在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

「ハンガー」が象徴する、あるサルのメスの歴史~カトリック国ポーランド中絶禁止法案否決。

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この写真を見て、特に何も感じない人は、特に女性ならば、貴女は幸いなるかな。

神は貴女から遠い。ゆえに貴女の人生は平穏なり。

 

私は男ながら、この写真を見て、ちょっと気分が悪くなった。

 

ポーランドの中絶禁止法案、反対多数で否決 女性たちの抗議の声が議会を動かした

2016年10月07日

ポーランドの下院議会は10月6日、与党「法と正義」が成立を目指していた人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法案を賛成58、反対352、棄権18で否決した。中絶法案に反対す女性たちの抗議の声が、与党をはじめとする政治家を動かした形となった。
国民の90%以上がカトリックポーランドでは、現行法でもヨーロッパの中で最も厳しい中絶禁止法が1993年に施行されている。中絶が認められるのはレイプ、近親相姦、母体に危険が及ぶ時、胎児に先天性異常がある時で、違反した場合、最高で禁錮2年の量刑が科される。
BBCによると、今回の改正中絶禁止法案は、中絶が母体に危険が及ぶ場合だけに限られ、量刑は最高で禁錮5年まで引き上げられるというものだった。この中絶規制の強化案は、反中絶の活動団体が45万人の署名を集めて法案化された。当初はカトリック教会の支持も受けていたが、司教たちから中絶をした女性を投獄するのは支持できないという声が上がっていた。
首都ワルシャワグダニスク、ウッジ、ヴロツワフクラクフなどポーランド国内の各都市でおよそ10万人が参加した大規模デモが起き、女性たちは黒い服に身を包み、「私たちには医者が必要だ。宣教者じゃない!」などと抗議の声を上げた。
ロイターによると、法案を推進していた「法と正義」党首のヤロスワフ・カチンスキ元首相は議会で、「我が党は引き続き生命を守る支援をする。そして、生命を守るという政策は引き続き維持していくが、今後は熟慮しながら進めていくことになる」と述べた。

 

気が付かない人が多いと思うが、ポーランドの女性たちが中絶禁止に反対するデモを行った写真だが、これらには、ある共通点がある。

 

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それは「ハンガー」だ。服を吊るす道具だ。

変に思わない人も多いかもしれないが、貴方はその理由を説明できるだろうか?

どうして、彼女たちはハンガーなんかを掲げているのか?

 

ポーランド:中絶全面禁止法案 少女・女性にとって危険な後退 : アムネスティ日本 AMNESTY

さまざまな団体の活発な活動のおかげで、何十万人もの女性が自分たちの人権を保護する闘いに参加してきた。この数カ月で抗議活動は国内の通りにあふれかえり、経済的理由で国外で中絶を受けることができない女性が、荒っぽく危険ではあるが余儀なくされる自己中絶行為を想像させるコートハンガーを、抗議のシンボルとして掲げた。

 

ハンガーは、中絶を連想されるモノなのだ。

こっちはアメリカだが、こういう事件があった。

 

【海外発!Breaking News】妊娠24週。ハンガーで赤ちゃんを掻き出そうとした女、逮捕(米) | Techinsight|海外セレブ、国内エンタメのオンリーワンをお届けするニュースサイト

事件は今年9月、米テネシー州ラザフォード郡マーフリーズボロに暮らすアナ・ヨッカ(31)の自宅で起こった。妊娠24週に入りお腹のふくらみも目立ち始めたヨッカは、バスタブに水を溜めて体を沈め、赤ちゃんの堕胎を試みたのだ。ハンガーを用いて赤ちゃんを掻き出そうとしたヨッカ。だが、あまりの出血に身の危険を感じ、ボーイフレンドに連れられて市内のセイント・トーマス・ラザフォード病院に運ばれた。

 

神を賛美するキリスト教カトリックだけではない。プロテスタントも)こそが、誰にも相談できない女性に、自ら、自分の子宮に針金を突っ込ませるように仕向けて、彼女たちを胎児ごと血塗れにしてきたのである。

こんな手術とも言えない野蛮な行為は、針金が存在しない大昔から、別のもっと不便な道具で行われていた。ヨーロッパだけではない、日本の昔も同じだ。

もちろん、胎児だけでなく、出血多量、内臓破損、感染症で、女性も重傷を負う可能性が高い。しかし教会から禁止されている犯罪行為なので、おおっぴらに医者を呼べない。というか昔の医療レベルでは対処が難しかっただろう。

 

少なくない女性がこうやって死んでいった。

これが、万物の霊長たるホモ・サピエンスの女性の歴史、である。

 

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このポーランドの女性たちと、

自業自得の人工透析患者に優しかったネット・ジャーナリストの長谷川豊さんや、

頑なに死刑制度に反対する(のん、じゃない方の)尼ちゃん・瀬戸内寂聴も、

「人の生死、世論、国家権力」という意味では、同じジャンルの話なのである。

 

人や動植物を、殺してもよい・殺すべきだ、という考え方が、常に、正しいわけでも、間違ってるわけでも、ない。

人や動植物を、殺さない、殺してはならない、という考え方が、常に、正しいわけでも、間違ってるわけでも、ない。

人生も社会も歴史も、そんな単純は判断で済むのなら、こんなにデッカイ大脳は不要なのである。

 

「胎児もすでに人間だ」「中絶は胎児の殺人だ」、理屈ではその通りである。

針金を突っ込んで血塗れになった女性に、「お前は人殺しだ」と言える人間は幸いなるかな。教会は義人たるあなたに天国への切符を保証するだろう。

教会の義人が、一日も早く、イエスの元へ旅立たれることを、煉獄の俗世に残される罪深き女性たちも歓迎するものと思われる。

 

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