在日琉球人の王政復古日記

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#BREXIT #EU離脱 映画列伝(その2)「マイケル・コリンズ」(1996年)~ロンドン市長イスラム教徒。

#BREXIT #EU離脱 映画列伝(その1)「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002年)~ジャガイモ飢饉→アメリカ移民。 - 在日琉球人の王政復古日記

の続き。

   

ジャガイモ飢饉の無慈悲な仕打ちにアイルランド人の怒りが爆発。独立運動が本格化しIRAアイルランド共和軍が結成され独立戦争。紆余曲折の末アイルランド共和国が独立する。

しかし入植者スコットランドプロテスタントが多数派の北アイルランド=アルスター地方だけはイギリスに分離・イギリス領に残留する。

独立後は、全島独立か?北部切り離しか?の内ゲバ内戦でアイルランド人同士が殺し合う。

 

アイルランド独立戦争アイルランド内戦を描いた映画。 

マイケル・コリンズ」(1996年)
麦の穂をゆらす風」(2006年)
  


Michael Collins - Trailer - (1996) - HQ

 


映画 「麦の穂をゆらす風」 (06 アイルランド英独伊西) 予告編

 

映画「マイケル・コリンズ」~「窮鼠猫を噛む」~どぶねずみ(琉球)の覚悟は、ニャンコ(日米)が決める。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

イギリス領北アイルランドの反体制派・カトリックアイルランド人は「ナショナリスト」と呼ばれる。「イギリス国民」という意味ではなく「アイルランド民族」という意味だ。過激派は「リパブリカン」。「アメリカ共和党」ではなく「反イギリス王制=共和制支持者」という意味だ。

ナショナリストリパブリカンの「アイルランド南北統一独立」政党はシンフェイン党。準軍事民兵テロ組織はアイルランド共和軍IRA暫定派である。

 

体制派・プロテスタントスコットランド系は「ユニオニスト」と呼ばれる。「南北アイルランド連合」ではなく「イギリスとの連合」である。過激派は「ロイヤリスト」。「イギリス王制支持者」である。

ユニオニスト・ロイヤリストの「北アイルランド防衛」政党は民主統一党DUP。準軍事民兵テロ組織はアルスター防衛同盟UDA、アルスター義勇軍UVFである。

 

映画や小説では反体制派カトリックのIRAが有名だが、

現実には体制派プロテスタントのUDA、UVFもテロ行為をやりまくった。

さらにイギリス警察、イギリス軍も、イギリス国民のはずのカトリックを殺しまくった。

 

戦後北アイルランドテロリズムを描いた映画はたくさんある。 

 

正規のイギリス軍が、タテマエ上(笑)、イギリス国民であるはずの北アイルランドカトリック住民を射殺した「血の日曜日事件」を描いた映画。

「ブラディ・サンデー」(2002年)
主題歌はU2だ。

 


U2 - Sunday Bloody Sunday-HQ

 

IRAと誤解され、冤罪で投獄されたアイルランド人親子の話。

父の祈りを」(1993年)

 

IRAテロリストが、獄中ハンストで、ガチで餓死するまでを描く。

「ハンガー」(2008年)

  

琉球 #辺野古 ≒ #Brexit ~北アイルランドIRAハンガーストライキ餓死、 #三島由紀夫 切腹、越南僧焼身自殺。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

しかし18世紀まで700年も独立できなかったアイルランドが、どうして19世紀に立ち上がり20世紀の独立できたのか?

それは19世紀になって、アイルランド問題が、イギリスとアイルランドの1対1ではなく、事実上アメリカを加えた三国志に変化したからだ。

 

イギリスとアメリカは同盟関係、それも他国とは比較にならない歴史的に特別な同盟関係である。イギリスが他国ともめれば、だいたいにおいてアメリカはイギリスの味方だ。

しかし、アイルランドアメリカにとって他人ではない。移民の末裔アイルランドアメリカ人は3000万人もいる。しかも他の移民に比較してエスニシティへの帰属意識が高い。

これはアメリカ社会にも、勝ち組WASPアングロサクソンプロテスタント)と負け組カトリック白人(アイルランドポーランド、イタリア等々)の緊張関係があったからだ。

アイルランド系にとって北アイルランド問題は、父や祖父の実話であり、自分たちの実生活の類似であり、他人事ではなかった。

もともとアイルランドにはヨーロッパ大陸カトリック特にバチカンからの支援はあったが、アメリカのアイルランド系社会から物心両面の支援が増加する。非合法な金や武器がアメリカからやって来る。独立運動家もアメリカに逃げればイギリス政府の手が届かない治外法権だ。

 

IRAテロリストとアメリカ・アイルランド系社会の関係を描いた 

「デビル」(1997年) 

映画としては大したことないが(笑)、日本人も知ってるハリソン・フォードブラッド・ピットが出演してるのがとっつきやすいと思う。

 


The Devil's Own (1997) Trailer

 

映画じゃなくTVドラマだが、日本でもファンが多いから見やすいだろう。

これもIRAとアメリカの関係を描いている。

 

刑事コロンボ「策謀の結末」

陽気で酒好きなステレオタイプアイルランド人テロリストと、イタリア系コロンボ刑事の対決。どっちもカトリックである。

  


Columbo-Intro_Song-s07_e05-The_Conspirators.mov

 

これでイギリスの完全勝利は不可能となった。かといってアメリカは公式にはイギリスの味方であり、アイルランドの大逆転も難しい。そして北アイルランドが残った。

 

もしも、ジャガイモ飢饉の時、イギリスがアイルランド人を同じ国民として救済していれば、その後の歴史は変わっただろう。アイルランド人の反英感情も爆発せず、なによりアメリカに巨大なアイルランド系社会も形成されず、イギリスのアイルランド統治ははるかに容易だっただろう。

 

アイルランド人800年の歴史は差別だし悲惨だった。

しかし、古今東西、民族対立、宗教差別、植民地搾取、飢饉、内戦、テロ、なんか山ほどある。アイルランド人が世界市上、特別に悲惨とまでは言えない。

  

イギリスはアイルランドの他にも世界中に植民地を持っていた、経済を搾取し、原住民を殺した。インドやアフリカでやった極悪非道は、アイルランドでやった鬼畜外道の何十倍も酷かった。

他国も同じで、ドイツとロシアとポーランドウクライナユーゴスラビアミャンマーロヒンギャアルメニアアゼルバイジャン支那チベットウイグルルワンダツチ族フツ族、スペインとバスク、フランスとアルジェリアイスラエルパレスチナ南アフリカアパルトヘイト、酷い飢饉や虐殺や搾取や差別はいくらでもある。

 

1972年、北アイルランドでイギリス軍が(タテマエ上)同じイギリス国民であるはずのカトリック住民14人を撃ち殺し、大問題になった。

確かに残虐だが、イギリス軍がインドやアフリカや清国で殺してきた人数はケタが違う。ロシア人が殺したウクライナ人はケタが違う。ルワンダフツ族が殺したツチ族はケタが違う。しかしこれらはアイルランドほど大騒ぎにならなかった。

  

アイルランドは特別だ。ヒドイ言い方になるが「恵まれた被差別民族」なのだ。

 

#BREXIT #EU離脱 映画列伝(その3)「ブラディ・サンデー」(2002年)~アイルランド首相インド系LGBT。 - 在日琉球人の王政復古日記

に続く。