない」とまで信頼されていた、北海道経済の総本山・北海道拓殖銀行が破綻。

日本資本主義の象徴・4大証券の1つ、山一證券も戦後最大の倒産。

今では、シャープや三菱自動車など有名会社が、経営危機・破綻・倒産・救済合併するのは、そんなにビックリすることではなくなったが、 当時は「絶対潰れるはずがない会社が潰れた」ということで、日本国中が一種のパニック状態になっていた。

北海道拓殖銀行山一證券の崩壊は、シャープとは比較にならないくらいのショックがあったのだ。

今から振り返れば、日本経済が、いや戦後日本が、曲がり角を曲がった瞬間なのだろう。

 

1993年に4年後は予想できなかった。

いくら不況とはいえ、まさか、あの拓銀と、あの山一が、潰れるなんて。

今から4年後、オリンピックのある2020年の日本は、どうなっているだろうか?

 

2020年の東京は夜の何時くらいだろう?

 

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