在日琉球人の王政復古日記

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肉VS人間~エビ・カニが食えれば、コオロギ・イモムシも食える~鎌倉幕府VS昆虫食帝国

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これが御馳走なのに、

 

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これが食えるのに、

 

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なんで、これが気持ち悪いのか?

 

カニ味噌が食えて、なぜ、イモムシが食えないのか?

 

米で発生の17年ゼミ、甲殻類アレルギーの人は食べないで! FDA 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

2021年6月3日
【6月3日 AFP】米国で17年ごとに出現するセミを使った料理のレシピが多数公開される中、食品医薬品局(FDA)は2日、不用意に食べないよう警告した。
 FDAツイッターTwitter)に、「言っておかなければならないことがある! セミはエビと近縁関係にあるので、甲殻類アレルギーがある人は食べないで!」と投稿した。
(略)  

 

生物学的にはセミはエビに近い。エビが食えるならセミも食える。

 

2021年の世界人口は約79億人。

1900年の世界人口は約16億人だった。

100億人になるのはいつか?・・・ならない。

ちょっと前まで、2100年で人口100億人、と言われていたが、人口予測は、年々、減って、短く、なっている。

今のところ、ピークは2060年代の97億人、2100年に88億人まで減る。

おそらくは、さらにピークは前倒しになり、人口は増えないだろう。

 

じゃあ、食糧危機は来ないのか?と言えば、食糧危機は来る。

人口が減るのは、第三世界、アフリカと南アジアの生活水準が上がるからだ。生活水準、特に女性の人権が保護されると、出産率が減って、人口は増えなくなる。

人口は増えなくなるが、アフリカと南アジアの生活水準が上がる。もっとリッチな食い物を求めるようになる。

 

ずばり、食糧危機とは、タンパク質危機である。

 

タンパク質は、大豆を除けば、動物を食うしかない。この動物肉の生産コストが高い。カネというより、環境負荷だ。

飼料と水と土地が必要になるが絶対的に足りない。そして家畜は温室効果ガスも出す。

食ってる動物の種類が問題になる。ウシ、ブタ、ニワトリの3大家畜は、これ以上生産できない。

飼料と水と土地が少なくて済み、温室効果ガスも少ない。しかしタンパク質は多い。

そういう動物はいるのか? いる。それが昆虫だ。

 

理想的なタンパク質の条件は、

・種類が多く、量も豊富なこと。
・繁殖力が旺盛なこと。
・エサが人間の食糧と競合しないこと。
・変温動物でエネルギー効率がいいこと。 

となるが、昆虫はすべてクリアする。

 

昆虫を含む節足動物こそ、この地球上の最大勢力だ。哺乳類、鳥類、魚類など脊椎動物全体より多い。人間が頑張っても食い切れない。

たとえば、クモは、人間79億人が食う肉や魚と同じ量のタンパク質を、虫から得ている。

 

世界のクモの餌消費量、初の推定 人間の肉・魚の消費量に匹敵 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

2017年03月15日
 全世界に生息するクモが食べている昆虫の量は、毎年4億~8億トンに及んでいるとの研究結果が14日、発表された。これは人間が1年間に消費する肉と魚の総量に匹敵するという。
(略)
 論文は背景説明として、人間による肉と魚の年間消費量は約4億トンである一方、クジラは年間2億8000万~5億トン、海鳥は年間約7000万トンの餌を食べていると指摘している。
(略) 

 

世界人口がピークアウトしても、21世紀は「昆虫食」の時代になる。

昆虫食以外には、大豆以外・動物以外のタンパク質、菌類(キノコ)などの「代替肉」、ウシブタ細胞を工場で培養する「培養肉」も出て来るだろう。

しかし、テクノロジーが無くてもすぐ食えるのは、昆虫だけだ。

 

昆虫食が本格的になれば、野や山から取ってくる「狩猟」では間に合わない。衛生面でも、工場で育てる昆虫養殖業・昆虫畜産業だ。

人間が直接昆虫を食うだけでなく、ブタの飼料にもなる。

 

福岡:イエバエで食糧危機解消 昆虫技術をバイオ企業開発 - 毎日新聞

2018年10月8日
旧ソ連の研究引き継ぐ
(略)
 社名のムスカは、身近にいる代表的なイエバエの学名から取った。45年間で1100世代の交配を繰り返して改良を続けた「エリートのイエバエ」を活用する。家畜糞尿(ふんにょう)にイエバエの卵を置き、ふ化した幼虫が出すさまざまな酵素有機肥料化する。育ったイエバエの幼虫は良質な動物性たんぱく質として飼料の原料になる。
 有機廃棄物の分解が通常より早く、しかも高性能な肥料と飼料を同時に作り出す技術は、旧ソ連が宇宙船内での食糧供給システムとして研究していたもの。同社の串間充崇会長らが引き継いで完成させたという。
(略) 

 

ウシやブタと同じで、昆虫も肉の質と量を改善するために、品種改良が進むだろう。

ウシやブタより育成が早いから、品種改良も早く、タンパク質や脂肪で体が膨れ上がった巨大なコオロギ、イモムシも登場するかもしれない。

  

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動物界・節足動物門・昆虫綱・鞘翅目・カブトムシ亜目・ゴミムシダマシ上科・ゴミムシダマシ科 

 

今でも気持ち悪いのに、1メートルのぶよぶよイモムシなんて、と思うかもしれないが、日本人はこんなものを喜んで食ってるではないか。 

 

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動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・条鰭綱・スズキ目・タイ科・マダイ亜科・マダイ属・マダイ

 

ミルワームも「尾頭付き」、タイも「尾頭付き」、同じなのである。

 

さらに琉球人はこういうモノを喜んで食っている。

 

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動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・鯨偶蹄目・イノシシ亜目・イノシシ科・イノシシ属・イノシシ種・ブタ亜種

 

「ブタのカシラ」がダメで、なんで「タイのカシラ」がイイのか?

 

琉球人や台湾人や支那人が、わざわざ豚の頭部をそのまんま肉屋に置くのは「並んだスライス肉は確かに豚肉ですよ」「他の動物(例えば犬)じゃないですよ」と(豚だけど)羊頭狗肉を否定するためでもあるだろう。

もし豚の頭が無かったら、目の前のスライス肉が、本当に豚なのか?他の動物なのか?の保証はない。

 

逆に言えば、牛や豚は、ワンコやニャンコと、そして人間と、肉体構造はまったく同じだ。頭蓋骨を砕き、逆さに吊るして、血抜きして、内臓をくりぬき、刃物でズタズタに切り刻めば、見分けは付かない。

 

形状が生きたまんまだと食いにくいのは、虫に限らない。

獣肉は、スライスすれば、何の動物か?判らない。

昆虫だって同じことで、ミンチにすれば、ハンバーグにすれば、虫の形状を失えば、コオロギもイモムシも、ウシもブタも、変わらない。

 

コストはOK、栄養もOK、見た目もOK、残るは味だ。

 

エビやカニが昆虫の仲間であるように、味もだいたい似ている。

コオロギやセミはエビカニっぽい味だ。

イモムシなどは、タラコなど魚卵やナッツ類に似ている。

正直言えば、肉というより、珍味、酒の肴っぽい味になりそうだ。

 

見た目だけでなく、味にも慣れがある。

例えばバター。日本人が本格的に食い出したのは明治以降だが、当時は「バタ臭い」といって、臭いと味を受け付けない人がたくさんいた。

当時の日本人にとって、バターを食う行為は、ラードの塊を丸かじり、ごま油をコップ一杯飲む、に近い感覚があったのだろう。

でも今では普通に食っている。人間は慣れる。

  

なぜ、人間がムシを食うのか?、ではない。サカサマだ。

なぜ、今の今まで、ムシが、ムギ、コメ、トウモロコシ、ウシ、ブタ、ニワトリのように、人間の主要食糧になってこなかったか?である。

 

大量に生息し、簡単に採取でき、栄養価も高い。

実際に食ってる地域・文化は多い。 しかし常食地域でも主食ではない。

人間は、膨大な労働力を投下して、ムギ、コメ、トウモロコシなどの穀物を栽培し、ウシやブタを飼育する牧畜文化を築き上げた。

しかし、絹を取る「養蚕」と蜜を取る「養蜂」くらいで、ムシの肉を食うための「養蟲文化」を発展することはなかった。

 

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真核生物・動物界・真正後生動物亜界・左右相称動物・新口動物上門・脊索動物門・脊椎動物亜門・四肢動物上綱・哺乳綱・真獣下綱・真主齧上目・真主獣大目・霊長目・直鼻猿亜目・真猿型下目・狭鼻小目・ヒト上科・ヒト科・ヒト亜科・ヒト族・ヒト亜族・ヒト属・モンゴロイド日本民族・メス・上皇后陛下、御養蚕。

 

人間も動物であり、動物は原則として合理的に行動する。

ムシは食っても主食にはならない。ムシは採取しても飼育はしない。

昆虫食には、「養蟲」には、ムギやウシと違い、なんらかのボトルネックがあるのだろう。採算が取れないのか?技術の問題か?「養蟲」に向いた昆虫がいなかったのか?

 

さらに、昆虫食の歴史に影響があったのが、世界を制覇した文明が、寒くて乾燥していて、あんまり昆虫の生息に適していないヨーロッパから生まれたこともある。

ヨーロッパは、他の地域に比較して昆虫食は流行らなかった。

例外は、脊椎動物以外の「虫」まで広げて、エスカルゴくらいだろう。

 

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動物界・軟体動物門・貝殻亜門・腹足綱・有肺類

 

もし、アフリカや東南アジアから世界を制覇する巨大文明が誕生していれば、昆虫食は今以上にポピュラーになっていた。
令和のコンビニには、ツナマヨならぬ「芋虫マヨオニギリ」、唐揚げくんならぬ「コオロギ揚げくん」が並んでいたはずだ。   

 

ユーラシアの草原で何千何万頭の馬や羊を駆って、チンギス汗の帝国は生まれた。

東南アジアの密林で何万何百万匹のイモムシやコオロギを飼育して、天下を制覇した「イモムシ大王」は誕生しなかった。

 

東南アジアから北上した「昆虫食帝国」の外征船団が、大宰府鎌倉幕府と激突しなかったのは、日本史に元寇ならぬ蒙古襲来ならぬ「蟲寇」「蟲朝襲来」が無かったのは、歴史の必然か?歴史の偶然か?
 

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