米で尊敬する人物、トランプ氏が法王と並び2位 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
米ギャラップ社が28日発表した尊敬する人物に関する世論調査で、女性ではヒラリー・クリントン前国務長官、男性ではオバマ大統領がトップだった。
クリントン氏は13%の支持を集め、14年連続、通算20回目の首位となった。2位は、パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、昨年のノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんで、5%の支持を得た。
男性部門でトップのオバマ氏は17%に支持された。次いで、ローマ法王フランシスコと、米大統領選の共和党指名候補争いで首位を走る不動産王ドナルド・トランプ氏が、ともに5%で2位だった。
調査は、18歳以上の米在住者を対象に、最も尊敬する存命の人物を尋ねた。
他のランキングも見てみよう。ギャラップ社のページ。
Clinton Most Admired Woman for Record 20th Time
翻訳してみる。
2015年 アメリカ人が最も尊敬する女性
13% ヒラリー・クリントン 白人・民主党・大統領候補
05% マララ・ユスフザイ パキスタン・イスラム教徒
04% オプラ・ウィンフリー 黒人・テレビ司会者02% カーリー・フィオリーナ 白人・共和党・大統領候補
02% 女王エリザベス2世 白人・英国国教会・イギリス元首
02% アンゲラ・メルケル 白人・キリスト教民主同盟・ドイツ首相
01% エリザベス・ウォーレン 白人・民主党・連邦上院議員
01% アウンサンスーチー ミャンマー・政治家01% コンドリーザ・ライス 黒人・共和党・元国務長官
01% サラ・ペイリン 白人・共和党・元大統領候補
01% エレン・デジェネレス 白人・コメディアン
2015年 アメリカ人が最も尊敬する男性
17% バラク・オバマ 黒人・民主党・現大統領05% 法王フランシスコ アルゼンチン・カトリック・現ローマ教皇
05% ドナルド・トランプ 白人・共和党・大統領候補
03% バーニー・サンダース 白人・民主党・大統領候補
02% ビル・ゲイツ 白人・実業家
01% ベン・カーソン 黒人・共和党・大統領候補
01% ダライ・ラマ14世 チベット・チベット密教法王
01% ジョージ・W・ブッシュ 白人・共和党・元大統領
01% ビル・クリントン 白人・民主党・元大統領
01% ビリー・グラハム牧師 白人・南部バプテスト・伝道師
女性はリベラル派が圧倒的に強い。
ヒラリー、マララ、オプラ、ミシェル、上位4位まで全部リベラル派。
保守派のトップが、共和党大統領候補で経済保守フィオリーナ。
女王陛下はまあ保守だな。
メルケルは保守なんだが、今年の行動は難民救済で明らかにリベラルだった。
アウンサンスーチーもリベラル好み。
ウォーレンは経済左翼。ヒラリーよりはるかに左。サンダースの女性版。
対して、サラ・ペイリンは右翼ポピュリスト。トランプの女性版。
ライスは異色。政治家というより政治学者。黒人女性ながらガチガチのタカ派。クレムノロジスト(旧ソ連研究家)でロシア語ペラペラで、ピアノはプロ級。おそらく、このリストの中では男を含めて、一番頭が良いだろう。彼女への支持は、黒人というより、保守派というより、高学歴者の支持だろう。
男性の方は、現職で黒人でリベラルなオバマ人気はまあ当然。
逆に、アメリカに仏教徒がそんなにいるはずがないので(笑)、ダライラマ人気はリベラル派であろう。
トランプは今が旬の時の人。中西部の高卒の白人労働者のアイドル。
逆に、東西両海岸のリベラル派が支持する社会主義者サンダース。
ゲイツは説明不要。
カーソンは、黒人で、さらに、セブンスデーアドベンチストという独特なポジション。ガチガチの福音派。
グラハム牧師はアメリカ人なら誰でも知ってる一番有名な伝道師。当然福音派。
ブッシュ・ジュニアとクリントン旦那は、日本から見ると、なんで、今でも人気があるのか不思議だが、
ブッシュ・ジュニアはバカだけど(笑)、バカだからこそ、中西部のアメリカ人にとってチャーミングな人物らしい。
クリントン旦那も、小泉さんや田中角栄に近い、有権者の心をつかむのが上手い「生まれながらの選挙の天才」だったらしい。
根強いヒラリー人気も、日本から見ると不思議だが、都市に住む一般アメリカ女性にとっては一種のアイコンなのだろう。
読売新聞もそうだけど、トランプ人気が話題になるが、他のメンバーを見ても判るように、政治家がランクインするのはそんなに珍しくない。
私からすれば、外国人、君主の英国女王や、マララ、アウンサンスーチー、ダライ・ラマ、メルケルの人気の方が興味深い。
アメリカ各地のテレビや新聞は、ほとんど全部が現地密着のニュースであり、たとえばアラバマ州の人間は普通に生活する限り、アラバマ州と、あとはワシントンの情報くらいしか入ってこない。
まあ今年のメルケルはイスラム難民からみで特別にニュースは多かったと思うが、
マララやアウンサンスーチーやダライ・ラマのニュースはそんなに多かったとは思えない。やはり海外に関心のあるリベラル派の支持なんだろう。
意外にも、スポーツ選手がいない。俳優も歌手いない。これもまたアメリカの一面。
日本なら、ビートたけしとか、イチローとか、今なら五郎丸とかが入りそうだけど。