#風立ちぬ #ユーミン #松任谷由実 ひこうき雲VS地上の星 #中島みゆき ~ #白井聡 #安倍晋三 #反知性主義 - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
まず最初に、このブログでは、政治思想を大きく3つに分ける。ネオリベ、ソシアル、コンサバである。リンク先をご参照。
ネオリベVSソシアルVSコンサバ~現実的な政治路線は「3つ」しかない。あるいは「3つ」もある。 - 在日琉球人の王政復古日記
リンク先では政治思想を三角形で表現したが、個人個人の思想はかっちりデジタルには3分されず、ある程度の「幅」、グラデーションがある。
よってここでは三角形ではなく六角形で表現する。
A.自由主義(ネオリベ)≒資本主義。
B.アンチ・コンサバ≒反右翼。戦前日本、靖国神社が嫌い。
C.社民主義(ソシアル)≒左翼。
D.アンチ・ネオリベ≒反資本主義。アメリカ、ホリエモンが嫌い。
E.保守主義(コンサバ)≒右翼。
F.アンチ・ソシアル≒反左翼。朝日新聞が嫌い。
前回、
中島みゆき:ソシアル(点C)
としたが、他のミュージシャンも考えてみよう。
ただ、私はあんまり音楽を聴かないんで、たくさんの歌手は知らない。
「違うよ!」「判ってない!」「この歌手はどうなんだ?」などなど「ご異見」は多々あると思うので、コメントでもいただければありがたい。門外漢で申し訳ない。
まず松任谷由実は、生まれも育ちも不動のネオリベ(点A)。全くブレがない。
対して中島みゆきは、原則ソシアル(点C)で間違いないが、あまりにネオリベ(点A)への拒否感が強いので、辺CDに引っ張られ、アンチ・ネオリベ(点D)要素がないではない。
だいたいにおいてポップミュージックは原則リベラル=ソシアル(点C)である。
さらに日本には特殊事情がある。
戦争に負け、GHQの洗脳(笑)もあり、ナショナリズム=コンサバ(点E)の否定から再出発となった。国民は貧困=ソシアル(点C)の途上にあり、アメリカの豊さ=ネオリベ(点A)に憧れた。
根っこはソシアル(点C)で、夢はネオリベ(点A)にあった。歌手もどっちかが大半だ。
終戦から1960年代戦後経済高度成長までは、安保闘争に戦争反対、日々の貧しさを歌うソシアル(点C)か、明日への夢を歌うネオリベ(点A)か。
70年代から豊かさ=ネオリベ(点A)が日常になるが、豊かさの虚構性への告発、豊かさの代償への反発として、ソシアル(点C)もまだ健在であった。
中島みゆきは、豊かさの虚構性(豊かになっても、私の愛は成就しない)への告発としてのソシアル(点C)の代表格であるが、
豊かさの代償(原発)への反発としてのソシアル(点C)の代表例は、忌野清志郎だろう。
忌野清志郎 LOVE ME TENDER 【放射能はいらねぇ!】
1988年
80年代になると、日本も貧困から脱出し、安保闘争も完全に敗北し、それ以降に生まれた歌手は社会の矛盾より個人の恋愛が中心のネオリベ(点A)がほとんどだ。
「60年安保」「70年安保」があったように、「80年安保」もある。
60~70年代が「新左翼革命の夢と挫折の時代」だったように、80年代は「資本主義革命の狂乱の時代」だった。
80年代日本キャピタリスト革命の極限を歌う「革命歌」はこれか。
山下達郎 - クリスマスイブ
1983年
曲は1983年だが、CMは1988年。
曲が生まれた1983年には、CMを作ったJRはまだ生まれていなかった。
労働運動=左翼運動の拠点だった「国鉄」が、民営化=ネオリベ化され「JR」に変わったのが1987年。
80年代、バブル経済が加速していた時代だ。すべてはバラ色だった。国鉄=左翼は終わった。JR=資本主義大勝利である。
まさか、90年代に山一証券や北海道拓殖銀行がブッ潰れて、2010年代も牛丼一杯300円台のまんまだなんて、右翼も左翼も想像できなかった。
もちろん2020年代と違う部分はある。しかし基本構造は80年代から変わっていない。
真っ白の肌に真っ赤な唇。深津絵里の化粧に時代を感じる。
男女は待ち合わせる。急いで走る。オンタイムの連絡が難しい。2人ともスマホを持ってないからだ。
自撮りもできないので証明写真ボックスで笑顔の練習だ。
緑色の公衆電話ボックスはもはや街角には見かけない。
マンションの扉に手書きのメモを張り付ける。SNSも無いから伝言が難しい。システム手帳が流行っていた。
クリスマスプレゼントのオシャレなラッピングは、80年代だから可能だった。60年代~70年代前半の恋人は用意できなかった。
改札の駅員が切符を回収する。深夜に買い物できるコンビニは登場したが、自動改札はまだ無かった。
しかし社会構造や男女関係の基本は2020年代とほとんど変わっていない。
80年代から、この40年、あんまり進歩してこなかった、停滞している、とも言える。それはそれで日本の深刻な問題である。
山下達郎はもちろん松任谷由実と並ぶネオリベ(点A)の代表だ。
冷戦終結、バブル崩壊でキャピタリスト革命も終わり、90年代から21世紀になると、ようやくポップミュージックにコンサバ(点E)が登場する。
生まれ育ちはソシアル(点C)だったが、アメリカ資本主義=ネオリベ(点A)への拒否感があまりに強く、アンチ・ネオリベ(点D)を通り越して、今ではコンサバ(点E)の代表格となった、長渕剛。
1991年
俺の祖国 日本よ! どうかアメリカに溶けないでくれ!
誰もが我が子を愛するように??
俺の祖国 日本よ! ちかごろ ふざけすぎちゃいねぇか!
もっともっと 自分を激しく愛し 貫いてゆけ
銭はヨオ! 銭はヨオ! そりゃ 欲しいけどヨオ!
何ボ積んでも 何ボ積んでも 譲れねぇものがある
対して、生まれ育ちは松任谷由実と同じネオリベ(点A)だったが、主に反戦平和意識が強くナショナリズム反対、徐々にアンチ・コンサバ(点B)を通り越して、今やソシアル(点C)の代表格となったのが桑田佳祐。
サザンオールスターズ – ピースとハイライト(Full ver.)
2013年
何気なく観たニュースで お隣の人が怒ってた
今までどんなに対話(はな)しても それぞれの主張は変わらない
教科書は現代史を やる前に時間切れ
そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?
希望の苗を植えていこうよ 地上に愛を育てようよ
未来に平和の花咲くまでは 憂鬱(Blue)
絵空事かな? お伽噺かな? 互いの幸せ願うことなど
長渕剛(点E)と桑田佳祐(点C)が仲が悪いのは政治思想的に当たり前なのだ(笑)。
左翼な桑田佳祐がイヤなら、愛国の長渕剛がいるじゃないか(笑)~ミュージシャンは原理的に「リベラル」である。 - 在日琉球人の王政復古日記
他にコンサバ(点E)の歌手を探すと、やはり演歌、たとえば戦前から戦後の「靖国歌謡」とも言うべきテリトリーはコンサバ(点E)である。
祀られぬ女性の靖国歌謡~昭和14年「九段の母」~昭和29年「岸壁の母」~昭和32年「東京だョおっ母さん」。 - 在日琉球人の王政復古日記
「靖国歌謡」はもちろん靖国神社の歌だが、同時に、「九段の母」「岸壁の母」「東京だョおっ母さん」は故郷の歌でもある。
演歌でもフォークソングでも、生まれ育った故郷を歌う歌手は多い。
昔は、遠く離れた東京から故郷を歌うことが大半だったが、
1974年
地元に残る、または、Uターンした歌もある。
大空と大地の中で 松山千春
1977年
生きる事が つらいとか
苦しいだとか 言う前に
野に育つ花ならば 力の限り生きてやれ
地元愛は郷土愛、郷土愛は愛国心に通じる。
高校野球やヤンキー成人式・特攻服卒業式も同じ。
郷土のために散華する特攻隊の不合理な玉砕が見たい世間~高校野球は太平洋戦争の再演・鎮魂。ゆえに丸坊主。ゆえに女人禁制。 - 在日琉球人の王政復古日記
特攻服卒業式こそ岡山の明日への希望~中学生の青春を潰して、故郷を捨てさせ、挙句の果てにシャッター商店街(笑)。 - 在日琉球人の王政復古日記
21世紀になると、生まれ育った故郷=地元から離れない若者が増える。
2006年
J-POP三国志~ #ユーミン #松任谷由実 VS #中島みゆき ~ #ジョニー大倉 VS #矢沢永吉 ~ #忌野清志郎 #湘南乃風 - 在日琉球人の王政復古日記
に続く。