在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

「1400年前の #厩戸王 #聖徳太子 」VS「39光年先の生命存在可能性がある7惑星」~子供を歴史から解放して理科を教えよう。

地球に似た7惑星持つ恒星系、39光年先に発見 生命存在の可能性 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース

2017/2/23(木)
【AFP=時事】(更新)地球からわずか39光年離れた銀河系内に、地球に似た7つの惑星を持つ恒星系を発見したとの論文が22日、発表された。太陽系外生命体の探査において、これまでで最も有望な領域を提供する驚くべき発見だという。
 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、7惑星はすべて地球に近い大きさと質量を持ち、岩石惑星であることはほぼ確実とされる。さらにうち3つは、生命を育む海が存在可能な環境にあるという。

 

私も根っからの文系人間なんで、詳細はサッパリ解らない。

解らないが、NASA天文学者を疑う根拠も全くない。

だから、学問として、科学として、正しいのだろうと思う。

 

天文学の世界では、世俗の素人は、学問的訓練を積んできた専門家に太刀打ちできない。これだけでも、天文学や自然科学は「モノゴトのあり方として」正しい。

 

自然科学の世界に、電子望遠鏡の向こう側に、

オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)/ALTERNATIVE FACTS」だの

ポスト・トゥルース(脱・真実)/POST TRUTH」だの、

トランプ大統領やその支持者の主張は存在しないし、通用しない。

 

これが、自然科学から離れて、社会科学や人文領域に入ると、理屈が変わる。 

 

変わる歴史用語、聖徳太子→厩戸王 学習指導要領案 :日本経済新聞

 2017/2/15
 「聖徳太子」は「厩戸王(うまやどのおう)」、「鎖国」は「幕府の対外政策」――。新学習指導要領案では、重要な歴史用語が最近の研究成果を反映して変更される。理科なども、自然災害の頻発や社会情勢の変化を踏まえた内容が盛り込まれた。

 

学問的訓練を積んだ歴史学者の多数意見が反映されての変更である。

古文書も読めない歴史学の素人が、彼らプロフェッショナルより正しい根拠は、どこにも、何も、ない。

 

素人は専門家より理解が足りない。

この、NASA天文学の話題なら普通に通用する当たり前の話が、歴史学になると通用しなくなる。

 

で、予想通りの方面から、予想通りの反応である。

 

【正論】周到な「聖徳太子抹殺計画」 次期指導要領案は看過できない 拓殖大学客員教授・藤岡信勝(1/4ページ) - 産経ニュース

2017.2.23
≪国民に「厩戸王」の定着を狙う≫
 文部科学省は2月14日、次期学習指導要領の改訂案を公表した。その中に、国民として決して看過できない問題がある。日本史上重要な人物で、日本国家自立の精神的よりどころとなった聖徳太子の名を歴史教育から抹殺し、「厩戸王(うまやどのおう)」という呼称に置き換える案が含まれているのである。
(略)
 なぜこんなことになったのか。その根拠は、今から20年近く前に、日本史学界の一部で唱えられた「聖徳太子虚構説」と呼ばれる学説だ。その説は「王族の一人として厩戸王という人物が実在したことは確かであるが」「『日本書紀』や法隆寺の史料は、厩戸王聖徳太子)の死後一世紀ものちの奈良時代に作られたものである。それ故、〈聖徳太子〉は架空の人物である」(大山誠一『〈聖徳太子〉の誕生』平成11年)と主張する。
 しかし、この説には根拠が乏しい。聖徳太子」は100年以上たってから使われた称号だが、核となる「聖徳」という美称は、『日本書紀』以前に出現しているからだ。この学説が公表されたあとも、「聖徳太子」の名を冠した書物はたくさん出版されている。
(略)

 ところが、事情は不明だが文科省は、この珍説が歴史学界の通説であるととらえてしまったようだ。この説は日本国家を否定する反日左翼の運動に利用されているのであり、その触手が中央教育行政にまで及んだ結果である。

≪日本を精神的に解体させるのか≫

 死後付けられたということを理由にその呼称が使えないとすれば、歴代の天皇はすべて諡号(しごう)(没後のおくり名)であるから、いちいち、大和言葉の長い名称を書かなければならず、歴史教育の用語体系は大混乱となる。そもそも歴史教育歴史学のコピーではない。歴史教育には国民の歴史意識を育てる独自の役目がある。
 聖徳太子抹殺の影響は古代史のみにとどまらない。明治以降発行された紙幣の人物像として最も多く登場したのは聖徳太子である。このことが象徴するように、聖徳太子は日本人の精神の支えとなる人物だったのだ。
 聖徳太子の抹殺は日本国家を精神的に解体させる重大な一歩である。「日本を取り戻す」ことを掲げて誕生した安倍晋三政権のもとで見逃されてよいはずがない。

 

「案の定」という日本語の存在がありがたい(笑)。

 

核となる「聖徳」という美称は、『日本書紀』以前に出現しているからだ。

 

そんな理屈(か?)が通用するなら、じゃあ、「桃」も「太郎」も、大昔からある日本語だから、「桃太郎」は実在の人物である!、という主張に対して、藤岡先生はどう反論するのだろうか? それとも桃太郎は実在の人物か?

 

この学説が公表されたあとも、「聖徳太子」の名を冠した書物はたくさん出版されている。

 

南京事件の被害者は30万人もいるわけがない」という、私も納得できる意見が出た後にも、左翼や支那は30万人説に基づく書物をたくさん出版している。

朝鮮人慰安婦の強制連行はほとんどあり得ない」という、私も納得できる意見が出た後にも、左翼や韓国は強制連行説に基づく書物をたくさん出版している

藤岡理論?によれば、「その後も書物がたくさん出版されていれば、史実になる」ようなんだが、それでいいのか?

 

この説は日本国家を否定する反日左翼の運動に利用されているのであり、

 

歴史学反日左翼運動に利用することを批判してるくせに、

 

そもそも歴史教育歴史学のコピーではない。歴史教育には国民の歴史意識を育てる独自の役目がある。

 

歴史学ナショナリズム運動に利用することを当然だと思っている。

 

まるで「イスラムは間違っている!」と叫ぶキリスト教原理主義者である(笑)。

笑い話ではない(笑)。本当に同じ話なのだ。

 

上で「天文学の世界では、世俗の素人は、学問的訓練を積んできた専門家に太刀打ちできない。」と書いたが、それは文字通り「世俗」の話でしかない。「聖なる世界」に生きる人々は別だ。

キリスト教原理主義者たちは、電子望遠鏡を覗かなくても、高等数学ができなくても、聖書だけは「正しく」読んでいる。

その「正しい」聖書に従って、「地球や宇宙が誕生して、約6000年しか経っていない」「だから、恐竜も6000年前からの生物で、人間は同じ時代に生きていた」と言い出す人たちなんだから、39光年先の惑星に生命がいるのか?いないのか?だって、NASAよりも正しく判断できるのである。聖書には、そんな惑星も、そんな生物も、書かれていないのだ。

 

6000年前、人間と恐竜は共生していた~ISISイスラム国VSアメリカ創造博物館~「神の国」を目指す気持ちは同じ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

我々にキリスト教原理主義者を笑う資格はない。

彼らと同じレベルの主張が全国新聞に書いてある国に暮らしているのだから。

 

藤岡さんは、反日左翼運動を警戒し、1400年前の聖徳太子を国民教育に利用したいようだが、 39光年先の7惑星の方は、国民教育に利用しなくてもいいのか? 

キリスト教原理主義者のように「NASAはアンチ・キリスト!科学者はサタンの手先!」みたいな、天文学に対する国民的反対運動は組織しないでいいのか? それとも使いにくいモノは無視か?

 

目的のためなら、歴史教育の内容は、歴史学の内容と違っていても正しい!

こういう発想こそが、トランプさん周辺の「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)/ALTERNATIVE FACTS」「ポスト・トゥルース(脱・真実)/POST TRUTH」というイデオロギー(価値体系)と全く同じである。

 

そんなことが許されるのなら、韓国の反日イデオロギーをどうやって批判するのか? 歴史教育を日本ナショナリズムに利用してイイのなら、歴史教育韓国ナショナリズムに利用してもイイじゃん(笑)。

 

マトモに考えれば「(義務教育の)歴史教育は、歴史学の(簡易)コピー」に決まっているではないか。それが歴史に限らず、初等教育というものだ。

 

しかし、これは藤岡さんだけが悪いのではない。

歴史学という学問、広く社会科学や人文領域の全体が本質的に抱える構造問題でもある。社会科学や人文領域は、どこまで頑張っても、おそらく、自然科学にはならない。

 

それは人間がイデオロギー無しでは生きていけない狂ったサルだからだ。

NASA天文学者だって、電子望遠鏡を離れれば、教会に通ってたり、オバマに投票したリベラルだったりするだろう。イデオロギーから自由ではない。

 

社会科学や人文領域の中でも、歴史が特に、イデオロギーという雑菌が繁殖して腐りやすい分野である。

ゆえに、できることなら、歴史は、学校教育から排除すべきなのである。

 

教育から「歴史」という害毒を排除しよう!~歴史好きは精神病である。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

歴史は、しょせん「サルの妄想や願望から逃れられない、ファンタジー冒険ライトノベル」なのであり、右に傾いても、左に曲がっても、ろくなことにはならない。

 

1400年前の不明の人物がどうしたこうした、なんていうファンタジー小説に時間を浪費するより、39光年先に生命が存在するかもしれない、という理科の授業の方が、子供たちの未来と頭脳にはよっぽど大切なことである。

 

じゃあ、歴史を知らなくていいのか?という反論がありそうだが、

私は、教育しなくてイイと言っただけで、知らなくてイイとは言ってない。

 

普通の日本の学校で、子供に飲酒や喫煙は教えない。

教えなくても、悪ガキは、飲酒や喫煙を独力で知る。

子供は、いや人間は、教えなくても、興味があれば、飲酒や喫煙や歴史みたいな悪い遊び(笑)は、勝手に、すぐに、覚えるのだ。

 

対して、理科や算数は、運転免許に近い。

訓練しないで運転されたら危険なように、トイレ掃除で塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜて使われたら困るのである。

こっちは、興味がないので知りませんでした、では通用しない。

 

しかし聖徳太子の読み方を知らなくても、トイレに中毒ガスは発生しない。

 

#聖徳太子 #厩戸王 #鎖国 #日華事変 #日中戦争 #大和朝廷 #元寇 ~漢風諡号 東照大権現 国境の誕生 鎌倉政権 六波羅幕府 - 在日琉球人の王政復古日記