在日琉球人の王政復古日記

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東京砂漠~小田急線10人刺傷対馬悠介容疑者~秋葉原加藤智大死刑囚~常磐線通り魔「取手がちょうどよかった」

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東京都心路線図。

 

日本1億2000万人。東京都市圏約3500万人。 

4人に1人が、ここに住んでいる。

 

小田急線乗客10人刺傷事件で36歳容疑者送検 女子大生への殺人未遂疑い - 社会 : 日刊スポーツ

2021年8月8日
東京都世田谷区内を走行中の小田急線で乗客10人が刃物で刺されるなどした事件で、警視庁成城署捜査本部は8日、女子大学生(20)への殺人未遂の疑いで逮捕した職業不詳、対馬悠介容疑者(36=川崎市多摩区)を送検した。
(略)

 

#サラダ油 こそが事件の本質~小田急線10人刺傷~幸せそうな女性を見ると殺したい~殺人の9割は家族知人。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

小田急線10人刺傷~重要な事を、途中で、いとも簡単に、諦めてしまう、対馬悠介容疑者36歳 - 在日琉球人の王政復古日記

 

小田急線10人刺傷対馬悠介容疑者のライバルたち~東日本大震災直前~地方国立大学の辛さ - 在日琉球人の王政復古日記

の続き。

 

事件の要因の一つとして「小田急線」というのは小さくないと思う。

 

日本人のうち、首都圏在住者3500万人くらいが、仮に乗った経験が無くてもだいたい「小田急線」を知っている。

しかし、残りの8500万人は、名前だけしか「小田急線」を知らない。

小田急線」が判ってないと、対馬悠介36歳くんの犯罪も判りにくいだろう。

 

対馬悠介36歳くんの大先輩と言えば、彼が有名だ。

 

秋葉原通り魔事件から13年 現場では花など手向ける人たちも | 事件 | NHKニュース

2021年6月8日
東京 秋葉原で7人が死亡、10人が重軽傷を負った通り魔事件から8日で13年です。
現場には線香を供えた小さな台が設けられ、花などを手向ける人たちの姿が見られました。
平成20年6月8日、大勢の人たちでにぎわう東京 秋葉原歩行者天国にトラックが突っ込み、通行人がはねられたうえ、次々にナイフで刺され、7人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
当時25歳で事件を起こし、殺人などの罪に問われた加藤智大死刑囚(38)の死刑が確定しています。
(略)

 

この大虐殺も、「秋葉原」が重要なキーポイントだった。 

 

対馬悠介36歳くんのライバルはまだいる。

※実名は本質に関係ないので削除した。 

 

「動機ひと言では言えない」 取手のバス襲撃容疑者: 日本経済新聞

2010年12月20日
茨城県取手市のJR取手駅前でバスの中高生らが切りつけられ14人が負傷した事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された無職、※※※※容疑者(27)=同県守谷市=が、接見した国選弁護人に「動機はひと言では言えない」という趣旨の話をしていることが20日、分かった。
※※容疑者はこれまでの県警の調べに「人生を終わりにしたかった」と供述しており、県警は父親からも事情を聴いて生活実態を調べ、詳しい動機の解明を急ぐ。
国選弁護人の篠崎和則弁護士によると、※※容疑者は事件当時の状況を「何人けがをしたのか、どういうところを殴ったり切ったりしたのか、はっきりしない」と説明。
「14人けがしたようだが、軽傷だよ」と教えると「そうなんですか」と応じ、ほっとしたような表情を見せた。
同様の襲撃を過去に計画したとされる点については「(千葉県の)柏駅は確かに考えたが、(自宅近くの)守谷駅は考えたことがない」と説明したという。捜査関係者によると20日、県警の調べでも同様に説明、供述を変えた。
接見時の様子について篠崎弁護士は「受け答えは落ち着いており、おとなしい印象。謝罪の気持ちや後悔の念はあるようだ」と述べた。
捜査関係者によると、斎藤容疑者は高校卒業後、十数回転職。約1年前に仕事を辞め、自宅に引きこもるようになった。供述によると、仕事を辞めたころに凶器の包丁を購入した。〔共同〕

 

こっちでも、重要なのは「JR常磐線取手駅」だ。

 

この3つの通り魔事件は、「小田急線」「秋葉原」「JR常磐線取手」という地名が重要だと思ってる。

 


www.youtube.com

東京砂漠

 

11年前でもうリンク切れだけど、常磐線取手27歳くんの犯行自供が、今でも心に残っている。

 

「最初は守谷でやろうとしたが、人が少なくてできなかった。次に柏でやろうと2回思ったが、人が多過ぎてできなかった。取手がちょうどよかった」

 

この告白は例えようもなく暗くて深い。

本人も気付いていないが、事件の本質を全て表現し尽くしている。

そして本人が気付けなかったからこそ、事件を引き起こしたわけだ。

 

小田急線」「秋葉原」「JR常磐線取手」が判らないと、事件が判らない。

首都圏在住者は判るだろうが、関東以外の人にはニュアンスが伝わりにくい。

他の地方では比喩のしようが無いのだが、知ってる範囲では、かろうじて関西ならばこういう感じだ。

 

関西を、大阪中心に90度「反時計回り」に回転させて、規模を4倍くらいにすると、関東になる。

 

https://www.ndl.go.jp/scenery/kansai/map/map_n/index.gif

 

https://www.nittsu.co.jp/img/casestudy/local/kanto_01.jpg

 

大阪=東京:地域の中心。

尼崎=川崎:ガラの悪い工業地帯。

神戸=横浜:オシャレな港町。

須磨=湘南:瀟洒な海水浴場。

姫路=小田原:その向こう側の城下町。

奈良=埼玉:内陸のベッドタウン

吉野=秩父:山また山。

伊勢=日光:はるか向こうの神社。

和歌山=千葉:突き出た半島。

関空=成田:空港。

高野山成田山:半島の大寺院。

白浜=九十九里:その先の海水浴場。

天王寺=上野:始発駅。

てな感じだ。

もちろんピッタリではない。方向は歪んでいるし、規模が4倍だ。

また、京都の置き場所は難しい。

 

そういう比喩でいうのならば、

小田急線は、阪急神戸線宝塚線京都線である。東急・京王もここら辺だ。

秋葉原は該当がない。ないが、全国の人がテレビで見たことがあるだろう。

JR常磐線は、近鉄線、河内地方、八尾とか河内長野とかそんな感じだ。

関西の人にも事件現場のイメージがわいただろうか?

 

対馬悠介36歳くんは、勝ち組女性に怨念を抱いていた。

確かに、イメージでいうなら、小田急線は、秋葉原より、JR常磐線より、勝ち組女性は多いかも知れない。

しかし、「本当の勝ち組女性」は、そもそも小田急線に乗らない。電車に乗らない。タクシーで移動だ。

さらに、小田急線に乗る理由が無い。自宅は南青山のタワマンなんだから。

さらに、このクソ暑い8月に東京なんかにいない。軽井沢で庭に水まきだ。

 

加藤智大死刑囚38歳も、格差社会への怨念なら、上級国民なんかいない秋葉原じゃなく、日本資本主義の総本山・丸の内だろう。

しかし、頭の中の「オレの東京」には、丸の内も六本木も銀座も赤坂も広尾も存在しない。そして自分が知っている中では最高級の街・秋葉原に突っ込んだ。

 

常磐線取手27歳くんも、たかが柏程度の人の多さでビビってる時点で、勝負にならない。ターミナルの上野駅に殴り込むことなんて考えもしなかった。

上野だって、東京・池袋・新宿・渋谷に比べれば、2流の駅に過ぎない。

上野が思いつかない人間は、東京も池袋も新宿も渋谷も思いつかない。 

 

対馬悠介36歳くんも、加藤智大死刑囚38歳も、常磐線取手27歳くんも、格差社会に怨念を抱きながら、30センチ上のほとんど同じ人間しか視野に入らなかった。

1キロメートル上空のリアル勝ち組はもちろん、1メートル上のプチ勝ち組さえ、見えていない。足元ばかりを眺めて、遠くを眺める習慣がなかった。

 

勝ち組を怨む人間というのは、実は、本当の勝ち組がどこに住んでいて、どんな生活をしているのかを、想像できない人間なのである。

敵が想像できない。敵が判らない。それが格差社会という残酷の本質だ。

 

対馬悠介36歳くんも、加藤智大死刑囚38歳も、常磐線取手27歳くんも、勇気を振り絞って、丸の内オフィス街を、六本木交差点を、銀座鳩居堂界隈を、10日連続でぶらつけば、小田急線なんかで、秋葉原なんかで、常磐線なんかで、人生を無駄にする馬鹿馬鹿しさ・無意味さに、気付いたはずなのに。

 

加藤智大死刑囚38歳の問題は、銀座、六本木、丸の内に「行かなかった」ことではない。そもそも彼の頭の中の地図に、銀座、六本木、丸の内が「存在しなかった」。

彼は、銀座を知ることなく、六本木を歩くことなく、丸の内に見ることなく、そのチャンスは二度と訪れることなく、

自分が「何であった」のか?自分が「何でなかった」のか?を理解することもなく、13階段を登ることになる。