在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

郷土のために散華する特攻隊玉砕が見たい日本人~高校野球は太平洋戦争の再演/鎮魂。ゆえに女人禁制。ゆえに丸坊主。

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僕が監督なら、週2回は休む ダルビッシュの高校野球論 - 高校野球:朝日新聞デジタル

2018年2月1日
 全国高校野球選手権大会は今夏、第100回を迎える。宮城・東北高時代に準優勝を経験し、その後、日本ハムをへて海を渡ったダルビッシュ有投手(31)が、高校野球への思いを語った。球児へのメッセージは「頑張らない!」。大リーグを代表する右腕の真意とは。
 頑張り過ぎなくていいんです、日本の球児は。何百球の投げ込みとか、何千本の素振りとか、そんなのを頑張っちゃダメなんです。
 東北高では、いわゆる強豪校の練習をみんながしていたけど、僕はしませんでした。納得がいかない練習は絶対にしたくないと強く思っていたので、ウサギ跳びとかそういう類いの練習は一切しませんでした。
 小さい頃から日本人じゃないような考え方を持っていたので、みんなの常識が僕の中では常識ではなかった。誰の色にも染まらず、考えて行動する力が身についたのが、高校時代だと思っています。
 日本の高校野球では、正しい知識を持たない監督やコーチが、自分の成功体験だけに基づいて無理を強いる。そういう側面があると感じます。改善されてきているのでしょうが、壊れてしまう選手、苦しむ選手は後を絶ちません。

 

ダルビッシュ有が語ってる競技は、アメリカ生まれのスポーツ「ベースボール」であって、日本で生まれた「高校野球」ではない。

 

日本の高校野球は、ベースボールとはぜんぜん関係ない別の「何か」だ。

おそらく、スポーツですらないのだと思う。

 

乱暴に極論で言えば、

 

日本人は、ダルビッシュ有が否定し批判する、不合理で非科学的で無茶苦茶な高校野球をこそ見たいのだ。

毎日200球投げて高校球児の肩をぶっ壊すような、

炎天下の延長戦で何時間も戦って熱射病や脱水症状になるような、

そういう高校野球を心から愛しているのである。

 

日本人も大好きだが、琉球人はさらに高校野球が大好きである。 

しかし、琉球人異端派(笑)の私は、高校野球が好きじゃない。見たいと思ったことがない。

あれは、ベースボールではないのだ。

 

涼しい季節にやればいいのに、ナイターにすればいいのに、ドーム球場で冷房を効かせればいいのに、わざわざ、一番暑い季節の、一番暑い真昼間に、毎日毎日試合をさせる。

選手の健康を考慮して、特にピッチャーは、どんどん交代させればいいのに、わざわざ毎日9回まで投げさせる。

 

高校野球とは、真珠湾に始まり、ミッドウェイで暗転し、ガダルカナルインパール、空襲、特攻、戦艦大和と続き、あの暑い夏の日の原爆と玉音放送と、その後の外地引き揚げで終わる、太平洋戦争の再演なのだと思う。英霊への鎮魂なのだ。 

 

特攻は外道の統率。

理性的な軍事理論も、科学的な戦略も、合理的な戦術も、何もない。

わざわざあえて科学を無視した、意識的に合理性を拒否した、無茶な精神論と狂気の根性論を押し通す。

単なる計算ミスの敗北を、さらに悲惨で劇的な民族滅亡のロマンチシズムあふれる運命論的な惨敗にするための、被虐的=マゾヒズムの極致。

 

肩が壊れるまで投げなければならない。

脱水症状になりながら走り回らねばならない。

ホンネを言えば、その後のプロ野球ドラフト会議すら不純だ。

無理を重ねて、甲子園で野球人生が終わってしまうのが、一番美しい。

 

高校球児は不合理に戦わなければならない。

学徒動員や特攻隊は無駄に散華しなければならない。

純粋無垢な滅私奉公に、合理的判断、損得計算、将来の人生設計があってはならないのである。

 

日本人は、毎年の夏、甲子園に、太平洋戦争を見るのだ。

 

負けて甲子園の土をかき集める光景は、

南方の戦場で散った戦友の遺骨収集なのだろう。

「友よ、一緒に故郷へ帰ろう」ということだ。

 

高校球児が丸坊主なのは当たり前である。戦地に赴く皇軍兵士が長髪であるわけがない。

 

高校野球が「女人禁制」なのは、高校野球がベースボールではなく、スポーツではなく、軍隊であり、宗教儀式だからだ。

女子マネージャーがグラウンドに出るだけで、審判があたふたするのは、「女性の安全のため」なんていうのは大嘘である。

宗教儀式の最中に「不浄な女人」を上げるわけにはいかない。大相撲と同じ理屈である。

帝国陸海軍に女はいない。いないはずの女が登場すると「戦争の再演」「英霊の鎮魂」にならない。

 

ヒンドゥー教の月経不浄=神道仏教の女人禁制~死んだ生理中のネパール少女も沖ノ島出禁。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

もしも、ダルビッシュ有への支持が集まり、みんなが合理的な高校野球に賛成するようになったら、「高校野球」は終わる。

その後は「高校生のやるベースボール」になるのだ。

それは、日本人がやっと太平洋戦争の呪縛から脱し、ようやく「戦後」が終わる、「昭和」も終わる、ということなのだろう。

 

まあ、そのアメリカのベースボールそのものも、スポーツ全体から見ると、かなり特殊なスポーツである。

そもそも「野球は球技なのか?」、私はかなり疑問を持っている。

 

ボールゲーム(野球)は、ボールゲーム(球技)ではない。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

またまた、大多数に嫌われることを、わざわざ書いている。

ボクって、マゾなの(^^)?