昨今のネトウヨの皆さんは、韓国LOVE(笑)の舛添要一さんを、反日・左翼だと非難している。
しかし、舛添さんは、たとえば、朝日新聞、SEALDs、週刊金曜日、日本共産党、みたいな、通常の、日本の左翼・リベラルとは、まったく異なるポジションから出てきた人である。
彼は「国家主義者」なのである。
ただし「愛国」でもないし「右翼」でもないだけで。
そういう「ポジション」もありうるのだ。
【韓国人学校に都有地貸与】都庁前でデモ、批判3千件超が殺到 舛添知事は「撤回しない」 - 産経ニュース
韓国人学校を増設するため、東京都が新宿区にある約6千平方メートルの都有地を韓国政府に貸し出す方針を固めたことに、批判が相次いでいる問題で、舛添要一知事は25日、報道陣の取材に対し「(見直す考えは)全然ありません」と計画を撤回しない考えを示した。
都有地のあるJR市ケ谷駅周辺はマンション新設が相次ぎ、保育ニーズも高まっているが、舛添氏は「なんでもかんでも保育園のニーズ、ニーズ。都有地を国際親善に使うことが問題なのか」と述べた。
都庁には24日までに「外交ではなく都民のために使うべきだ」などとする批判的なメール2500通、電話680件が寄せられている。舛添氏は「都民は1350万人いる。どんな政策をやっても批判がある。私の支持者が9割いて、1割反対でも135万人。それが政治の世界だ」と語った。
一方、都庁前では25日、保守系市民団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の呼びかけで、抗議デモが行われた。「絶対反対」などのプラカードを掲げた男女約60人が「保育所を求める都民の切実な声をなぜ聞けないのか」などと訴えた。
まず、あんまり関係ない余計な話から。
保守系市民団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の呼びかけで、抗議デモが行われた。
産経新聞はバカなのか?マゾなのか?
「頑張れ日本!全国行動委員会」といえば、2011年、反日だ!売国だ!偏向だ!韓流だ!と叫んで、産経新聞も傘下にある「フジサンケイグループ」の中核ともいうべきフジテレビに押しかけてデモした皆さんではないか。
他の全国紙に比べて発行部数で劣勢で、確実に赤字と思われる産経新聞が毎日毎日ちゃんと印刷できるのは、フジテレビが韓流ドラマで視聴率を稼いで金銭面でサポートしているからだ。
つまり「頑張れ日本!全国行動委員会」は、産経社員の給料を支払ってるフジテレビに嫌がらせをした連中ではないか。産経新聞の敵なのである。
そんな連中が「保守」ならば、フジテレビは「アンチ保守」だし、その子分の産経も「アンチ保守」ということか?
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そして、フジテレビを売国と叩いている自称・保守派は、なぜなんだか、その手下の産経新聞を売国とは呼ばない。
アタマの中の論理構造がどうなってるのか?どう整合性を取っているのか?世界の7不思議である。
さて、本題に戻る。
舛添知事「都民って誰?」 夕刊フジ直撃に「変更はない」 韓国政府に都有地「貸し出し」 - 政治・社会 - ZAKZAK
そこで、「保育園があった方がいいという声がある」と問いただすと、舛添氏は「何でもかんでも保育園のニーズ、ニーズ。じゃあ、高齢者どうするんですか? ソウルで日本人学校をつくるときに、(韓国に)大変お世話になっている。こちらも、お返しはちゃんとしないといけない。都有地を国際親善に使うことが問題ならば、どうぞ(北区の)フランス人学校についても、同じキャンペーンをしたらどうですか」と語った。
記者が再度、「都民から理解を得られると思っているのか」と質問すると、舛添氏は「都民って誰なんですか? 1350万人いるんですよ。どんな政策をやったって批判あります。私に対して9割の支持者がいて、1割反対でも135万人ですよ」といい、「みなさん方がお書きになる論調だって、テレビ番組だって、100人が100様、大賛成じゃないですよ。あなたが書いたものだってそうでしょう。ね。(夕刊フジは)何万部売れているんですか? そういうことを、やっぱりきちんと公平な目で見ないといけない」と述べた。
大昔、まだ髪の毛が黒々とたくさんあった(笑)東京大学助教授としてテレビに登場した頃は、世間から、保守、右翼、タカ派と呼ばれていたのである。
まあ、それだけ時代や政治状況が変わったともいえるが、やはり舛添さんは、いわゆる「日本の左翼」とは異なる思想に立つ人だ。
一般に、右翼、保守派というのは、「敵に立ち向かう強さ」に憧れるので、どうしても硬派な男っぽいイメージがある。
対して、左翼、リベラルというのは、「虐げられた弱者」に視点を当てるので、どうしても、女々しい、軟弱なイメージになる。
ネトウヨの皆さんは、舛添さんを反日左翼というけれど、彼は、どう見ても、女々しくないし、軟弱でもない。
なぜなら舛添さんは「弱さ」「優しさ」を売りにしてないからだ。
発想も行動も「マッチョ」なのである。
プライベートの女性の扱いもかなり男根主義的らしいし(笑)。
「都民は1350万人いる。どんな政策をやっても批判がある。私の支持者が9割いて、1割反対でも135万人。それが政治の世界だ」
ここに、舛添さんの政治思想が如実に表れていると思う。
彼はドライなのだ。ウェットな心情が極端に薄い。
日本の右翼や保守派を、大雑把に分類すれば、親米保守(日米安保派)か、非米(反米)ナショナリズム(東京裁判否定派)か、になる。
左翼やリベラルは、9条護憲、反戦平和だ。
左右とは別に、ホリエモンのような、新自由主義者=ネオリベもいる。
しかし、舛添さんは、そのどれでもない。また別のタイプだ。
日本の国際政治学者は、最近は特にそうだろうが、アメリカ留学したりして、アメリカ型の政治学を学ぶことが多い。そして、だいたいは、親米保守になる。
昔は、留学しないまでも、ソ連や支那の社会主義に憧れた左翼系政治学者もいた。
しかし、舛添さんは、アメリカ信者でもなく、マルクスかぶれでもなく、フランスに留学した人なのだ。
だから、いわゆるマルクス主義ではないが、かといってアメリカンな保守でもない。ヨーロッパでも、アメリカに近いイギリスではなく、大陸系の「おフランス」な政治思想なのである。
彼にとってフランスは思想の核だ。だからこそ韓国人学校で非難された時に、アメリカンスクールではなくフランス人学校を例に出すのである。
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かといって、いわゆる右翼や保守派のような、国家を愛する、民族を愛する、皇室を敬愛する、靖国神社に参拝する、日の丸・君が代を愛する、サッカー代表が勝てば熱狂する、国家や民族を一個の家族だと考える、外国を嫌う、外国人を嫌う、「民族共同体」的、「国家有機体説」的なナショナリストでもない。
彼は「社会契約説」的な国家主義者なのだ。
国家は、自然発生したものではなく、固有の存在ではなく、あると便利だから作られた「人工物」である。
国家は、理性と契約によって動くべき法人、一種の企業だ。
国家に血縁的紐帯、宗教的熱狂を持ち込むな。ライシテ=政教分離の精神である。だから靖国神社にも冷淡である。
国家の構成メンバー=国民も、歴史や伝統ではなく、言葉や民族や肌の色や宗教ではなく、その国家と主体的に契約を結んだ個人である。
国旗や国歌は単なる標識・道具であり、極端な話、日の丸なんて、色が赤かろうが黒かろうが、形が丸だろうが三角だろうが、デザインはどうでもいい。標識として機能すれば良いだけだ。
皇室も国家安定のために有用だから敬意は払うが、それを熱愛するものではない。
社会契約説だから、フランス革命を肯定し、天賦人権論も肯定する。つまりは民主主義者であり、人権思想家である。
憲法も、皇室・日の丸・君が代同様、しょせんは「道具」である。だからいくら変更しても構わない。ただし憲法は理性の表明であり、くだらない「浪花節」は不要だ。
国民を特定の宗教や思想で縛らない。だから国民はいつもバラバラだ。だからこそ逆に、軍隊や警察は、国家権力を守るため、国民を統治するために絶対必要である。
舛添さんは、ナショナリスト(国家主義者)であっても、ナショナリスト(民族主義者)ではないのだ。
国家は、国民の生命を守り、ちゃんとメシを食わせるのが仕事だ。
マルクス主義は国民にメシを食わせることが出来なかったからダメ。上手くやれるならネオリベでもいいのだが、基本が国家主体だから、どうしても大きな政府・社会民主主義っぽい発想になる。
逆に、国民にちゃんとメシを食わせるためなら、少々強引でも、荒っぽくても許容する。
後進国が経済成長のために、民主主義のルールを多少踏み外して、国家権力を強引に行使する、いわゆる「開発独裁」的手法も、結果オーライで、認める。
たとえば、朴姐さんのご尊父・朴正煕も、強引な手法だったが、結果として、麦飯しか食えなかった韓国人にリッチな焼肉を食わせることに成功したわけだから、舛添さんの思想からいえば「救国の英雄」だろう。
フランスは大統領権限が非常に強い政治体制である。
日本のような議院内閣制と違って、大統領個人の裁量による独裁的な政治が可能だ。
どうも、舛添さんは、日本のような議院内閣制より、フランスみたいな大統領制がお好みのようだ。
彼の理想は、強権を発動して、アメリカ相手に互角で渡りあい、植民地アルジェリアの始末を付け、核兵器にも手を出した、戦後フランスの独裁者的ナショナリスト、ド・ゴール大統領かもしれない。
実は韓国もフランスに近い大統領制だ。舛添さんは、強権を持ってる朴姐さんが羨ましいのかもしれない(笑)。
そして、知事も、システム的には、議院内閣制でななく、大統領制に近い。
だから舛添さんにとっては、国会議員をやってるより、相性が良い。
ただし、知事は内政が仕事だ。しかし、舛添さんは国際政治学出身で、どうしても外交をやりたがる。そこで、知事の大統領的権限を悪用(笑)して、海外に行ってしまうのである。
舛添さんは、東京都知事というよりは、東京共和国大統領のつもりなのだ(笑)。
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