社説：五輪のリスク評価 分科会の意見聞くべきだ | 毎日新聞
2021/6/3
人々の移動を抑制し、「３密」を避け、海外からの入国も厳しく制限する。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、世界の国々が苦労してとってきた対策だ。
東京五輪はこれに逆行する。だからこそ、科学に基づく綿密なリスク評価と管理が欠かせない。
ところが、当事者である組織委員会や東京都、政府は、これまできちんと取り組んでこなかった。
開催すると感染者がどれほど増加し、医療にどの程度負荷がかかるか。それは許容できるレベルなのか。東京から世界に新たな感染を広げるリスクはどうか。中止と判断すべき条件は何か。
(略)
専門家の間では感染状況が「ステージ４」（感染爆発）なら開催は困難との見方が強いという。当然だろう。開催した場合には、競技場外で人出が増えることで感染が広がるリスクが高まる。
(略)
菅義偉首相は「国民の命と健康より五輪を優先することはない」と述べた。もはや様子を見ている段階ではない。
2021/05/26 朝日新聞「中止断言」
2021/05/27 読売新聞「開催断言」
2021/05/28 産経新聞「開催努力（断言まではできず）」
2021/06/01 中日新聞/東京新聞「開催疑念（中止とは書けず）」
2021/06/03 毎日新聞「開催疑念（中止とは書けず）」
2021/06/03現在、日経新聞「沈黙」。
中止なのか？、開催なのか？、はどっちでもいい。
どっちでもいい、どっちでもいいから、ちゃんと明確に書けるかどうか？、である。
朝日は一番槍を突いた。
読売は翌日に受けて立った。
産経も、毎日も、中日・東京も、朝日より先に、読売より先に、旗を上げない限り、天下が取れるわけがない。
しかも、産経も、毎日も、中日・東京も、遅れたうえに、中止も開催も断言できない。
なんで、読売と朝日と日経が日本のマスコミのトップ３なのか？
なんで、毎日は朝日より格落ちで、産経は読売より格落ちなのか？
保守メディアのトップ、リベラルメディアのトップ、として、いざという時に「勝負」を打てる根性があるか？ないか？、である。
日経？
日経はネオリベの司令塔として、「金持ち喧嘩せず」だ(笑)。
勝負しなくても、菅政権・自民党を、ヨイショしなくても、批判しなくても、右でなくても、左でなくても、「許される」、それもまた、日経の日経たる由縁である。
菅政権は「やる」。
アメリカもワクチン供給で後押ししてる。
もはや、流れは「やる」で決まりだ。
しかし、不気味なのが、政府分科会・尾身会長の言動である。
菅政権が「やる」と決めてから、尾身会長（とバックにいる分科会の専門家）が、完全にアリバイ工作に入った。
「分科会は、事前に、明確に、警告しました。もし『何か』が起こっても、責任は菅政権であり、分科会は責任を取れません。後になって、請求書を回さないでね」
日経が「開催」と書けないのは、尾身会長を見ているのかもしれない。
このまんま、沈黙で通すのか？
それとも、コロナ変異株の状況、ワクチンの接種状況をギリギリまで見極め、土壇場で決定打を狙っているのか？
開催でも、中止でも、勝負を決めるのは、日経だろう。
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