在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

アメリカ大統領選挙~(ユダヤ系)大富豪は、宗教保守が嫌いで、リベラル民主党がお好き。

民主党

ヒラリー(ワシントン左派) ジョージ・ソロス:600万ドル、ハイム・サバン:300万ドル、個人献金上位11名中4人:額不明

サンダース(ラジカルリベラル) 個人献金上位11名中0人:0ドル

 

共和党

ルビオ(ワシントン右派) ポール・シンガー:250万ドル 他7人100万ドル単位

ポール(リバタリアン) ジョージ・マクリオコスタス:210万ドル

フィオリーナ(ポピュリスト) ジェロルド・ペレンチオ、ピーター・ティール、J.P.プリツカー、ロバート・マクネア:100万ドル単位

クルーズ(宗教保守) 0人:0ドル

トランプ(ポピュリスト) 0人:0ドル 

  

ワシントン派、ラジカルリベラル、宗教保守、リバタリアン、ポピュリスト~アメリカ大統領選挙候補「五大派閥」。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

アメリカ大統領選の面白い記事。

 

米大統領選の政治献金 ソロス氏がヒラリーに7億円 (Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース

米大統領選の候補者らに多額の献金を行った11名の名前が明らかになった。11名はすべて男性で、一人の例外を除いて全員が、フォーブスが選んだ「米国で最も富裕な400名リスト(フォーブス400)」に名を連ねている。

フォーブスは、このデータを非営利組織Open Secretsから入手した。個人献金額第1位は、ジョージ・ソロス氏だ。ソロス氏は資産249億ドル(約2兆9100億円)で昨年の「フォーブス400」の16位にランクイン。ヒラリー・クリントン候補に600万ドル(約7億円)献金している。

次いで、米メディア界の大物で資産家のハイム・サバン氏もクリントン氏に300万ドル献金。米ヘッジファンド、エリオット・マネジメントの創設者、ポール・シンガー氏は共和党候補マルコ・ルビオ氏に250万ドルを献金した。

11名中ただ一人、「フォーブス400」にランクインしていないのが、カリフォルニア州サクラメントに本社を置くテック企業RagingWire Data Centers Inc.の創設者、ジョージ・マクリオコスタス氏だ。彼は、共和党保守派でリバタリアンとして知られるランド・ポール上院議員の支持団体に総額210万ドル献金している。名前の挙がった11名の中で、他国への軍事介入を嫌うリバタリアン(自由至上主義者)に献金したのは彼一人だ。

個人献金上位11名中4人が、ヒラリー・クリントン氏に献金しているが、左翼系無所属のバーニー・サンダース上院議員に献金した人物は一人もいなかった。サンダース氏は、米国における格差拡大と国内産業の衰退を批判して急速に支持者を増やしている。

その他に7人のビリオネアが、共和党候補者、主にマルコ・ルビオ上院議員と、カーリー・フィオリーナ氏らに100万ドル単位の献金をしている。テッド・クルーズ上院議員と2位に甘んじた不動産王ドナルド・トランプ氏を支持する献金者は、一人もランクインしていない。

昨年9月の人気投票では2位だったものの、候補者指名争いが口火を切るアイオワ州共和党党員集会で、わずか2%の支持票しか得ることが出来なかったフィオリーナ氏が、大口献金者の支持を得たのは驚きといえば驚きだ。フィオリーナ氏がヒューレット・パッカードのCEOだったという前歴が物を言っているのかも知れない。

彼女を支持する大口献金者として名を連ねたのは、ロナルド・レーガンマーロン・ブランドの敏腕エージェントを務めた経歴を持つ大富豪、ジェロルド・ペレンチオ氏、オンライン決済PayPalの創設者の一人でシリコンバレーの起業家、投資家のピーター・ティール氏、ハイアット・ホテルの創業者一族、J.P.プリツカー氏、そしてテキサスの大富豪、ロバート・マクネア氏だった。

 

アメリカの億万長者なんて、まったく縁が無いので(笑)、誰が誰か判らないが、調べてみると面白い。

 

ソロスは中欧ハンガリー出身、サバンは中東エジプト出身、そしてシンガーも含めて、少なくともこの3人はユダヤ系だ。やっぱり億万長者にはユダヤ系が多い。

 

サバンさんは、珍しいことに、日本の特撮やアニメに縁があった人のようだ。

昔、フランスで大人気だった「UFOロボ・グレンダイザー」や、

アメリカで放送された東映戦隊シリーズ」で、ガッツリ儲けたらしい。

 

シンガーさんは共和党支持の保守派だが、息子さんが同性愛者なんで、リベラル派の支援もしているようだ。お金持ちの家庭もイロイロ複雑なようである。

 

なんで大金持ちが、サヨク民主党候補に献金するのか? 金持ちは共和党の味方じゃないのか? という疑問もあるだろうが、金持ちといってもベレルがイロイロある。

 

地元の商売が大当たりして成り上がった田舎の小金持ちもいれば、

先祖代々の家柄でほとんど貴族みたいな資産家もいれば、

国家の通貨当局者相手に喧嘩を売れるような国際投機屋もいる。

小金持ちは税金に敏感だ。増税民主党より減税の共和党を選ぶ。

しかし、世界的な大金持ちになれば、もう、税金の多少なんて関係ない。世界が宗教かぶれでギクシャクするより、リベラルな世界になったほうが、より儲けやすいのである。

 

だから、アメリカの長者番付に乗るような、そしてアメリカ国内ではなく国際市場で商売するような超大金持ちの献金先は、やはりヒラリーが多いのだ。

テキサスで生まれてテキサスで育ってテキサスで死んでいく根っからWASPの石油屋さんならば、共和党に献金するだろうが、

ナチスソ連の横暴で祖国を追われたソロスや、イスラムのエジプトに生まれて、ユダヤ国家イスラエルに、そしてフランス、最後にアメリカに行き着いたサバンのように、世界を流浪した経験を持つ少数民族の金持ちは、やはり少数派に優しいリベラルなのである。

 

しかし、いくらリベラルでも、サンダースさんまでいくとやっぱり困る(笑)。

まあサンダースさんの方から「金持ちのヒモ付きにはならない!」ということで大口献金を断ってることもあるだろうが。

 

私はアメリカ政治を「五大派閥」に分けたが、現実はデジタルなものではなく、アナログだ。それぞれ個人によってポジションに幅がある。

 

オバマもヒラリーもワシントン左派だと思うが、オバマはどっちかといえばラジカルリベラルに近いワシントン左派で、ヒラリーはワシントン右派よりのワシントン左派だろう。

ワシントン右派よりのワシントン左派、ワシントン左派よりのワシントン右派、つまりワシントン派の真ん中が、一番献金が集まるわけだ。 

 

共和党でも、あんまり無茶はしない主流派のワシントン右派、そして自由市場経済重視のリバタリアンが人気で、献金が集中してるようだ。

私はフィオリーナポピュリストに分類しているが、宗教保守色は薄く、リバタリアンの要素も持つビジネスウーマンなんで、その面での献金なんだろう。

 

ピーター・ティールはシリコンバレーの起業家。同性愛者でリバタリアン。こういう人は支持政党で悩む。経済的には小さな政府の共和党ヨイショだが、文化的には同性愛NGの宗教保守は敵だ。

 

宗教保守は大富豪から不人気である。金持ち本人が福音派なら別だが、大きな企業を経営する人からすれば、学校でダーウィン進化論の授業を禁止するようなことをされると、マトモな労働者も育たないわけで、宗教は教会でやってくれ、という意見になるだろう。

 

しかし、これは宗教保守の不利、弱さを意味しない。

宗教保守は、献金が少ないのに、莫大な献金を貰ってるワシントン派相手に互角以上に戦える草の根人気と集票力を持っていることを意味しているからだ。

 

アメリカ大統領選挙~ドナルド・トランプを巡るアメリカ版「ネトウヨVS保守派言論人」の内ゲバ。 - 在日琉球人の王政復古日記