映画「狼をさがして」予告編(2021年)
連続企業爆破事件、大道寺死刑囚が死亡 東京拘置所で:朝日新聞デジタル
2017/5/24(水)
1970年代に起きた連続企業爆破事件で、殺人などの罪に問われた大道寺将司死刑囚(68)が24日午前、東京拘置所で死亡したことが、関係者への取材でわかった。死因は多発性骨髄腫という。
大道寺死刑囚は71~75年、「東アジア反日武装戦線」を名乗る集団が三菱重工ビルなどに相次いで爆弾を仕掛けた事件で、殺人罪などに問われた。三菱重工ビル爆破事件では8人が死亡、380人が負傷。87年に最高裁で益永(旧姓片岡)利明死刑囚とともに死刑が確定していた。
平成の皆んさんは、特に平成の反左翼・ネット保守の皆さんは、左翼というと、何でもかんでも一緒くたにする傾向がある。
しかし、代々木(日本共産党)と、中核派と、革マル派と、革労協は、全然別の組織であり、お互いにお互いを憎しみ合っている。
同じ「保守」を名乗っていても、日本会議と小林よしのりは違うでしょ?
それと同じだ。
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代々木や中核派や革マル派と、連合赤軍はまた別の組織だし、東アジア反日武装戦線も全く別の組織だった。
戦後日本の左翼は、「対米日本民族解放闘争」的な面はあったものの、主流は資本対労働の「階級闘争」であり、日本のマイノリティに目を向けた「少数民族解放闘争」は、「階級闘争」敗北後の1970年代になって、やっと、出てくる。「在日」なり「オキナワ」なりの用語が左翼業界で人気になるのもこの頃からである。
その中でも、共産主義に傾倒して、北海道独立・対日民族解放闘争をやろうという革命組織は、人口が減りすぎたせいか、アイヌの中には生まれなかったようだ。私が知らないだけであったらゴメン。
しかし和人=シャモ側には、「アイヌ抑圧への罪悪感」と「共産主義」を化学反応させたような過激派が生まれている。
その名も「東アジア反日武装戦線」。
「東アジア」で「反日」である。
21世紀のネット保守をすこぶる刺激するネーミングだ(笑)。
さらに、東アジア反日武装戦線の「さそり」グループは、ほぼ間違いなく東映映画「女囚さそり」からのネーミングであろう。
東映ピンキーバイオレンス映画が、現実のテロ組織に影響を与えたのだ。
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この組織は、大道寺将司を始めとして北海道出身者が非常に多い。
地域色の強い、日本の左翼の中でも、珍しいタイプだ。
ある意味、北海道の風土と、アイヌの見えない影が、産み落とした過激派だった。
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リンチせし者ら自ら総括す檸檬の滓を搾るがごとく(死刑囚坂口弘)~平成未成年リンチ殺人=昭和連合赤軍。 - 在日琉球人の王政復古日記
平成の事件の少年少女たちは「なんでこんなことに?!」と自問自答しているだろうが、
昭和の(当時の)青年たちも、同じように「なんでこんなことに?!」と自問自答しながら40年以上、すでに老境に入って、独房でまだ生きている。
わが胸にリンチに死にし友らいて雪折れの枝叫び居るなり
リンチせし者ら自ら総括す檸檬の滓を搾るがごとく
女らしさの総括を問い詰めて「死にたくない」と叫ばしめたり
亡き夫もリンチに加担していますかと夫人が迫りぬ真夏の面会
この手紙あす福岡に着くという不思議を思う獄よりの速達
長男が悲しき姿で夢に出しと遺族の方の便りにありき
済まないと風呂に入るたび詫びるなり裸で埋めし亡き同志らに
ひとやにて爪先立ちて見やれども花火は見えず音のみ響きて
外廊下を歩みガラス戸の前に来て老けし中年のわれに驚く
こらえても嗚咽こみ上げうろたえぬ調べ室にて母と会うなり
連合赤軍の生き残り、死刑囚・坂口弘の歌である。
元・東アジア反日武装戦線・大道寺将司死刑囚も、五七五の俳句を詠む。
死者たちに如何にして詫ぶ赤とんぼ
看守みな吾を避けゐる梅雨寒し
蛇として生まれし生を存(ながら)ふる
生まれきてなにを愉しむ寒海鼠(かんなまこ)
縄跳びに入れ損ねたる冬日かな
水底の屍照らすや夏の月
その時の来て母還る木下闇(こしたやみ)
鬼ならぬ身の鬼として逝く秋か
後の世は野天に啼けよきりぎりす
春雷に死者たちの声重なれり
ゆく秋の死者に請はれぬ許しかな
汗疹して今日の命を諾へる
干蒲団死者に貰ひし命かな
木菟啼いて吾が病臭に噎せにけり
身の奥の癌の燃え立つ大暑かな
棺一基四顧茫々と霞みけり
しかし、東アジア反日武装戦線・大道寺将司が俳句を詠むのは、いいのか?
東アジア反日武装戦線は、虐げられたアイヌの側に立ち、日本民族の犯罪性を糾弾した「反日」戦闘集団である。
俳句という日本独特の文学に没入するのは、アイヌへの、東アジア人民への、裏切りにはならないのか?
日本人は、反日であっても、「日本」に還っていく。
ナショナリズムは恐ろしい。
英爆発の実行犯、ここ数年でイスラム過激主義に傾倒か 大学中退 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
2017年05月24日
英中部マンチェスター(Manchester)のコンサート会場で爆発が発生して22人が死亡した事件で警察から自爆犯と特定されたサルマン・アベディ(Salman Abedi)容疑者(22)。英メディアによると、地元の大学で経営を学んでいたが昨年中退していた。数年前からイスラム過激主義に傾倒し、治安機関にも知られていたという。
アベディ容疑者は英国第3の都市マンチェスターで、敬虔(けいけん)なイスラム教徒のリビア人家庭に生まれた。英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、一家は市南郊のファローフィールド(Fallowfield)地区に少なくとも10年居住していた。
父親はモスク(イスラム教の礼拝所)で礼拝の呼び掛けをするなど地元でよく知られた人物で、アベディ容疑者もそのモスクに通っていたという。
英国内通信社プレス・アソシエーション(PA)が情報筋の話として伝えているところによれば、アベディ容疑者は2014年にマンチェスターのサルフォード大学(University of Salford)で経営を学び始めた。しかし2年後に中退し、学位は取得しなかった。大学内でトラブルなどはなかったという。
一方、英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は、アベディ容疑者はここ数年でイスラム過激主義に傾倒したと伝えている。
アベディ容疑者は現場で爆発物を起爆させて死亡した。
昭和の連合赤軍と、平成のヤンキー・リンチ殺人は、本質的に、同じだったと思う。
リンチせし者ら自ら総括す檸檬の滓を搾るがごとく(死刑囚 #坂口弘 )~平成未成年リンチ殺人=昭和 #あさま山荘 #連合赤軍 - 在日琉球人の王政復古日記
昭和の東アジア反日武装戦線の企業爆破事件と、21世紀のイスラム教徒の爆弾自爆テロは、どこが同じで、どこが違うのか?
イロイロ考えてみたい。
※追記 2021/05/06
右翼団体の街宣予定受け ドキュメンタリー映画上映中止:朝日新聞デジタル
2021年5月6日
神奈川県厚木市の映画館「あつぎのえいがかんkiki」が、右翼団体の街宣活動の予定を受けて、ドキュメンタリー映画の上映を中止した。配給会社は近隣店舗への説明やスタッフの負担など「劇場の事情を考慮した」と説明している。映画関係者からは懸念する声も上がっている。
映画は、韓国人のキム・ミレ監督の「狼(おおかみ)をさがして」。1970年代に三菱重工業本社などの連続爆弾テロ事件を起こした「東アジア反日武装戦線」を追う。3月下旬から各地で公開され、同館では5月8日から上映を予定していたが、1日に中止を発表した。
同館と配給会社「太秦」は連名で「上映中止の経緯」とする文書を公表。厚木署から、8、9日に右翼団体が周辺で街宣活動をするとの連絡があったとして「騒音などで近隣住民や隣接店舗に迷惑をかけることは心苦しい」「見物人が密となり、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される」と理由を説明した。
この右翼団体が、任侠系か、民族派か、ネトウヨ系か、反共か、嫌韓か、知らないが、故・大道寺将司にとって、ある意味、最高の手向けかも知れない。
もちろん、映画関係者はたまったもんではない迷惑だとは思うが。
この右翼団体は、もはや誰も思い出さない、古道具屋に転がっていた黴臭い剥製を、今なお危険な、日本人を噛み殺しかねない、生きた「狼」だと警戒してくれたのだ。
令和の御代、死せる昭和のテロリスト、生ける右翼を走らす。
もって、瞑すべきか。