在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

肉VS人間~北朝鮮・共産主義型飢饉VS日本終戦直後・アナキズム型飢饉~先軍のイカ・インジョコギ(人造肉)

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インジョコギ(人造肉) 別名「先軍のイカ

 

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大同江ビール

 

北朝鮮で深刻な食糧不足 主食が高騰、餓死者の情報も:朝日新聞デジタル

2021年4月5日
 新型コロナウイルス流行を防ぐため中朝国境を封鎖している北朝鮮から、食糧不足の深刻さを伝える情報が増えている。国境封鎖の影響は食糧以外の生活物資にも及び、住民の不満は高まっているようだ。
 韓国の情報機関、国家情報院が2月中旬に国会に行った報告によると、北朝鮮の昨年の穀物生産量は440万トンだった。需要量550万トンと比べると、100万トン余りが不足するとみられる。不足量は例年とほぼ同じ水準だが、これまで中国から輸入や密輸、支援の形で入ってきた穀物の量が激減し、数字以上に厳しい状況に陥っているようだ。
 北朝鮮の内部と連絡を取り合う複数の脱北者によると、コメは不足がちだが、当局の統制で価格は比較的安定している。しかし、平壌近郊のある町では、北朝鮮で主食といえるトウモロコシの価格が今年に入って急騰。3月の価格が昨年の平均と比べて約3割上がっているという。
 昨年の水害でトウモロコシの収穫量は減った。さらに、中国からの輸入に依存していた砂糖が国境封鎖のために極端に不足し、トウモロコシが甘味料の代替材料に使われていることも値上がりの原因という。この脱北者は「トウモロコシの価格が上がると、暮らしへの影響は大きい」と心配する。
 春の農作業の時期を迎えているが、農業用の機械や資材が足りず思うように進んでいないようだ。脱北者の一人によると、北朝鮮中部のある地域からの情報では、必要な量に対して肥料は約7割、農業用のビニールは約6割も足りていない。農業用の動力として欠かせない牛も、えさが足りず死ぬ例が相次いでいるという。
 現地の住民はこの脱北者に、「これほど資材が不足したことは近年なかった。食べるものがなく、協同農場に出勤できない農民も多い。都市部も厳しく、内陸部では餓死者も出ている」と伝えたという。
 不足しているのは食糧にとどまらない。平壌ロシア大使館は1日、フェイスブックで、首都でも医薬品を含む必需品の不足が深刻で、駐在する各国の外交官や国際機関の職員が相次いで国外に避難していると明らかにした。 

 

北朝鮮のロシア外交官一家、手押しトロッコで国境越え:朝日新聞デジタル

2021年2月27日
 ロシア外務省は25日、在北朝鮮ロシア大使館に勤務するロシア人外交官とその家族が、手押しトロッコを使ってロシアに帰国したと明らかにした。北朝鮮新型コロナウイルス対策のためロシアとの国境を封鎖しており、同省は「他に手段がなかった」としている。
 同省によると、ロシアに帰国したのは平壌ロシア大使館のウラジスラフ・ソロキン3等書記官と、3歳の娘を含む家族ら7人。平壌から列車に32時間、バスに2時間乗って国境近くに到達。その後、荷物を載せたトロッコでロ朝国境の豆満江に架かる鉄道橋を渡った。トロッコには動力がなく、同書記官が「メインエンジン」としてトロッコを1キロ以上押したという。一家はロシア側で同省職員らに出迎えられ、ウラジオストク経由でモスクワに戻った。
 ロシアメディアによると、帰国は子供の健康問題が理由で、2週間以上の自主隔離が求められる中国経由での帰国は断念。唯一の手段が、徒歩による国境越えだったという。トロッコはロ朝合弁企業のもので、北朝鮮の作業員がペンキを塗り直し、子供用の座席を取り付けたという。
 同大使館の報道官は国営ノーボスチ通信の取材に、「かなり珍しい旅だったが、北朝鮮で働くロシアの外交官は困難に慣れている。みな忍耐強く、いつも楽天的な気持ちを忘れない」と語った。(モスクワ=石橋亮介) 

 

北朝鮮の酒、不正に持ち込んだ疑い オークションに出品:朝日新聞デジタル

2020年12月5日
 静岡県警磐田署は4日、北朝鮮産の酒類を国内に不正に持ち込んだとして、大阪市の20代の会社員の男を外為法違反(無承認輸入)の疑いで静岡地検書類送検したと発表した。
 署などによると、男は昨年5月上旬、関西空港に帰国した際、経済産業相の承認を得ずに北朝鮮産のビールや焼酎計4本を荷物に隠して持ち込んだ疑い。中国からのツアーを個人で申し込んで北朝鮮に入国し、酒類を購入したという。「自分で飲むために買った」と供述しているが、県警がインターネットのオークションサイトに出品されているのを発見した。
 日本は核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮への経済制裁として、北朝鮮を原産地、または船積み地とするすべての貨物の輸入を禁止している。

 

最近の朝日新聞北朝鮮のネガティブネタに熱心だ。

終戦直後に愛国から左翼に「転向」したように、また「転向」か? 期を見るに敏である(笑)。

 

皆さんもうお忘れかも知れないが、北朝鮮経済制裁は今世紀の話。

20世紀なら普通に北朝鮮産食品も日本に輸入されていた。総連系(笑)のお店や朝鮮学校の文化祭なんかで入手できた。

 

令和の皆さんには「北朝鮮の酒なんて食中毒起こしそう」って思われそうだが、昔はビールに関して「韓国より美味しい」と評価が高かった。まあ、昔は(今も?)韓国ビールが不味過ぎた、という話らしいが(笑)。

ただ、大麦の品質か?醸造技術か?は知らないが、年によって味にバラツキがあったらしい。なんかワインみたいだな(笑)。

焼酎の評判も悪くなかったらしい。度数が高いから安全だろう。

逆にマッコリは、度数が低いし、個人的には、危ない気がする(笑)。

 

北朝鮮も、初代・金日成時代前半は、ソ連からの援助もあって、韓国より豊かだった。

もともと日本統治時代から、炭鉱やダムなど工業インフラは半島北部に集中していて工業が盛ん。南部は農村地帯だった。

しかし、金日成時代後半には共産主義特有の硬直した体制で経済成長が止まる。

対して韓国は朴正煕の「漢江の奇跡」で経済成長。南北は逆転する。

二代目・金正日時代に頼みの綱・ソ連崩壊、「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉になり、餓死者が続出する。

 

天候不順などの天災による不作は別にして、政治的理由による飢餓には2つの種類がある。

共産主義型」と「無政府・アナキズム型」だ。

 

共産主義型飢饉」とは、経済政策に失敗した政権が、その強大な国家権力によって引き起こす飢餓である。
典型例は社会主義国家で、特にスターリン時代のロシアや毛沢東時代の大陸支那が有名だ。
国家権力が暴力を駆使して、農村部から食料を収奪して、政府がある首都へ持って行く。
国民全体が飢餓状態ではあるが、政府が守る首都はまだマシで、農村部が真っ先に飢餓地獄に落ちる。

北朝鮮は今のところ共産主義型飢饉であるようだ。

 
「無政府・アナキズム型飢饉」とは、経済政策に失敗した、または敗戦した政権が、その統治能力を喪失して引き起こす飢餓である。
典型例は1945年夏以降の日本だ。
国家権力が崩壊し、貨幣価値が暴落し、猛烈なモノ不足によってインフレとなる。

農村部は食料を売り惜しみ、首都を含め都市部へ食料が入ってこない。

自活できる農村部はまだマシで、人口の多い都市部が飢餓地獄に落ちる。

 

北朝鮮だろうが、終戦直後の日本だろうが、共産主義だろうが資本主義だろうが、いかなる形式の国家権力も基盤は都市に置く。
よって、権力が強力なら、都市が強い立場になり、相対的に農村は弱い立場になる。
逆に、権力が弱体化すると、都市が弱い立場になり、相対的に農村は強い立場になる。

 

今までの北朝鮮も、金さんのムチャクチャな指導によって、農業政策をズタズタにして、飢饉が起こり、金さんの基盤である平壌だけは飢えさせないように、農村から食料を強奪し、平壌は一応無事で、まず農村から餓死者が出るのが通常だったろう。

農村で餓死者が出ている間は、まだ北朝鮮は揺るがない。

 

しかし、悪い状況が改善しなければ、平壌も飢え始める。黄信号点滅だ。

平壌が飢え始めれば、軍部が飢え始める。軍部が飢え始めると赤信号である。

 

ソ連も、大陸支那も、北朝鮮も、兵士こそが最後までメシが食える階級なのだ。兵士がメシを食えなくなると、共産主義体制の終わりだ。

共産主義型飢饉」から「無政府・アナキズム型飢饉」に変わる。

 

食料の強奪に核ミサイルは役に立たない。カラシニコフがモノを言う。

軍部が平壌の命令ヌキで現地調達を始めれば、北斗の拳の世界である。

  

北朝鮮の飢饉ではコメやトウモロコシの話になるが、人間の「肉体」は文字通り「肉」であり、タンパク質で出来ている。

人間は肉を欲する。

菜食主義者の禅僧もジャイナ教徒もヴィーガンも、タンパク質無しでは生きられない。

もちろん北朝鮮も、コメやトウモロコシ以外に、タンパク質が必要だ。 

 

[アーカイブ]<写真・北朝鮮の暮らし>庶民のタンパク源「人造肉」 – アジアプレス・ネットワーク

2014年2月7日
◇90年代「苦難の行軍」期から普及 「先軍のイカ」との呼び名も
(ペク・チャンリョン)
慢性的な食糧難に陥っている北朝鮮の人々は普段、どんなものを食べているのだろうか。北朝鮮内部で秘密裏に撮影された写真を元に、庶民の生活事情に迫るシリーズ。今回紹介するのは、庶民が好む「人造肉(インジョコギ)」。油を搾った後の大豆の残りカスの固めたものだ。
幅5センチ、厚さ3センチ程度の帯状で、ぐるぐると巻かれた写真の姿で全国の公設市場や路上で売られている。また、片手ほどの大きさに切り取った人造肉の中にご飯を詰め、辛く味付けされた「人造肉ご飯」も、屋台の食べ物として人気を集めている。
90年代、北朝鮮では、「苦難の行軍」と呼ばれる時代があった。金日成主席(当時)の死去に伴い国家システムが崩壊、未曾有の経済難と社会混乱が訪 れ、200万~300万人といわれる餓死者が出たのだった。人造肉が普及し始めたのはその頃。当時、多くの人々にタンパク質が圧倒的に不足する中、いわば 「時代の要求」を受けての登場だった。
実は人造肉にはもうひとつの呼び名がある。「先軍のイカ」というのがそれだ。人造肉が、故金正日総書記が「苦難の行軍」を打開するために打ち出した、「先軍政治」というスローガンと共に全国に広まったことを皮肉った呼び方だ。
人造肉は大豆の搾りかすをローラーで伸ばして作られる。何度伸ばしたのか、そして油をどれだけ搾ったのかが味を左右する。当然、油っ気の多いものの方が香ばしく美味しい。
庶民の代表的な食材であるため、料理法も様々。細く切ってトウガラシ粉と酢であえたものは、酒の肴として男性に人気だ。また、野菜と共に炒めて食べる料理もある。
傷みにくい上に軽く、持ち運びにも適しているため、各種建設事業や農作業、軍事訓練に強制的に動員される男性たちに重宝される。筆者も北朝鮮に住んでいた当時、ずいぶんお世話になった。
例えば民間の軍事訓練で15日間家を離れる「赤衛隊訓練」の際に、人造肉は必須だった。訓練所の兵営で夜、車座になり、ちぎった人造肉をわさびにつ けたのをつまみに酒を飲んだものだった。つまみを食べ尽くした別のグループの誰かが「おい、人造肉を1メートルだけ分けてくれ」と声を張り上げていたこと は、忘れられない記憶である。 

 

「先軍のイカ」という命名から、なんとなく味が想像できる。大豆で作ったスルメなんだろう。

 

この世で、殺生を禁ずる、動物性食品を食わない禅僧、ジャイナ教徒、ヴィーガンが成立するのは、大豆という「奇跡の植物」が存在するからだ。

 

もしもこの世に大豆が無かったら、北朝鮮だけでなく、江戸時代もない。

どころか、いくらコメやムギが収穫できても、70億人もの人間を養えない。

大豆と同じ量のタンパク質を手に入れようと、ウシ、ブタ、トリを飼うだけで、農地が足りない。

というか、そもそも、家畜のエサこそが大豆だ。大豆が無ければ家畜も消える。

そうなれば、アステカ文明のように人肉食しか方法がない。

 

20世紀の米ソ冷戦で、ソ連のアキレス腱は、小麦だった。

ソ連共産主義は、私有財産を欲しがる農民のメンタリティとの相性が最悪だった。

 

なぜソ連や北朝鮮は食糧不足になったのか?~共産主義反対&自由市場反対の農民は労働者ではない。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

全面核戦争を覚悟する敵から小麦を買わないと飢え死にする。ソ連の敗北は小麦から始まった。

 

21世紀の米中冷戦も、中国のアキレス腱は、大豆なようだ。

中国の場合は、イデオロギーではなく、13億人の胃袋だ。

 

2020年の中国大豆輸入、前年比13%増で過去最高 | ロイター

2021年1月14日
[北京 14日 ロイター] - 中国税関総署によると、2020年の同国の大豆輸入は前年比13%増の1億0033万トンで過去最高となった。マージンの改善で圧砕業者が買い付けを増加させたほか、養豚業の急回復による需要も旺盛だった。
(略)

 

中国「食べ残し禁止」法可決 浪費ならごみ処理費負担も: 日本経済新聞

2021年4月29日
大食い番組も禁止 違反者に罰金
(略)
法律に事細かい要求や禁止を並べたのは、習近平(シー・ジンピン)国家主席が昨年8月「食糧安全保障には常に危機意識を持たなければならない」と強調したことがきっかけだ。大豆やトウモロコシを輸入する米国との対立が長引くことも視野に、飲食時の浪費を戒める指示を出した。
(略)

 

まあ、この世に大豆が初めから存在していなければ、逆に、70億人まで増える前に、戦争か飢饉か病気で人口がストップしていただろう。 

限界は世界人口3億人くらいか?

 

21世紀、北朝鮮だけの話ではない。ウシ、ブタ、トリはこれ以上増やせない。

だから「昆虫食」という話が出てくるようになった。

他にも、キノコなどの菌類からの代替肉、

ウシやブタの細胞からの培養肉、「細胞農業」という分野も出てきた。

 

青森)食卓にバッタを 弘大助教と昆虫食会社が共同研究:朝日新聞デジタル

2020年8月29日
 トノサマバッタを食料として活用する道を探ろうと、弘前大農学生命科学部が昆虫食の専門会社「TAKEO」(東京都)との共同研究に乗り出した。環境昆虫学研究室の管原亮平助教が飼育技術の開発、同社が商業生産や需要の掘り起こしに取り組み、食品として普及する可能性を探る。
(略)

 

代替肉の新たな供給源:キノコなどの菌類 - WSJ

2019年10月11日
菌類由来のタンパク質は原料が明確であまり加工する必要がない
 ハイテクを駆使した代替肉の開発競争にはこれまで2つのグループがあった。一つは、植物からハンバーガーなどの肉状製品を作るビヨンド・ミートやガーデインといった企業で、もう一つは研究室で動物の細胞から肉を培養しようとしているメンフィス・ミーツなどだ。
 そこに異なる手法を採用する新たな一団が登場した。プライム・ルーツやエマジー・フード、エコバティブ・デザインといった新興企業は、菌類――きのこ、かび、酵母を含む生物群――から代替肉を開発している。
(略)

 

代用肉の進化と、「細胞農業」がもたらす食の未来:伊藤穰一 | WIRED.jp

2018.09.16
食品を細胞培養によってつくり出す「細胞農業」と呼ばれる分野が注目されている。植物ベースの代用肉の先には、本物の肉が培養だけで人工的につくられる時代がやってくるだろう。食糧生産の未来には真の科学の力が必要であり、いますぐこの問題に取り掛からねばならない──。
(略)

 

われわれ自由市場経済も、近い内に「インジョコギ」時代を迎える。