「最低賃金、時給1500円なら夢ある」若者らデモ (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
2017/4/15(土)
労働者の最低賃金を時給1500円に引き上げることを求めて運動している若者のグループ「エキタス」が15日、東京・新宿でデモをした。東京都庁近くの公園を出発し、高層ビル街や新宿駅南口、歌舞伎町などを巡りながら、「最低賃金いますぐ上げろ」「税金つかって貧困なくせ」と訴えた。
エキタスは2015年秋から活動し、20代の若者が多く参加している。小気味よいビートに訴えを乗せ、最低賃金の引き上げをはじめ、経済格差の解消や長時間労働の是正も求めている。
今回のデモでは、既存の労働組合にも連帯を呼びかけた。「若い人が参加しやすいように、見た目を重視して遠慮してもらっていた」というのぼりや旗の持ち込みも初めて歓迎したところ、連合(日本労働組合総連合会)や全労連(全国労働組合総連合)などの傘下組合のメンバーも多く集まった。主催者の集計では約1500人が参加したという。
都道府県ごとに定められている最低賃金は現在、最も高い東京都でも時給932円で、最低の宮崎、沖縄両県は714円と目標の1500円の半額以下。仮に時給1500円で週40時間働くと、4週間で24万円になる計算だ。
若者たちは「1500円は『健康で文化的な最低限度の生活』に必要な最低限の金額です」「1000円じゃなくて1500円と言うのは、ちょっと夢があるから。夢があるというのは(生活の)リアリティーがあるということ」と訴えた。
もちろん、雇い主の会社だって厳しい。
会社の経済合理性に見合ったバイト代が仮に900円だとして、それでも「1500円払え」となれば会社も困るだろう。
その時給の差額(600円前後)を、会社に支払わせるのは難しいだろうが、そこへ政府が介入して、差額の600円を税金で賄う、というのは「可能では」ある。
そんな無茶苦茶な!と思うかもしれないが、
政府から農家への各種補助金も結構な金額である。農家は農産物の販売価格だけで100%食っているわけではない。補助金は政府の税金による補てんだ。
農家の補助金は、貧乏バイトの時給を税金で割り増しにするのと大して違わないのである。
警察官などの公務員になれば。彼らはその仕事で1円も儲けているわけではないから、給料の100%全額が政府の税金である。
警官の時給1500円の内、まるまる1500円が税金なのである。
これらの政策は、働く人を助けてるわけだから、「生活保護」ではない。
「ベーシックインカム」というより、「負の所得税」に近い感じか?
しかし、こういう、リベラルな、左翼的な労働運動・社会運動があると、必ず、「社会主義の危険」「左翼の匂い(笑)」を嗅ぎつけて、なんだかんだと反対する人たちがいる。
ひとつは、自由市場経済、自由競争、優勝劣敗を信奉する社会ダーウィニスト。
もうひとつは、とにかく左翼っぽいことが嫌いな心情右翼。
しかしだ。
だったら、そういう社会ダーウィニストや心情右翼の皆さんは、「エキタス」とかいう貧困青年たちを批判する前に、安倍ちゃんをこそ、批判しないとおかしい。
エキタスは路上から、下から目線で、「賃上げ」を要求しただけだが、
安倍ちゃんは、財界人を首相官邸の呼びつけて、上から目線で、「賃上げ」を要求したのだ。
安倍晋三首相が4年連続の賃上げ要請、ベア継続も 「少なくとも今年並みの水準期待」 働き方改革実現会議 - 産経ニュース
2016.11.16
政府は16日、関係閣僚と有識者による「働き方改革実現会議」の会合を首相官邸で開いた。議長の安倍晋三首相は、平成29年春闘に向け経済界へ賃上げを求めた。政府が賃上げの旗振り役を務める「官製春闘」は4年連続。経済の好循環を生み出すためには賃上げの継続が不可欠だと判断した。賃上げによる個人消費の拡大で日本経済を下支えしたいとの狙いがある。
安倍ちゃんは、会社の都合や経済合理性を軽視した、政治的理由による、正社員の賃上げ要求。
エキタスは、会社の都合や経済合理性を軽視した、個人的理由による、非正規社員とバイトの賃上げ要求。
安倍ちゃんとエキタスの要求は同じなのだ。
安倍ちゃんの狙いは
経済の好循環を生み出すためには賃上げの継続が不可欠だと判断した。賃上げによる個人消費の拡大で日本経済を下支えしたいとの狙いがある。
だったら、エキタスの要求だって、同様の効果が期待できるのである。
貧乏人の所得が増えれば、間違いなく需要は喚起する。
景気には好影響だ、ただし、財政には負担だ。
メリットとデメリット。それは消費税増税延期と同じである。
安倍ちゃんが右翼だからといって、アベノミクスも右翼なわけではない。
アベノミクスは、ハイエクではなくケインズであり、政治的にはリベラル左翼なのである。
(まとめ)アベノミクスは【リベラル左翼】である。 - 在日琉球人の王政復古日記
それでも左翼には反対!というのなら、すでに存在する左翼的な制度「累進課税」も廃止すべきだ。
われわれ日本の納税者は消費税を納めている。
話を単純にして消費税10%ならば、
100円の買い物、消費税10%→10円、支払110円
1000円の買い物、消費税10%→100円、支払1100円
10000円の買い物、消費税10%→1000円 、支払11000円
ということだ。
じゃあ、所得税も同じように、全員一律10%の所得税を考える。
年収100万円、所得税率10%→10万円、手取り90万円
年収1000万円、所得税率10%→100万円、手取り900万円
年収1億円、所得税率10%→1000万円、手取り9000万円
ということだ。
これは公平なように見えて、貧乏人には負担が大きくなる「逆進性」がある。
そして、現行の所得税はこうなっていない。
高所得と低所得で税率を変える「累進課税」である。これも単純化して、
年収100万円、所得税率5%→5万円、手取り95万円
年収1000万円、所得税率30%→300万円、手取り700万円
年収1億円、所得税率50%→5000万円、手取り5000万円
ということだ。
累進課税のメリットは2つあって、
カネを持ってるヤツからじゃんじゃん取れるので、国家税収アップ。
金持ちと貧乏人の格差を縮められるので、所得再配分。
この「所得再配分」は思想的に左翼的・リベラル的なので、現行の累進課税の所得税は左翼的・リベラル的である。
よって、消費税は右翼的(ネオリベ的)、累進課税は左翼的(リベラル的)、ということになるが、実はもっと右翼的(ネオリベ的)な税金もある。
国民全員、収入に無関係に、一律・同額の税金「人頭税」である。
人頭税1人50万円ならば、
年収100万円、人頭税50万円、手取り50万円
年収1000万円、人頭税50万円、手取り950万円
年収1億円、人頭税50万円、手取り9950万円
年収0円、人頭税50万円、手取りマイナス50万円
となる。
この場合、貧乏人に厳しい逆進性はさらにきつく、年収の無い失業者や子供は借金を背負うことになる。
こうみると、人頭税は理不尽に感じるが、人頭税の思想こそ人間社会の常識である。
通常の生活、社会活動、商売は、すべて人頭税的に計算されているのである。
年収100万円の人も、年収1000万円の人も、年収1億円の人も、年収0年に人も、牛丼1杯380円で変わらない。
新幹線の東京~新大阪の運賃も、ユニクロのフリースも、ブルックスブラザーズの背広も、販売価格は年収で上下しない。
われわれの日常の売り買いは、毎日コンビニでやってることは、JRのキップ売り場でやってることは、全部「人頭税」と同じシステムである。
税金は公平であるべきだ。
だから、税額も、牛丼、運賃、フリース、背広と同じく、税金も一律同額「人頭税」であるべきだ、、、こう考え、ナント実際に実行しようとしたのが、イギリス宰相・マーガレット・サッチャーである。しかし、こればっかりはいくらなんでも、ということでイギリス中が大反対し、これがサッチャー政権の命取りとなった。
もちろん、サッチャーがそうであったように、自由競争、優勝劣敗を、正しい在り方として賛同し、「最低賃金時給1500円」に「努力しない無能力者が泣き言をいうな!」と笑うのは、思想として認めてもいい。
ならば、賃金だけでなく、税金も、左翼丸出しの「累進課税」も廃止して、自由市場経済社会を生きる、独立した個人として、自己責任として、当たり前の「人頭税」方式を採用すべきだろう。
もちろん、国民健康保険だって、アメリカ共和党が批判するように、明らかに左翼思想なわけで、健康管理は個人の責任、他人の病気は私のサイフと無関係、ということで、医療費全額自己負担が当然である。
左翼を批判しながら、自由市場経済万歳と言いながら、自分の生活に都合のいい部分だけ「左翼」をつまみ食いする。それじゃ社会人として失格であろう。