愛着のある故郷=パトリを捨てる選択を迫られるのは、何も米軍基地周辺の琉球人だけではない。
シリア人は内戦を嫌って、故郷=パトリを捨てて、ドイツへ逃げたのだ。
パトリオティズムVSお引越し~シリア難民は内戦がイヤでEUへ逃げた。琉球人も米軍基地がイヤならヤマトへ逃げろ。 - 在日琉球人の王政復古日記
の続き。
福島原発事故は、福島県浜通りの少なくない地域をノーマンズランドに変えた。ここを故郷=パトリにする福島県人も、他の地域で暮らすしかない。
昔々、明治初期、奈良県の山間地・十津川の住民は災害を期に、故郷を捨てて、北海道に「新十津川」を築いた。
広島の住人も暖かい瀬戸内から離れ、北海道に「北広島」を開いた。
正直言えば、どっちも貧困から逃れるために故郷=パトリを捨てたのだ。
そもそも、琉球のアメリカ軍基地は、日本政府の都合で存在するのではない。本質はヤマトによる琉球イジメ、琉球差別ではない。
琉球のアメリカ軍基地はアメリカ帝国の世界戦略で存在するのである。何でよりにもよって琉球かといえば、
琉球民族への差別ではない。琉球諸島のポジションつまり地政学の問題だ。
朝鮮半島からも台湾海峡からも近く、極東シベリアへも東南アジアにも南太平洋にも目が届き、インド洋・中東への西回りの中継地点になり、支那大陸から太平洋を守るかのような「海の万里の長城」、それが、不運にも、琉球諸島の「地政学的ポジション」だ。
仮に安倍ちゃんが真っ赤な左翼であっても、普天間はともかく、それよりはるかに大きな嘉手納はビクともしないだろう。
アメリカが琉球にオスプレイを置きたがるのは、琉球のためではなく、台湾にも朝鮮半島にも移動できる航続距離の長さにある。
もし朝鮮半島と台湾がなければ、琉球のアメリカ軍基地は、全部は無理でも、かなり減らせるだろう。
琉球人は、ヤマトだけでなく、韓国や台湾の安全保障の犠牲になっているのだ。
韓国政府や中華民国こそ、琉球へ「思いやり予算」を出すべきなのである(笑)。
琉球は、東シナ海と南シナ海のど真ん中にあるからこそ、苦しむのだ。
もしも、琉球が、千葉県房総半島の沖合に浮かんでいたら、こっちからお願いしても、アメリカは基地なんか作ってくれない(笑)。
よって、琉球のアメリカ軍基地は、自民党が選挙に負けるなどというミクロン単位の話ではなく、第二次世界大戦レベルの歴史大変動がない限り、動かしようが無いわけだ。
しかし琉球人が、基地から遠く離れたヤマトの何処かに移住することは可能だ。
だったら、基地ではなく、住民のほうを動かしたほうが、「引っ越せばいいじゃないか」のほうが現実的で経済的で合理的なのである。
・・・とここまで書いて、日米安保重視の保守派からは「そうだ!そうだ!」と賛成の声が掛かってるかもしれないが、不都合の流れは反転する(笑)。
合理的な「引っ越せばいいじゃないか」が正しいのならば、在日韓国人をはじめとする外国人移民も正しいのだ。
琉球人が東京へ職を探しにくるように、韓国人や日系ブラジル人が日本に引っ越してきただけの話だ。
「在日は出て行け!」は「引っ越せばいいじゃないか」と反対である。
「在日は出て行け!」は「アメリカ軍はオキナワから出て行け!」と同じである。
基地がイヤならば、住民の方が生まれた街から「引っ越せばいいじゃないか」。
外国人がイヤならば、日本人の方が生まれた街から「引っ越せばいいじゃないか」(笑)。
先にも書いたように、合理的な「引っ越せばいいじゃないか」は、不合理な「郷土愛=パトリオティズム」の否定なのである。その先は不合理な「ナショナリズム」への否定にもつながるのだ。
A子が好きなんだ!A子じゃないとダメなんだ!
普天間が好きなんだ!普天間じゃないとダメなんだ!
日本が好きなんだ!日本じゃないとダメなんだ!
は、手前勝手な、不合理な、欲望である。
合理的な火星人は納得しないかもしれない。
合理的な「引っ越せばいいじゃないか」。
不合理な「郷土愛=パトリオティズム」。
どっちが正しいのか?簡単な話ではないのだ。
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