謹賀新年。
去年令和2年、今年令和3年は、コロナの年となった。
ウイルスは自分の遺伝子をたくさん複製したい。
そのためにはたくさんの宿主(人間)に感染したい。
よって、感染力は強ければ強いほどいい。
ウイルスはその毒性で宿主(人間)を殺してしまうと自分も減るから愚策。
同じく毒性で宿主(人間)を病気にしたり弱らせたりすると宿主(人間)が活動しなくなるなり他の宿主(人間)に接触して感染するチャンスが減るから愚策。
よって、宿主を殺さない、弱らせない、毒性は弱ければ弱いほどいい。
感染力が強いウイルスは増殖する。感染力が弱いウイルスは増殖しない(淘汰される)。
毒性が強いウイルスは増殖しない(淘汰される)。毒性が弱いウイルスは増殖する。
よってウイルスは感染力が強く毒性が弱いウイルスに変異する。
・・・てなことをウイルスは「考えていない」。なぜならウイルスに「脳みそは無い」。
たとえば「ウイルスは自分の遺伝子をたくさん複製したい」みたいな表現は、無生物の、非人間のウイルスの「擬人化」である。
「ウイルスは自分の遺伝子をたくさん複製したい」は、人間から見て、結果的に、そう見えるだけ。
世間に出回る商品は、商品自身が売れようと考えて自己改造するわけではなく、市場競争で、売れたら商品は(商品ではなく)人間が増産し、売れない商品は(商品ではなく)人間が製造中止にするだけ。
この「擬人化」は、人間の思考・表現の基本にビルトインされている。
(私を含めて)誰でもやっている。注意しても意識しても逃れられない。
人間はペットや動物も「擬人化」する。人間は組織や国家も「擬人化」する。人間は自然や地球も「擬人化」する。
そして「擬人化」は、注意しないと、ちょくちょく、考えを歪める。間違えさせる。
たとえば「地球温暖化から地球を救おう!」みたいな表現があるけれど、地球温暖化で地球は「何も困らない」。気温100度でも零下100度でも地球は暑くも寒くも感じない。
なぜなら地球に「脳みそは無い」。単なる「土のかたまり」である。
地球温暖化で困るのは、地球ではなく、人間だけ。
ウイルスが人間に「感染」して、感染力が強くなり、毒性が弱くなる、方向へ「変異」する、という表現が「擬人化」である。
本当は、ウイルス「全体」は人間に「感染」して、人間の抗体反応などの抵抗を受け、いろんなパターンの「変異」を起こす。
感染力が強く毒性が強いウイルス「個体」もできる。
感染力が強く毒性が弱いウイルス「個体」もできる。
感染力が弱く毒性が強いウイルス「個体」もできる。
感染力が弱く毒性が弱いウイルス「個体」もできる。
それらの自由競争の結果、感染力が強く毒性が弱いウイルス「個体」が残り、残りのウイルス「個体」は淘汰される。
それが、
ウイルス「全体」が人間に「感染」して、感染力が強くなり、毒性が弱くなる、方向へ「変異」する、ように(人間からは)見えるだけ。
と同時に、
人間「全体」もウイルスの「感染」によって「変異」する。
ウイルスに感染し難く毒性に抵抗力が強い人間「個体」が生き残り、ウイルスに感染し易く毒性に抵抗力が弱い人間「個体」は、病気になったり、死んだり、淘汰される。
人間「全体」は、感染し難く毒性に抵抗力が強い人間「個体」の増加で、結果的にそのウイルスに対する耐性を獲得する。これを「進化」という。
「変異」「進化」「変化」は同じ話である。
ウイルス「全体」も人間によって「変異/進化/変化」を強いられ、
人間「全体」もウイルスに「変異/進化/変化」を強いられる。
この、人間「個体」、ウイルス「個体」は、それぞれ(※一応)実在する。
そこのあなたも、この私も、人間「個体」である。
感染者の肉体にいるのはウイルス「個体」である。
あなたも私も人間「個体」は実在する。ウイルス「個体」も実在する。
じゃあ、
あなたや私を含む人間「全体」や、ウイルス「個体」の集合であるウイルス「全体」は、実在してるのだろうか?
人間「全体」やウイルス「全体」は、「個体」とは別に、確かに実在する。この考え方をキリスト教神学で「実念論(実在論)」という。
「個体」は実在するが、人間「全体」やウイルス「全体」は、単なる名称・集合名、便宜上名付けただけで、実在はしない。これを「唯名論」という。
人類という実在がある=「実念論」。
個々の人間は実在しても、人類は単なる名称で実在しない=「唯名論」。
あなたはどっちの立場だろうか?
《キリスト教映画列伝》 #薔薇の名前 ~衣服はイエスのものか?神を笑えるか?薔薇は存在するか?~実念論VS唯名論。 - 在日琉球人の王政復古日記
※一応:キリスト教だと「あなたも私も(神の作りし)個体は実在する」と考えてイイのだが、仏教になると「オマエはホントに実在するのか?」という話になってくる。そうなるとミリンダ王まで出て来て話が長くなるので、今回はキリスト教までとする。
「感染」するのは、コロナなどウイルスに限らない。細菌、真菌(カビ)、寄生虫、非生物のタンパク質(プリオン)も「感染」する。
寄生虫も「感染」する。寄生虫の場合は「寄生」という。同じ話だ。
「寄生」は、寄生虫にメリットがある。宿主にデメリットがある。宿主は栄養を奪られる。病気になる。
しかし、宿主にメリットを与える寄生虫もある。
欧州初、ドイツで寄生虫の卵のサプリメントが合法的に販売開始か? | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
2017年8月15日(火)
<寄生虫に感染するとアレルギー疾患が改善する、とも言われていたが、ブタやイノシシの寄生虫の一種であるブタ鞭虫(べんちゅう)の卵が、ドイツで栄養補助食品として販売される可能性がある>
特定の寄生虫、ダイエット効果 腸で脂肪燃焼促進、マウスで確認 群馬大など:朝日新聞デジタル
2019年4月23日
群馬大学と国立感染症研究所の研究グループは、特定の寄生虫が腸内にいると脂肪燃焼が促進され、やせやすい体になることをマウスの実験で確認したと発表した。
寄生虫の卵のんで、皮膚や腸を治療 慈恵医大が臨床試験:朝日新聞デジタル
2017年12月13日
東京慈恵会医科大は、寄生虫の卵をのませて免疫状態に変化を起こす治療法の臨床試験を始める。まずは安全性を確認する。寄生虫によって一時的に感染症を引き起こすことで免疫システムを調節し、皮膚の病気・乾癬(かんせん)や潰瘍(かいよう)性大腸炎などの患者への効果が期待されるという。
デメリットでなくメリットのある「感染」は「共生」という。一部の寄生虫は「共生虫」なわけだ。
「寄生/共生」するのは、ウイルス、細菌、真菌(カビ)、寄生虫、タンパク質(プリオン)だけではない。
ミツバチは花の蜜を食う。花はミツバチに受粉を手伝わせる。ミツバチと花は「共生」している。
「感染」「寄生」「共生」も同じ話である。
ウイルスや寄生虫が人間に「感染/寄生/共生」するように、
真菌(カビ)も植物に「感染/寄生/共生」する。稲のいもち病がその一例だ。
サカサマに、植物が真菌(カビ)に「感染/寄生/共生」する例もある。
コロナVS人間~変異/進化/変化~擬人化~実念論/唯名論~オキナワソウ~乳糖不耐性 - 在日琉球人の王政復古日記
に続く。